現在、資生堂ギャラリーで開催されているのは、“蓮沼執太: ~ ing” という展覧会。
音楽家、作曲家、プロデューサー、演奏家、シンガー、
さらには、アーティストとしても活躍中の蓮沼執太さんの個展です。
ちなみに、タイトルの “ ~ ing” は、「から イング」 と読むそう。
事物 (人間) を繋ぐ関係性の象徴としての 『~』 と、
進行形・Thing・Beingという意味での 『ing』 を組み合わせたとのこと。
とに 『~』 としては、行かざるを得ない展覧会です。
ギャラリーと降りる階段で、早くも最初の映像作品が展示されていました。
《Walking Score in Ginza》 です。
資生堂ギャラリーの周辺で、マイクを転がして歩き、音を採集した映像作品とのこと。
全部で39分10秒の作品でしたが、
ギャラリーに向かう階段での展示だけに、ゆっくりと立ち止まって鑑賞しづらいものがありました。
ちなみに、階段を降り切ったところには、
誰かの引退コンサートかのように、採集時に使われたマイクがそっと置かれています。
踏まないよう、足元にご注意を。
今回の展覧会でメインとなるのが、《Thing~Being》 という作品です。
床一面に広がっているのは、楽器の製造過程で出た金属材。
確かに、よく見ると、ホルンやトランペットなどの楽器の一部でした。
ただ楽器とはいえ、ここまで分解されていると、さすがに音が奏でられる気配は全くありません。
さて、こちらの作品では、鑑賞者がこれらの金属材を足で触れることが可能となっています。
先ほどのマイクと違って、踏んでも大丈夫です。
なんなら歩くことも可能。
せっかくなので、恐る恐る歩いてみました。
(注:ものによっては切り口が鋭利なので、十分にお気を付けください)。
すると・・・なんということでしょう!!
予想に大きく反して、実に綺麗な音が鳴るではないですか!
これまでの人生で一度も金管楽器の一部を蹴る、踏むことがなかったので、まさに初体験。
一生に一度あるかないかの貴重な体験です。
やはり楽器は、良い響きを生み出す形に設計されているということを、こんな形で再認識しました。
ちなみに、いつもは真っ白な資生堂ギャラリーの壁は、ミラーシートで覆われています。
これは、《Thing~Being》 という作品に参加している自分を認識させるため、とのこと。
この日、楽器を執拗以上に踏んでいたのは、こいつです↓
他にも、蓮沼さんが段ボールを使って演奏した音楽が流れてくる 《We are Cardboard Boxes》 や、
スピーカーから流れる音で木の葉を揺らそうという 《Tree with Background music》 など、
音楽作品なのか、それとも、アート作品なのか。
悩みingな作品が、いろいろあって刺激的でしたが。
個人的には、《Ginza Vibration》 という作品が一番刺激的に感じました。
こちらは、銀座の外の振動をダイレクトに会場に伝えるという作品。
資生堂銀座ビルの屋上ガーデンに設置されたマイクが拾った音が、
天井から吊るされた4つのスピーカーを通じて、リアルタイムで聞こえてくるのです。
車のエンジン音が会場内で鳴り響いたり、
ヘリコプターの音が鳴り響いたり、はたまたカラスの鳴き声が聞こえたり。
いきなり音が鳴り響くわ、音源の姿が全く見えないわ、結構ビックリさせられました。
チキンハ~トな人にとっては、心臓によろしくない作品です (笑)
視覚だけでなく、聴覚でも楽しむ新感覚の展覧会でした。
言い換えれば、視覚と聴覚で鑑賞することで成立する展覧会でもあります。
ということは、聴覚が伝わらないこの記事では、
作品の魅力が、これっぽっちも伝わっていないですね。
・・・・・・・申し訳ありません。
銀座をshoppingで訪れた際には、ぜひ足を運ばれてみてください!
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蓮沼執太: ~ ing
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