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エントリーNo.0003 キュビスム(ピカソ ブラック)

もし、芸術家たちが漫才をしたら・・・

こんな感じのネタを披露するかもしれません。
それでは、皆様、どうぞ芸術漫才をお楽しみください!

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2人「はいどーもこんにちは!キュビスムです」

ピカソ 「まずは簡単に俺らの自己紹介からしようか」

ブラック「そうしよう」

ピカソ 「俺ね、実は本名長いんですよ」

ブラック「らしいね」

ピカソ 「えー、パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・・・」

ブラック「待て待て!全部言うの?」

ピカソ 「ファン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・・・え~っと・・・」

ブラック「覚えてないならやめろよ」

ピカソ 「クリスピン・クリスピアーノ・クリスティアーノ・ロナウド・・・」

ブラック「クリスティアーノ・ロナウド関係ないだろ!」

ピカソ 「なんちゃらかんちゃら・・・トリニダード・ルイス・イ・ペカソ」

ブラック「ピカソ [1] は言えろよ!肝心のとこ、間違えるなよ!」

ピカソ 「で、その隣にいるのが、キュビスムのピカソ “じゃない方” のブラック [2] です」

ブラック「そんな言い方するなよ。確かに、お前との知名度の格差は自覚してるけど・・・」

ピカソ 「しかし、今日は綺麗なお客さんが多いですね」

ブラック「そうですね」

ピカソ 「左から、ベッピンさん、ベッピンさん、ベッピンさん、ベッピンさん、ベッピンさん」

ブラック「ひとつ飛ばさないのかよ!」

ピカソ 「ベッピンさん、ベッピンさん、ベッピンさん、ベッピンさん・・・」

ブラック「まだ続けるのかよ!ボケじゃなくて、ただの物色じゃねーか」

ピカソ 「うん」

ブラック「認めるんじゃないよ、まったく。しかし、相変わらず、お前は女性が好きだね」

ピカソ 「まぁね。でも、そういう自分だって」

ブラック「いやいや、僕は奥さん [3] 一筋ですよ」

ピカソ 「そうかなぁ?この前、君が奥さん以外の女性と歩いているところ見かけたよ」

ブラック「そういうことはあるだろうよ。浮気じゃないからね」

ピカソ 「怪しいなぁ」

ブラック「何もないって」

ピカソ 「まぁ、でも、シロかクロかで言ったら、クロですよね。ブラックだけに」

ブラック「上手くねーよ!」

ピカソ 「まぁまぁ。ちょっとした冗談ですよ。これが本当のブラックジョーク」

ブラック「くだらねーよ!」

ピカソ 「久しぶりに、こうして2人でコンビを組んでるんですから、仲良くしましょうよ」

ブラック「まぁ、それもそうか」

ピカソ 「しかし、懐かしいですね。2人でキュビスムの表現を追求していた頃 [4] が」

ブラック「あの当時、それで美術界で一気にブレイクしましたからね」

ピカソ 「(客席に向かって)みなさん、キュビスムって知ってます?えっ、知らない?」

ブラック「時代が経ったねぇ」

ピカソ 「じゃあ、簡単に解説しましょう!」

ブラック「・・・・・・・・」

ピカソ 「・・・・・・・・」

ブラック「・・・・・あ?僕がやるの?」

ピカソ 「俺は解説するの苦手なんで」

ブラック「え~っと、簡単に言うと、対象をさまざまな角度から観察し、
     それを断片的な面に解体し、最終的に画面上で再構成する技法のこ・・・」

ピカソ 「ちょっと何言ってるかわからない」

ブラック「食い気味で来たね。う~ん。じゃあ、ここにサイコロがあるとするよね」

ピカソ 「うんうん」

ブラック「そのサイコロを絵に描くわけ。想像できてる?」

ピカソ 「オッケー」

ブラック「1つの視点だと、最低1つの面、最高でも3つの面しか見えないよね?
     1,2,4とか。1、3、5とか」

ピカソ 「確かに、『恋の話』 と 『情けない話』 と 『当たり目』 の面しか見えないなぁ」

ブラック「何のサイコロを想像してたんだよ!
     まぁ。ともかく。それだと描けない面も出てくるわけだ。そこで視点をズラしてみる。」

ピカソ 「それなら他の面も見えるよね」

ブラック「そうやっていろんな視点から見たものを、一つの絵の中にドッキングさせてしまう。
     それが、キュビスム。いうなれば、サイコロの展開図のようなものを描いてるわけだね」

ピカソ 「なるほどね。・・・・・・・・・ところで、何でそんな面倒くさいことするの?」

ブラック「お前が言うなよ!お前も一緒にやってたんだから。
     いろんな視点が合わさってる分、キュビスムで描いたほうが、
     対象をより詳しく説明できるでしょ?より本質を表現できるでしょ?」

ピカソ 「これで?

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[5]


     普通にヴァイオリンを描いてくれた方がわかりやすいけど」

ブラック「・・・・・・・・まぁ、冷静に考えたら、そう思うよね。
     3次元の世界を、2次元でよりリアルに表現したかったはずなのに。
     結局、リアルから遠ざかった絵になってしまったという。。。」

ピカソ 「なんか勝手に自爆した感じだよね。
     整形し過ぎて、逆に変な顔になってしまったみたいな?」

ブラック「そんな例えいらないよ!
     とにかく。それまでのキュビスム、分析的キュビスムは行き詰ってしまったわけ」

ピカソ 「うんうん」

ブラック「そこで、リアルに思えないという問題点を克服すべく、
     新たなキュビスムへとシフトしていいったんだよ。それが、総合的キュビスム

ピカソ 「おー、それはスゴイ!どんなの?」

ブラック「切り抜いた新聞紙やロープ、壁紙、酒瓶のラベルとか、実際のものを貼っちゃう!」

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[6]


ピカソ 「・・・・・・・・それ、もう反則じゃない?」

ブラック「お前もやってたんだよ!」

ピカソ 「いやぁ、これは、キュビスムブームも長続きしないわけだわ」

ブラック「まぁ、冷静に考えると、そうだよね」

ピカソ 「よし。決めた!新しいキュビスムを考えて、再ブレイクを狙おう」

ブラック「何それ?」

ピカソ 「例えば、高齢者ウケを狙って、健康的キュビスムとか」

ブラック「どんなんだよ!」

ピカソ 「もしくは、お色気路線で、官能的キュビスム」

ブラック「だから、どんなんだよ!全然イメージ沸かないよ!」

ピカソ 「自虐的キュビスム」

ブラック「今の俺らだよ!」

ピカソ 「反社会的キュビスム」

ブラック「怖いよ!」

ピカソ 「絶望的キュビスム」

ブラック「何があった?!」

ピカソ 「情熱的ロマンチスム」

ブラック「もうキュビスム関係ないじゃん!いい加減にしろ!」

2人「どーもありがとうございました」


[1] パブロ・ピカソ(1881~1973)
スペイン生まれ。20世紀最大の芸術家。精力的に活動し、最も多作な美術家であると 『ギネスブック』 に記されている。
女性にも精力的だった。

[2] ジョルジュ・ブラック (1882~1963)
フランスを代表する画家。
日本での知名度はピカソに劣るが、ルーヴル美術館の前で国葬が執り行われたほど。

[3] 妻は、3歳上のマルセル・ラプレ。

[4] ピカソとブラックがキュビスムの追求を始めたのは、1909年。
1914年に、ブラックが第一次世界大戦でフランス陸軍に召集されたことで、関係は自然消滅。

[5] ジョルジュ・ブラック作 《ヴァイオリンと水差し》 1910年
ヴァイオリンはまだかろうじて判別できるが、水差しはほぼ判別不可能。画面上の釘だけはリアルに描かれている。

[6] パブロ・ピカソ作 《籐椅子のある静物》 1912年
本物の籐椅子に絵が描かれているように見えるが、実際は、籐椅子の模様が印刷された油布を貼り付けたものに描かれている。
絵画史上最初のコラージュ作品とされる。





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