美術を映画館で楽しむ新エンターテインメント。
それが、「アート・オン・スクリーン」 です。
日本公開第1弾の 『ミケランジェロ:愛と死』 に続き、
7月14日より公開されている第2弾 『私は、クロード・モネ』 を鑑賞してまいりました。
■私は、クロード・モネ
監督:フィル・グラブスキー
2017年/イギリス/90分
印象派を代表する画家クロード・モネを題材に描いた。
モネが遺した2500通以上もの手紙や、
モネ本人の言葉を通し、世界中で最も愛される画家の知られざる一面に迫る。
19〜20世紀初頭の画家たちに、
最も影響を与えたと言われる彼が活躍した時代の背景を、象徴的かつ繊細に描き出していく。
(「映画.com」より)
「第1弾の 『ミケランジェロ:愛と死』 は、ミケランジェロに詳しい評論家や専門家たち、
それもキャラ濃いめの方たちへのインタビューで構成されていたので、今作もそうなのかと思いきや。
今作は、モネの手紙の文面や言葉のみで構成されていました。
なので、ナイスキャラの評論家や専門家は登場しません。
う~ん。残念。
が!
その代わりといってはなんですが、モネ自身の意外なキャラクターが発揮されていました。
手紙でのモネは、ハッキリ言って、かなりのだめんずキャラ、かなりのクズキャラでした。
こんな人間だったとは。。。
モネのイメージがガラッと、いやヌルッと変わりました。
若き日のモネ、つまり下積み時代のモネは、基本的にお金の話ばっかり。
しかも、友人やパトロンに、お金を無心するのが常習となっていました。
嫁や子供をダシにしたり、
「不幸な星の下に生まれた」 だの 「愚かにも水に飛び込んだ」 だの、同情を誘ってみたり、
「さして親しくもない人に借金を申し込んで冷たくあしらわれた」 という謎のアピールをしてみたり。
あの手この手でお金を要求するクロード・モネ。
マネに送った手紙には、「20フラン紙幣を送ってくれれば、15分はしのげる」 と綴っていました。
・・・・・いや、15分しか保たないんかい。
そんなこんなが、冒頭からしばらく続きます。
38歳になっても、「将来に何の希望もない」「何もかも真っ暗です」 と、ネガティブ状態。
見ているこっちが、なんか情けない気持ちになってきました。
しかし、それと同時に、このダメなヤツの行く末を案じている自分もいました。
“あれっ?このいたたまれないけど、ついつい見入っちゃう感じ。何かに似てるぞ・・・”
しばらく考えていたら、頭にあのテーマ曲が流れてきました。
前回の 『ミケランジェロ:愛と死』 は、『美の巨人たち』 テイストでしたが。
『私は、クロード・モネ』 は、完全に 『ザ・ノンフィクション』 のテイストです。
ちなみに、その後、画家としての地位が確立しはじめると、お金の話題は減っていきます。
ここから安定するかと思いきや、今度は恋愛でドロドロ。
さらには、世の中や健康に対して不満をタラタラ。
晩年まで、手紙の文面からダメっぷりが滲み出ていました。
そのブレなさには、むしろ感動を覚えるほど。
さてさて、そんなダメ人間エピソードが連発の映画なのに、最後まで見れちゃいました。
しかも、見終わった後に、それなりの充実感がありました。
おそらくスクリーンに映し出されるモネの絵画の数々が、いろいろと中和してくれたのでしょう (笑)
そういう意味でも、モネの絵画の素晴らしさを再認識できる映画でした。
(星3つ)」
~映画に登場する名作~
《印象・日の出》
それが、「アート・オン・スクリーン」 です。
日本公開第1弾の 『ミケランジェロ:愛と死』 に続き、
7月14日より公開されている第2弾 『私は、クロード・モネ』 を鑑賞してまいりました。
■私は、クロード・モネ
監督:フィル・グラブスキー
2017年/イギリス/90分
印象派を代表する画家クロード・モネを題材に描いた。
モネが遺した2500通以上もの手紙や、
モネ本人の言葉を通し、世界中で最も愛される画家の知られざる一面に迫る。
19〜20世紀初頭の画家たちに、
最も影響を与えたと言われる彼が活躍した時代の背景を、象徴的かつ繊細に描き出していく。
(「映画.com」より)
「第1弾の 『ミケランジェロ:愛と死』 は、ミケランジェロに詳しい評論家や専門家たち、
それもキャラ濃いめの方たちへのインタビューで構成されていたので、今作もそうなのかと思いきや。
今作は、モネの手紙の文面や言葉のみで構成されていました。
なので、ナイスキャラの評論家や専門家は登場しません。
う~ん。残念。
が!
その代わりといってはなんですが、モネ自身の意外なキャラクターが発揮されていました。
手紙でのモネは、ハッキリ言って、かなりのだめんずキャラ、かなりのクズキャラでした。
こんな人間だったとは。。。
モネのイメージがガラッと、いやヌルッと変わりました。
若き日のモネ、つまり下積み時代のモネは、基本的にお金の話ばっかり。
しかも、友人やパトロンに、お金を無心するのが常習となっていました。
嫁や子供をダシにしたり、
「不幸な星の下に生まれた」 だの 「愚かにも水に飛び込んだ」 だの、同情を誘ってみたり、
「さして親しくもない人に借金を申し込んで冷たくあしらわれた」 という謎のアピールをしてみたり。
あの手この手でお金を要求するクロード・モネ。
マネに送った手紙には、「20フラン紙幣を送ってくれれば、15分はしのげる」 と綴っていました。
・・・・・いや、15分しか保たないんかい。
そんなこんなが、冒頭からしばらく続きます。
38歳になっても、「将来に何の希望もない」「何もかも真っ暗です」 と、ネガティブ状態。
見ているこっちが、なんか情けない気持ちになってきました。
しかし、それと同時に、このダメなヤツの行く末を案じている自分もいました。
“あれっ?このいたたまれないけど、ついつい見入っちゃう感じ。何かに似てるぞ・・・”
しばらく考えていたら、頭にあのテーマ曲が流れてきました。
前回の 『ミケランジェロ:愛と死』 は、『美の巨人たち』 テイストでしたが。
『私は、クロード・モネ』 は、完全に 『ザ・ノンフィクション』 のテイストです。
ちなみに、その後、画家としての地位が確立しはじめると、お金の話題は減っていきます。
ここから安定するかと思いきや、今度は恋愛でドロドロ。
さらには、世の中や健康に対して不満をタラタラ。
晩年まで、手紙の文面からダメっぷりが滲み出ていました。
そのブレなさには、むしろ感動を覚えるほど。
さてさて、そんなダメ人間エピソードが連発の映画なのに、最後まで見れちゃいました。
しかも、見終わった後に、それなりの充実感がありました。
おそらくスクリーンに映し出されるモネの絵画の数々が、いろいろと中和してくれたのでしょう (笑)
そういう意味でも、モネの絵画の素晴らしさを再認識できる映画でした。
(星3つ)」
~映画に登場する名作~
《印象・日の出》