高村光太郎の 『智恵子抄』 の版元であり、
戦後、竹久夢二の画集を次々と出版し、第二次夢二ブームを牽引した出版社・龍星閣。
その創業者である澤田伊四郎が収集した夢二の絵画や書籍、グッズは、
ゆうに1200点を超え、日本有数の夢二コレクションとして知られていました。
そんな貴重な夢二コレクションが、このたび、千代田区に寄贈されることに!
それを記念して、現在、千代田区内にある東京ステーションギャラリーでは、
“千代田区×東京ステーションギャラリー 夢二繚乱” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
キャパの関係で、さすがに1200点強すべては紹介できていませんが。
それでも、今回初公開となる20歳の夢二による画文集 『揺籃』 や、
画文集 『揺籃』 表紙 明治36(1903)年 千代田区教育委員会蔵
創建当時の東京駅舎の姿がうっすら向こうに見える 《港屋絵草紙店》 をはじめ、
《港屋絵草紙店》 大正3(1914)年 千代田区教育委員会蔵
厳選した500点が紹介されていました!
ちなみに、絵ハガキや便箋などは1セットで1点とカウントしているとのこと。
また、夢二が想定を手掛けた書籍などは、
表紙だけでなく、中も見せたい場合は、1点につき数冊使って展示することも。
この場合も、1点とカウント。
つまり、なんやかんやで実質800点くらいの作品が展示されていました。
おそらく、東京ステーションギャラリー史上最大の出展数かと思われます。
しかし、それだけボリューミーであるにもかかわらず、
展示ケースやディスプレイの仕方の随所に工夫が施されており、乱雑さは全く感じません!
むしろスッキリ見やすい展覧会でした。
(↑同じ展示ケース内でも、手前と奥で展示品の高さを少し変えるという工夫が施されていました)
ディスプレイの工夫と言えば、今回の展覧会の目玉の一つとして、
発表当時大きな話題となった夢二の自伝小説 『出帆』 の挿絵原画全点が初公開されていたのですが。
普通に、ただ原画を並べるのではなく、自伝小説ということで、
巨大な竹久夢二の年表に組み込むという斬新なスタイルで展示していました。
このスタイルで展示されたことで、
「へー。この出来事を描いた挿絵なんだ!」 というのが一目瞭然!
夢二のゲスいエピソードとともに、楽しめました (笑)
ちなみに、『出帆』 の中には、名前は変えられているものの、
とある美術学校の教授によるセクハラの顛末も書かれていました。
現在ならば、「#MeToo」 で訴えられるのは必至。
夢二といい、その教授といい、ネットのある時代だったら、確実に炎上していたことでしょう。
そういう意味でも、時代を感じた展覧会でした。
ちなみに、膨大な数の展示品の中で、個人的にもっとも印象に残っているのは、
裏寂しい墓場を描いた 《墓場》 と、草原で眠る女の顔と右手だけが浮かび上がった 《月の出》。
どちらも絵全体に物悲しさが満ちていました。
なんとなく、夢二の心の中の風景なのではないかと感じました。
この虚無感、喪失感を満たすために、
女性を求めずにはいられなかったのではないかと。
人は哀しい。哀しいものですね。
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戦後、竹久夢二の画集を次々と出版し、第二次夢二ブームを牽引した出版社・龍星閣。
その創業者である澤田伊四郎が収集した夢二の絵画や書籍、グッズは、
ゆうに1200点を超え、日本有数の夢二コレクションとして知られていました。
そんな貴重な夢二コレクションが、このたび、千代田区に寄贈されることに!
それを記念して、現在、千代田区内にある東京ステーションギャラリーでは、
“千代田区×東京ステーションギャラリー 夢二繚乱” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
キャパの関係で、さすがに1200点強すべては紹介できていませんが。
それでも、今回初公開となる20歳の夢二による画文集 『揺籃』 や、
画文集 『揺籃』 表紙 明治36(1903)年 千代田区教育委員会蔵
創建当時の東京駅舎の姿がうっすら向こうに見える 《港屋絵草紙店》 をはじめ、
《港屋絵草紙店》 大正3(1914)年 千代田区教育委員会蔵
厳選した500点が紹介されていました!
ちなみに、絵ハガキや便箋などは1セットで1点とカウントしているとのこと。
また、夢二が想定を手掛けた書籍などは、
表紙だけでなく、中も見せたい場合は、1点につき数冊使って展示することも。
この場合も、1点とカウント。
つまり、なんやかんやで実質800点くらいの作品が展示されていました。
おそらく、東京ステーションギャラリー史上最大の出展数かと思われます。
しかし、それだけボリューミーであるにもかかわらず、
展示ケースやディスプレイの仕方の随所に工夫が施されており、乱雑さは全く感じません!
むしろスッキリ見やすい展覧会でした。
(↑同じ展示ケース内でも、手前と奥で展示品の高さを少し変えるという工夫が施されていました)
ディスプレイの工夫と言えば、今回の展覧会の目玉の一つとして、
発表当時大きな話題となった夢二の自伝小説 『出帆』 の挿絵原画全点が初公開されていたのですが。
普通に、ただ原画を並べるのではなく、自伝小説ということで、
巨大な竹久夢二の年表に組み込むという斬新なスタイルで展示していました。
このスタイルで展示されたことで、
「へー。この出来事を描いた挿絵なんだ!」 というのが一目瞭然!
夢二のゲスいエピソードとともに、楽しめました (笑)
ちなみに、『出帆』 の中には、名前は変えられているものの、
とある美術学校の教授によるセクハラの顛末も書かれていました。
現在ならば、「#MeToo」 で訴えられるのは必至。
夢二といい、その教授といい、ネットのある時代だったら、確実に炎上していたことでしょう。
そういう意味でも、時代を感じた展覧会でした。
ちなみに、膨大な数の展示品の中で、個人的にもっとも印象に残っているのは、
裏寂しい墓場を描いた 《墓場》 と、草原で眠る女の顔と右手だけが浮かび上がった 《月の出》。
どちらも絵全体に物悲しさが満ちていました。
なんとなく、夢二の心の中の風景なのではないかと感じました。
この虚無感、喪失感を満たすために、
女性を求めずにはいられなかったのではないかと。
人は哀しい。哀しいものですね。
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