資生堂ギャラリーで開催中の “Moving Plants 渡邊耕一展” に行ってきました。
こちらは、イタドリに魅せられ、10年以上の歳月をかけ、
世界を飛び回って、イタドリを撮り続けている写真家・渡邊耕一さんの最新個展。
もちろん、紹介されているのはイタドリの写真です。
イタドリは、日本各地に生息するタデ科の雑草で、
古来より、食材としても、また薬草としても知られています。
痛みを取るから、イタドリとのこと。
もともとは日本を含む東アジアにしか分布していなかったそうなのですが。
今から遡ること約200年前、あのシーボルトによって、
園芸用のアイテムとして、日本からヨーロッパにイタドリが持ち出されます。
イタドリが輸入された始めた当時は、
その年の最も興味深い装飾用園芸種として金賞を受賞するなど、重宝されていたのですが・・・。
繁殖力が異常に強いイタドリは、その後、あっという間にヨーロッパ中を侵略!
ヨーロッパの生態系を大きく破壊してしまいました。
ちなみに、こちらはイタドリを一度駆除した時の写真。
そして、6年後に同じ場所を写した写真。
繁殖力、どんだけだよ!
その猛威から、アカミミガメやブラックバスと並んで、
イタドリは世界の侵略的外来種ワースト100にも選ばれているそうです。
また、生態系だけでなく、物理的に建築も破壊するイタドリ。
アスファルトやコンクリートを突き破って増殖を続けるそうで、
イギリスでは、イタドリが土地にあると不動産価値が大きく下がってしまうほどなのだとか。
まさか日本のイタドリが、世界でそんなことになっていたとは・・・。
池の水をぜんぶ抜く様子を見るたびに、「外来種め!」 と、被害者ぶっていましたが。
知らないところで、日本も迷惑をかけていたのですね。
悪いのはシーボルトですが 、少しは責任を感じてしまいました。
しかし、見た目から犯人面のアカミミガメやブラックバスと違って、イタドリは見た感じは大人し目。
なんなら濃いグリーンに爽やかさすら感じます。
人畜無害に見えて、行動は狂気的。
一番、たちの悪いパターンです。
美しきストーカーみたいな感じでしょうか。
ちなみに、2010年にイギリスは、
日本からイタドリの天敵であるイタドリマダラキジラミを導入。
イタドリを根絶するべく、研究を進めています。
「バイオハザード」 のマークがプリントされた袋の中から、死に体のイタドリの姿が透けていました。
思わずゾッとする光景でした。
イタドリを根絶させることが、果たして、正しいことなのかどうなのか。
いろいろと考えさせられました。
人生で最もイタドリについて考えた日です。
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Moving Plants 渡邊耕一展
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