京都国立博物館で開催中の “池大雅 天衣無縫の旅の画家” に行ってきました。
こちらは、江戸中期に京都画壇で活躍し、
与謝蕪村と 「南画の大成者」 と並び称される絵師・池大雅の大々的な回顧展です。
これまでに池大雅の作品は数々の展覧会等で目にしていたので、
池大雅の回顧展と聞いても、“へぇー。やるんだ” くらいにしか思っていませんでしたが。
実は、池大雅の大々的な回顧展が開催されるのは、85年 (!) ぶりとのこと。
前回の開催は、1933年。
満洲国が建国されて2年目です (←いつの話だ!)。
そんな85年ぶりの池大雅展だからでしょうか。
待ってましたとばかりに、日本全国から名品が大集結していました。
池大雅筆の重要文化財作品すべてが揃い踏み!
重要文化財 池大雅 《洞庭赤壁図巻(部分)》 京都国立博物館
さらには、国宝3件も揃い踏み!
国宝 池大雅 《楼閣山水図屏風》 東京国立博物館 (注:展示は、5月2~20日)
「池の大雅ぜんぶ集める大作戦」 は、無事に成功 (←?)。
まさに、史上最大規模の名にふさわしい池大雅の回顧展でした。
さてさて、知名度はそれなりにあるにも関わらず、
85年もの間、回顧展が開催されなかったということは、
よほど池大雅の人間性に問題でもあるのかと思いきや。。。
むしろ、その逆。
多くの人から愛された日本美術界きっての “いい人” だったようです。
その人間性は、絵にも滲み出ているとのことでした。
池大雅 《渭城柳色図》 新潟・敦井美術館(新潟市)
重要文化財 池大雅 《瀟湘勝概図屏風》
なるほど。確かに。
池大雅の絵に関しては、文句のつけようはないんだけど、どこか物足りない印象がありました。
絵に人間性が滲み出ていた故だったのですね。
いい人どまり、いい絵どまり。
“んまぁー。悪い絵ではないんだけどねー” といった感じです。
そんな人間性が絵に出ている池大雅ですが、
人間そのものを絵に描くのは、どうも苦手だった様子。
重要文化財 池大雅 《五百羅漢図のうち》 京都・萬福寺
どう見ても、ヘタウマ気味です。
とはいえ、見ていて、ネガティブな気持ちになることは一切なし。
カラッと明るいヘタウマ。
あっけらかんとしたヘタウマでした。
個人的には、池大雅の指墨画が興味深かったです。
いわゆる、指で描く絵画です。
もともとはパフォーマンス色の強い制作手法だったそうですが、
大雅は指を使って描いた線に、筆とは違う独特の表現を見出し、積極的に取り入れていったそう。
中には指で描いたとは到底思えない作品もありました。
池大雅 《柳渓渡渉図》 千葉市美術館
究極の指墨画。
もしかしたら、筆よりも、指のほうが向いていたのでは?
ちなみに。
池大雅の肖像は、どことなく中村有志に似ていました。
パントマイムと大食いの実況が上手そう。
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池大雅 天衣無縫の旅の画家
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