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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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名工の明治

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今年2018年は、明治元年から起算して満150年の節目の年。
そんな 「明治150年」 を記念して、各地でイベント&展覧会が開催されています。
東京国立近代美術館工芸館もまたしかり。
「明治150年」 を記念して、“名工の明治” なる展覧会が開催中です。




金工師の加納夏雄や、




真葛焼の創始者である (初代) 宮川香山ら、




明治期より運営がスタートした現在の人間国宝にあたる帝室技芸員の作品から、
その遺伝子を受け継ぐ現代の作家の作品まで、約100点が紹介された展覧会です。

展覧会の見どころは何と言っても、伝説の鋳金家といわれる鈴木長吉の 《十二の鷹》
フランスでのジャポニズムブームの火付け役・林忠正の発注で制作され、
1893年にアメリカで開催されたシカゴ・コロンブス世界博覧会にも出品された作品です。




数年かけて修復作業が進められていたようで、今回が修復後初披露。
ちなみに、鉾垂れ (=鷹の止まり木に使用される装飾布) は、
長年行方不明だったこともあり、今回の展覧会に合わせて復元されたのだそうです。





今にも動き出しそうなほどに、リアルな鷹。
十二匹すべてがメンチを切っています。




マジマジと見ていると、マジでビビるほどの迫力。
まるでヤンキー集団のよう。
『クローズZERO』 を彷彿とさせます。


顔つきや羽根の表現も、もちろんリアルでしたが。
それ以上にリアルだったのが、隠すどころか堂々とむき出していた爪の表現。
ガシッと止まり木に捕まっている感じが、見事に表現されています。




12羽の鷹の中には、爪を舐めているものも。




ヤンキー漫画で、ナイフを舐めるヤバいヤツが登場しますが。
あんな感じ。
一番関わりたくないタイプです。


他にも、南北朝時代から現代まで続く堆朱工の二十代、堆朱楊成の 《彫漆六華式平卓》 や、




「耀彩」 という独自の技法で人間国宝に上り詰めた三代德田八十吉の 《燿彩鉢 創生》 など、




名品は数多く出展されていましたが。
今回に限っては、やはり鈴木長吉の 《十二の鷹》 が他を圧倒していました。
名品中の名品です。
《十二の鷹》 を見に行くためだけに、
東京国立近代美術館工芸館を訪れる価値は大いにアリ!
鵜の目鷹の目でご鑑賞くださいませ。
星星


ちなみに、個人的に一番印象に残ったのは、
十二代今泉今右衛門による 《色鍋島緑地更紗文八角⼤皿》 です。




パッと見は、ウィリアム・モリス風の柄のように思えましたが。
目を皿のようにして見てみると・・・




謎のキャラが、わらわら描かれていました。
アライグマ?ワオキツネザル??
それとも、何らかのウイルスをキャラ化したもの??




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