国立新美術館で開催中の展覧会、
“ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
“ルーヴル美術館展” といえば、2015年にも同じく国立新美術館で、
2013年には東京都美術館で、2009年にもやはり国立新美術館で開催されていましたっけ。
日本人は、“ルーヴル美術館展” が大好きですね。
そして、現段階で、2022年、2026年、2030年、2034年と、
4年に一度、計5回の “ルーヴル美術館展” が予定されているとのこと。
今後しばらく、ワールドカップイヤーは、
“ルーヴル美術館展” イヤーとしても盛り上がりそうです。
さてさて、今回の “ルーヴル美術館展” のテーマは、『肖像芸術』 。
3000年以上も昔のエジプトの棺用マスクや、
《棺に由来するマスク》 新王国時代、第18王朝、アメンへテプ3世の治世(前1391-前1353年) エジプト出土
Photo © RMN-Grand Palais(musée du Louvre)/ Franck Raux / distributed by AMF-DNPartcom
ナポレオンのイケメンな肖像画をはじめ、
アントワーヌ=ジャン・グロ 《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Hervé Lewandowski /distributed by AMF-DNPartcom
ルーヴル美術館の全8部門の完全バックアップのもと、
約110点 (!) の肖像芸術の名品が来日しています。
さすがに、《モナ・リザ》 や 《ミロのヴィーナス》、
フェルメールの 《レースを編む女》 といった、いわゆる “ルーヴル美術館の顔” は来日していません。
しかし、それでも、レンブラントあり、ベラスケス (工房) あり、ゴヤあり。
さらには嬉しいサプライズで、アルチンボルドもあり。
そこは、選手層が分厚い美の殿堂・ルーヴル美術館。
日本で人気のありそうなメンバーを見繕って、フランスから送り出してくれています。
しかも、どの作品にも、得も言われぬ華がありました。
いつまでも会場の雰囲気に浸っていたくなる。
そして、鑑賞後、“イイ美術展だったなぁ” が自然と口をついて出る。
王道も王道の展覧会でした。
いやぁ、“ルーヴル美術館展” って本当にいいもんですね。
さてさて、今回の目玉は何と言っても、
27年ぶりに来日したヴェロネーゼの 《女性の肖像》 です。
通称は、《美しきナーニ》。
ヴェロネーゼ 《女性の肖像》、通称 《美しきナーニ》
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom
《モナ・リザ》 がルーヴル美術館が所蔵するフィレンツェ派の肖像画の傑作であるのに対し、
こちらの 《女性の肖像》 は、ヴェネツィア派の肖像画の傑作といわれるほどの逸品なのだそう。
なんとなく、心ここにあらずな表情を浮かべる女性。
その視線はどこか宙をさまよっています。
そのため、鑑賞者はどの位置からも、この女性と目を合わせられないとのこと。
確かに会場でチャレンジしてみましたが、全く視線が合いませんでした。
ちなみに、視線と言えば。
展覧会のほぼラストに登場するジョゼフ・デュクルーの 《嘲笑の表情をした自画像》 (写真右) とは、
目線がバッチリ合いました。
しかも、指も指してきやがる。
なんだ、この半笑い野郎。
ちょっと表出ろ!
この他にも、インパクトのある表情を浮かべた作品が多々ありました。
例えば、フランツ・クサファー・メッサーシュミットの 《性格表現の頭像》。
フランツ・クサファー・メッサーシュミット 《性格表現の頭像》 1771-1783年の間
Photo © Musée du Louvre, Dist. RMN-Grand Palais / Pierre Philibert /distributed by AMF-DNPartcom
こちらは、フランツ・クサファー・メッサーシュミットの死後、
アトリエから69点も見つかったという、自分をモデルにした奇妙な頭像のうちの1点。
なぜ、このような表情を浮かべているのか。
誰も知る由はありません。
何かものすごく臭い匂いでも、嗅いだのではないでしょうか。
「クサファー」 というミドルネームが、「臭ふぁー」 に見えてきました。
それから、前2世紀にエジプトで制作されたという・・・
《クレオパトラ2世、またはクレオパトラ3世の肖像》 も、相当インパクトのある表情を浮かべていました。
めっちゃ不機嫌!
完全にメンチ切ってます。
白目なので、怖さも倍増。
「あの野郎、次会ったら、ブッ殺す!」 とでもいうような表情でした。
もしかしたら、ジョゼフ・デュクルーのせいかも。
最後に、個人的に印象に残った作品を1点ご紹介。
《貴族の婦人の肖像(?)》 です。
気になったのは、やはりその髪型。
オールバック?リーゼント?
ブランド王ロイヤルの社長の髪型にそっくりです。
今も昔も、ロイヤルな人は、この髪型。
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ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか
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