世田谷美術館で開催中の “人間・髙山辰雄展 ―森羅万象への道” に行ってきました。
こちらは、戦後の日本画壇の最高峰として、杉山寧、東山魁夷とともに、
「日展三山」 と称された画家・髙山辰雄 (1912~2007) の過去最大規模の個展で、
ゴーギャンに影響を受けていた初期の作品から絶筆まで、各時代の代表作が一堂に会しています。
髙山辰雄 《室内》 1952年 世田谷美術館蔵 通期展示
髙山辰雄の世界観、いや、宇宙観が垣間見える展覧会。
髙山辰雄のファンはもちろん、
髙山辰雄を知らなかった方にこそ、オススメの展覧会です。
さてさて、髙山辰雄作品の一番の特徴は何と言っても、その塗り重ねられた独特の絵肌。
髙山辰雄 《由布の里道》 1998年 大分県立美術館蔵 通期展示
これに関しては、印刷物やwebの画像では決して伝わらず。
実物を目にして頂くより仕方ありません。
その絵肌は、日本画というよりも、油彩画のよう。
いや、それを通り越して、もはや岩肌のよう。
遠い昔に描かれた洞窟壁画のような印象すら受けます。
深遠で敬虔、そして、どこか神秘的。
自然と手を合わせたくなるような神々しさがあります。
こちらは、代表作の一つ、《食べる》。
髙山辰雄 《食べる》 1973年 大分県立美術館蔵 通期展示
小さな子供が、一生懸命にご飯を食べている姿を描いた一枚です。
普通に考えたら、微笑ましいシーンのはずなのですが、
髙山辰雄の手にかかると、なんとも意味ありげな光景に。
人間は食事をすることで、殺生をしている。
その罪深い行為の責任を、僕らの代わりに、
まるでこの小さな子供が一人で背負っているかのように感じられました。
特に宗教画というわけではないのでしょうが、
どんな宗教画よりも、心を打たれたような気がします。
また、こちらは、髙山辰雄が亡くなる前年、94歳にして初めて本格的に手掛けたという自画像。
髙山辰雄 《自冩像二〇〇六年》 2006年 個人蔵 通期展示
こちらも宗教画ではないのですが、やはり不思議な神々しさがありました。
web上で見る限りでは、不審者感が満載ですが、ご安心を。
実物からは、一切そんな印象は受けません。
逆光のせいで顔は見えないのですが、穏やかで気高しい人柄が伝わってきました。
街中で仙人に出会ったら、きっとこんな感じなのでしょう (←?)。
ちなみに。
展覧会のタイトルに、“人間” とありますが、本当に髙山辰雄が仙人だったわけではなく。
また、普段は怪物のようで、時折人間らしさが垣間見える人物だったというわけでもなく。
(↑そう捉えたのは、僕だけかもしれませんが)
人間の本質を掴みたいと、生涯にわたって、
人間を描くことに挑み続けた画家だったことに由来するようです。
そんな髙山辰雄が描く人物の多くには、ある特徴が。
この場を借りて、長年温めていた (?)『髙山辰雄の人物画あるある』 を発表させて頂きます。
髙山辰雄の描く人物は・・・
髙山辰雄 《星辰》 1983年 世田谷美術館蔵 通期展示
髪の毛、チリチリしがち。
もしくは、ウェーブヘアーがち。
ヘアスタイルだけみると、なんとなく80年代っぽい印象を受けます。
《星辰》 に関しては、なんとなく杉山清貴&オメガトライブっぽい印象を受けました。
あくまで、なんとなくですが。
また、髙山辰雄の描く人物の多くは、
笑っているようにも悲しんでいるようにも見える、何ともいえない表情をしています。
“この顔、誰かに似ている気がするんだよなぁ・・・?”
と、展覧会場で、しばらく考えた結果、
新たな 『髙山辰雄の人物画あるある』 が誕生しました。
髙山辰雄の描く人物は・・・
髙山辰雄 《少女》 1979年 個人蔵 通期展示
木村多江に似がち。
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人間・髙山辰雄展 ―森羅万象への道
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