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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ゴヤの《青い服の子供》 ルーヴル美術館のスペイン絵画コレクションに入るまで

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ルーヴル美術館の所蔵作品から選りすぐった作品を1点だけ展示し、
その作品に関する解説を最新マルチメディアを用いてじっくりと行うという、全く新しい鑑賞スタイルの実験場。
それが、DNP五反田ビルの1階にあるルーヴル-DNP ミュージアムラボ。

これまでに、ジェリコーの 《銃騎兵》 や、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《銃騎兵》


ティツィアーノの 《うさぎの聖母》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《うさぎの聖母》


そして、ファン・ホーホストラーテンの 《部屋履き》 が来日していますが。
(その時のブログ記事は、こちら

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-部屋履き


第9回目の開催となる今回は、
これまで以上に、超大物絵画作品が、来日しています。
それは・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-青い服の子供


ゴヤ作の 《ルイス=マリア・デ・シストゥエ・イ・マルティネス(1788‐1842年)の肖像》
通称、 《エル・ニーニョ・アスル、青い服の子供》 です。

モデルとなっているのは、ロングヘアですが男の子。
後にスペイン独立戦争の英雄となった人物ルイス=マリア・デ・シストゥエです。

ゴヤによって描かれた、この肖像画の傑作は、
代々、シストゥエ家に受け継がれたのちに、アメリカの実業家・ジョン・D・ロックフェラーJr. の手に。
さらに、その後、ファッションデザイナーのイヴ・サン=ローランとピエール・ベルジェに所有されます。
イヴ・サン=ローランの死後まもなく、ルーヴル美術館に寄贈され、
そして、今回初めて、ルーヴル美術館の館外での公開される運びとなりました。
もちろん日本初公開です。


この作品が、五反田で観られるということも驚きですが。
無料で観られるというのは、さらに驚き。
しかも、完全予約制の施設のため、
押し合いへしあいすることなく、独り占めするように観られるのも驚きです。
星


作品としては、少年の何かを訴えかけてくるような眼差しと、
こちらを見ようとしない犬のコントラストが、印象的でした。

「ママ、この犬飼ってイイ?」

そう訴えかけているような気がしてなりません (笑)

どうでもいいのですが。
気になってしまったのが、少年が持つ犬のヒモ。
散歩用のリードとしては頼りない (?) ビニール紐のような感じでした。
18世紀のスペインでは、これが主流だったのでしょうか?

ともあれ、さすが、ゴヤの幻の名作と呼ばれるだけあって、
この1枚の絵を、飽きることなく、トータルで10分以上は眺めてしまいました。


さて、 《青い服の子供》 を十二分に堪能したあとは、
ルーヴル-DNP ミュージアムラボ独自の様々なアプローチで、この作品の更なる魅力に迫りました。
タッチパネル操作で、作品の構図やイメージを解体してみたり、
ルーヴル美術館が所蔵する他のスペイン絵画コレクションの傑作と比べてみたり。
シアターでは、ゴヤの魅力に迫ってみたり。
じっくり楽しめば、約1時間はかかります。
たった1枚の絵で、約1時間も楽しませるだなんて、ルーヴル-DNP ミュージアムラボならでは。


中には、この 《青い服の子供》 の画題をランダムに変え、
自分だけのお気に入りを見つけるという 「システィエ・マシン:解釈は自由」 というコーナーも。
http://www.museumlab.jp/exhibition/09/PV/interapp/index.html

ちなみに、僕が作ったものは、こちら↓

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-システィエ


システィエ君が健康に気を使って、ジョギングを始めた…というのを表現しました (笑)
パセリを持っているのは、我ながら謎です。

作ったものは、プリントアウトしてお土産にもらうことが出来ます。
皆様もチャレンジしてみてはいかがでしょう?


お土産と言えば、もう一つ。
「記念撮影:システィエに変身」 というコーナーで、記念撮影したものを頂きました。
カメラで撮り込んだ自分の顔を、
システィエ君に合成してくれるという、あまり有難くないコーナーでした (笑)

完成したものを見たいですか?
“気持ち悪いですよ” と十分に注意を促したところで、こちらです。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-システィエ


システィエ君というより、草間彌生さんみたいになりました。

“ゴヤの《青い服の子供》 ルーヴル美術館のスペイン絵画コレクションに入るまで は、10月28日まで。




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