日本橋の姿を上手くデザインに取り入れたステキなポスターに誘われて。
江戸東京博物館で開催中の “日本橋 描かれたランドマークの400年” に行ってきました。
「江戸東京博物館 開館20周年記念特別展」
と銘打たれた、この展覧会。
“江戸博と日本橋。どう関係があるの??”
と、疑問だったのですが、会場にて、その疑問が氷解。
開館10周年の際に選定された江戸東京博物館のマスコットが、
日本橋欄干の擬宝珠をいただいた親柱をイメージしたギボちゃん。
(ギボちゃん公式サイトは、こちら)
その繋がりもあって、今回の開館20周年の際に、
日本橋をテーマにした展覧会を開催することにしたのだそうな。
日本人にお馴染みの広重の浮世絵から、
明治時代の日本橋を描いた浮世絵に、
大正時代の日本橋の姿を描いた作品、
そして、昭和の日本橋の姿を描いた川瀬巴水の傑作まで。
とにもかくにも、会場は日本橋尽くし!
“果たして、日本橋というテーマだけで、一つの美術展が成立するのか・・・?”
と、観るまでは、多少なりとも心配はありましたが。
いやいや、そんな心配は何のその。
約130点の日本橋関連作品で、会場は埋め尽くされていました。
そのことは、純粋にスゴいと思います。
・・・・・ただし。
それと、展覧会として面白いかどうかは別の話。
正直なところ、日本橋が描かれた作品しかないので、さすがに飽きました (笑)
確かに、江戸時代に始まり、明治、大正と時代が変遷するので、
日本橋そのものの姿、そして、その周りの風景も当然変わっているのですが。
日本橋は、日本橋。
100点以上も観るものではないと、僕は思います。
おそらく、この展覧会を心から楽しめるのは、日本橋の住民さんだけではなかろうか。
そして、もう一つ飽きてしまったのが、
展覧会に、ちょいちょい登場するギボちゃん。
彼が、キャプションに登場するたびに、
「常設展会場では、再現した日本橋が観れるよ。」 だとか、常設展行きを薦めてくるのです。
(常設展は、別料金!)
山王祭が描かれた浮世絵の下に、キャプションに登場して、
「常設展会場では、山王祭じゃないけど神田祭関連の資料が観れるよ。」
と、のたまわった時には、さすがにイラッとしました (笑)
ゴリ推ししすぎ。
そんなこんなで、ぶっちゃけて1つ星。
ちなみに、ぶっちゃけついでに、もう一つ言わせていただけば。
音声ガイドの人選が、ちょっと微妙ではないかと・・・ (笑)
(↑もはや、これは言いがかりでしかない!)
東京都美術館の “マウリッツハイス美術館展” の音声ガイドは、武井咲。
国立西洋美術館の “ベルリン国立美術館展” は、小雪。
東京国立博物館の “ボストン美術館 日本美術の至宝” では、中谷美紀。
と、そんな豪華な顔触れに並んで、
今回の江戸東京博物館の開館20周年記念特別展の音声ガイドを担当したのが・・・
林家三平・国分佐智子夫妻
決して、このお二人を嫌いというわけではないのですが。
他に、いなかったのかなぁ。
ここまで何だか不満しか述べていないようですが。
面白い作品があったのも確かでして。
たくさんの日本橋が描かれた作品がある中で、
正面から日本橋を描いた歌川国貞の 《東海道 日本橋》 と、
小林清親の 《日本橋夜》
この2点の斬新さは、特に印象的でした。
また、今回の展覧会でのイチオシ作品が、
18世紀中頃に制作された作者不詳の 《隅田川風物図巻》。
一見何の変哲もない10メートル近い絵巻を、
“ふ~~~~ん” と眺めていると、徐々に会場の照明が落とされ始めました。
完全に照明が落ちた瞬間です。
“わ~~~~”
昼の景色が、一挙に夜景に変わったではないですか?!
実は、この絵巻。
一部が薄い和紙になっていて、
裏から照明を当てると、そこから光が透過する仕掛けになっている影からくり絵巻。
江戸の粋が詰まった絵巻でした。
最後に。
今回一番印象に残った日本橋エピソードを、皆様に。
今のこの日本橋は、明治44年 (1911年) に掛け替えられたもの。
その開通日が近づくにつれて、日本中その話題で持ちきりだったそうで、
開通日当日には、多くの見物客が、新しい日本橋に集まったのだとか。
なんだか、東京スカイツリーの開業日のようです。
現代も100年前も日本人の考えることは、変わらないのですね (笑)
ちなみに、東京スカイツリーの開業日の天気が小雨だったのは、記憶に新しいところですが。
新しい日本橋の開通日の天気も、小雨。
運命を感じてしまいました。
東京スカイツリーと違うのは、橋ならではのセレモニー。
江戸時代より、橋を架け替えるたびに、
一家三代の夫婦が渡る “三代三夫婦渡り初め” という儀式があるのだそうです。
(「三代夫婦のように、橋も永続して欲しい」 という意味を込めているのだとか)
新しい日本橋が開通した時に、この三代三夫婦渡り初めを行ったのは、木村さん一家。
展覧会場では、その木村さん一家三代の三夫婦それぞれの絵ハガキが展示されていました。
「何ぞこれ??」
新しい日本橋フィーバーが過熱し過ぎて、
木村さん一家の絵ハガキまで出回ってしまったのだとか。
(注:木村さん一家は、一般人ですw)
どんな人が、木村さん一家の絵ハガキを購入したのでしょう??
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日本橋 描かれたランドマークの400年
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