泉屋博古館分館で開催中の展覧会、
“うるしの彩り ―漆黒と金銀が織りなす美の世界―” に行ってきました。
こちらは、日本を代表する工芸美術である 『漆工芸』 をテーマにした展覧会で、
京都の高級漆器ブランド・象彦 (八代 西村彦兵衛) の大正モダーンな漆工芸から、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
世界の 「ZESIN」 こと柴田是真による高蒔絵の文箱、
さらには、“中国明時代の超絶技巧” 堆朱のお盆をはじめ、
さまざまなジャンルの漆芸の名品が勢ぞろいしています。
驚くべきは、これらすべてが泉屋博古館の所蔵品、つまりは住友家のコレクションということ。
中には、《黒漆青貝芦葉達磨香合》 (写真左) のように、
足利義政が相阿弥に下絵を描かせたもので、その後、大名茶人の織田有楽斎の手へ、
からの~建仁寺、からの~千家、からの~住友家へと伝来したという名品中の名品の漆芸品も。
これまで絵画やら茶道具やらの展覧会で、
幾度となく住友家のコレクションの凄まじさを実感してきましたが。
漆芸品のジャンル一つとっても、これほどまでものコレクションを有していただなんて。
スゴすぎて、逆にイラっとするレベルでした (笑)
今度生まれてくるときには、住友家の子になりたい。
つくづく、そう思いました。
さてさて、豪華絢爛にもほどがある 《蜻蛉枝垂桜蒔絵箱》 に、
青く美しく光るワンポイントが特徴的な 《秋草蒔絵硯箱》 に、
もし、くれるというなら、やぶさかでない (←何様だ!) 漆芸品は、多々ありましたが。
心から一番欲しいと思ったのは、《黒漆京名所膳》 です。
一見すると、ただの真っ黒な膳 (トレー) ですが・・・
光が当たると、この通り。
京都の景色が浮かび上がります。
しかも、図案を手掛けたのは、今尾経年や神坂雪佳、幸野楳嶺ら京画壇の重鎮たちです。
めちゃくちゃ贅を凝らしているのに、パッと見は控えめな感じ。
究極のオシャレといったところでしょうか。
この他にも、贅を凝らした和菓子を入れるための箱や、
贅を凝らした炉縁 (=茶道具の一つで、炉壇の上にかける木の枠) などが紹介されていました。
そんなところにまで贅を凝らすとは!
お金がある人の気が知れません (←ブラックな本音!)。
日用品のほとんどを、ニトリや無印良品で賄っている自分が虚しくなってきました。
もっと生活に色どりを。
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うるしの彩り ―漆黒と金銀が織りなす美の世界―
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