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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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着るをたのしむ spoken words project

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今年2018年は、東京と安曇野、両方のちひろ美術館では、
いわさきちひろの生誕100年を記念し、1年を通して、“Life展” が展開されています。
“Life展” は、「Life」 をテーマに様々な分野で活躍する作家とコラボする展覧会シリーズ。
ちひろ美術館・東京でその初回を飾ったのは、
現代アーティスト大巻伸嗣さんとのコラボ展 “まなざしのゆくえ 大巻伸嗣” でした。
そして、現在、ちひろ美術館・東京では、
第2弾となる “着るをたのしむ spoken words project” が開催されています。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


こちらは、デザイナーの飛田正浩さんが手掛けるファッションブランド、
spoken words project (スポークン ワーズ プロジェクト) とのコラボレーション展です。

「ファッションといわさきちひろ??」

まったく想像がつきません。。。
“さすがに企画に無理があるのでは?” と疑いつつ、会場に入ると・・・




あら、ビックリ!
普通に、しっくり。
めちゃめちゃ馴染んでいました。

いわさきちひろの作品に、spoken words projectのほうが、寄せたというわけではなく。
こちらの展示室で紹介されていたのは、spoken words projectの初期作品とのこと。
当初から、spoken words projectは、
手作業を活かした染めやプリントを施した服作りをしているのだそうです。




水彩画とファッションという違いはあれど、
みずみずしい色彩がにじみ、混ざり合うさまは、通じるところがあります。




ちひろの水彩画が、そのまま服のデザインになったかのよう。
むしろ、驚くほどにシンクロしているので、
ちひろ美術館のミュージアムグッズなのかと思ってしまったほどです。

また、別の展示室では、spoken words projectが、
ちひろの水彩画からインスピレーションを受けて制作されたテキスタイルも発表されていました。




優しい印象なのですが、決して甘すぎず。
芯に力強さを感じる。
まさに、いわさきちひろの世界観そのもののテキスタイルでした。




ちなみに、こちらの展示室に限っては、写真撮影が可能です。
インスタ映えすること間違いなし!
インスタグラムはやっていないのですが、正方形で写真を撮影してみました (笑)




さらに、今回の展覧会では、spoken words projectが、
いわさきちひろをイメージして制作された新作のファッションも発表されています。




テーマは、「いい女」 とのこと。
これらの服を着こなすモデルさんを写した、
ファッショナブルな写真 (ロケ地:ちひろ美術館・東京) も併せて紹介されていました。




時空を超えたコラボながら、絶妙にしっくり来ています。
あまりに、しっくり来ているからでしょうか。
こちらの写真を見た年配の女性の方々が、

“ちひろさんは、若いころは意外と男性的な顔立ちだったんだねー”

と口を揃えて、感心されていました。
いわさきちひろの若い頃の写真と、信じて疑わなかったようです。


さてさて、そんないわさきちひろですが。
実は、彼女自身も、自ら洋服を作ったり、
オーダーメイドでスーツを仕立てたり、かなりオシャレな人物だったそう。
今回の展覧会では、実際にいわさきちひろが愛用していた洋服の数々も紹介されています。




ちひろ愛用の服に、spoken words projectのテキスタイルを合わせるという、奇跡のコラボも。




これまた、しっくり来ていました。
最初から、こういうコーディネートだったのでは?
と思わせる、不思議な説得力があります。


今回の展覧会を通じて、改めて、ちひろ作品を観てみると、
ちひろが描く子どもたちの服装が、実にファッショナブルであったことに気づかされました。




今までオシャレに気づいてあげられなくて、ごめんなさい。
ちひろ自身とちひろ作品の印象がふわりと変わる展覧会でした。
星




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