美術品を手に、銀座を代表するギャラリーの数々を訪問し、
昔話 『わらしべ長者』 のように、物々交換してもらおうという企画。
それが・・・
至峰堂画廊で交換してもらった山本雄教さんの作品を気に入りすぎて、
すっかり、次の作品と交換するモチベーションを失ってしまっていたのですが・・・。
さすがに、このままではマズいと思い、
1か月半ぶりに、わらしべ長者生活を始動させることに!
そういえば、我が家にあった美人画から始まったこの企画。
気づけば、長いこと、我が家に美人が不在の状態です。
というわけで、今回は、浮世絵から現代まで、
美人画の品ぞろえに定評のあるギャラリー、秋華洞に行ってきました。
こちらは、業界でも 「目利き」 として知られていた田中自知郎氏と、
その息子で現社長の田中千秋氏によって、平成16年に開館した日本美術専門のギャラリーです。
(ITに強い田中千秋氏によって、Web上ではおんらいんぎゃらりい秋華洞を展開!)
前回の記事を読んで、面白がってくださった田中氏。
「交換してもいい作品を見繕って、飾っておいたよ。」 とのこと。
今回も候補の作品の中から、僕が好きな作品を1点選んでいいのだそうです。
と、早速気になったのは、田中氏の後ろに飾ってある美人画。
画風といい、風格といい。
“これって、もしかして、伊東深水の作品ですか?”
「あぁ、そうですよ」
と即答。
もちろん本物でした。
赤いドットの着物が、ポップな印象の作品です。
是非とも我が家に迎え入れたいところですが、他の作品もチェックしませんと。
とりあえず、伊東深水はキープです。
続いて気になったのは、原崇浩さん (1971~) の作品。
原さんは、スペイン・リアリズムの第一人者、
アントニオ・ロペスから直伝を授かった数少ない画家の一人だそうです。
ただ写実的なだけでなく、どことなくシュルレアリスムの香りがする作品。
ずっと見ていられる気がします。
というか、我が家に飾って、ずっと見ていたい。
原さんの作品も、キープです。
秋華洞といえば、やはり浮世絵。
画廊内にあるこちらの棚には、
広重、国芳、国貞、芳年、清親など、多くの浮世絵が入っています。
誰でも、開け閉め可能。
自由に閲覧することができます。
(もちろん気に入ったら購入も可能です。安ければ、1万円を切るものも!)
そんな数ある浮世絵の中から、
田中氏が候補に選んでくれたのは、喜多川歌麿の美人画 《当世好物八景 もの好》 でした。
まさか、“世界のUTAMARO” の作品を、我が家に飾る日が来ようとは!
わらしべ長者生活様々です。
ありがたや。
この作品も、もちろんキープです。
他にも、ここ近年人気が急上昇中の書家・井上有一の作品や、
竹久夢二 (有島生馬賛) や徳岡神泉の作品が候補として用意されていました。
「とに~さん、交換する作品決まった?」
「・・・・・いや、まだっす。悩ましいです」
正直なところ、どの作品とも交換したい。
そして、間違いなく、どの作品もお高い。
前回、さんざん悩んだ末に、若手の作品と交換した手前、
もし今回、伊東深水や喜多川歌麿の作品をチョイスすると、
“あー、結局、お金で選んだかー(´д`)”
と、ガッカリされてしまうかもしれません (←誰に?)。
ということで、さんざん悩んだ末、僕の口から出てきたのは・・・
「あのー、田中さん。イチオシの若手作家の作品はありますか?」
という一言。
それに対し、田中氏が薦めてくれたのが、岡本東子さんの作品でした。
媚びない美人画を描かせたらピカイチの日本画家なのだとか。
確かに。
「甘~い!!」 ならぬ、「甘くな~い!!」。
ドライな味わいの美人画です。
「じゃあ、田中さん、今回は岡本東子さんの作品と交換させてもらっていいですか?」
というわけで、岡本東子さんの 《不全の実》 が我が家へやってきました。
もちろん、この作品も素敵で毎日眺めてはうっとりしていますが。
“伊東深水や喜多川歌麿らの作品と交換するチャンスだったのになぁ。
でも、あのラインナップからは、チョイスしづらいよなぁ。
・・・・・ハッ!もしかして僕が遠慮するのを見越して、あえてあのラインナップにしたのでは?!”
すべては田中氏の作戦だったのかも (←被害妄想!)。
足元を見られました。
その結果、手元をクローズアップした美人画に交換されました。
【今回ご協力いただいた画廊】
秋華洞
住所:東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
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わらしべ長者生活 <第十一話 遠慮>
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