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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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美しいぼろ布展~都築響一が見たBORO~

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トークショーに、ワークショップ企画に、ピカソを主役にした演劇に、
そして、ツインツインの復活ライブに、これまでたくさんお世話になったアミューズミュージアム。




残念ながら、建物の老朽化を理由に、
来年の3月31日をもって、閉館となってしまうそうです。
その後の予定は、未定とのこと。
あぁ、しばらく、『BORO』 をまとめて目にする機会が失われてしまうのですね。





『BORO』 とは、文字通り、ボロ布のこと。
今よりも布がずっと貴重だった時代、特に東北の寒冷地に住む人たちは、
厳しい寒さに耐えるべく、小さな布の切れ端も捨てずに繋ぎ合わせて、衣服や布団を作りました。
布が傷んだら、また切れ端で継ぎ充てを重ねて、
母から娘、孫、時には曾孫へと、何世代にも渡って大切に使われてきたのだそうです。

2009年に、アミューズミュージアムがオープンした当時は、
まだ 『BORO』 は、知る人ぞ知る存在に過ぎませんでしたが。
ここ数年で、世界の一流ブランドや一流デザイナーから一目置かれる存在に。
2013年にはルイ・ヴィトンのメンズ・コレクションが、
2014年にはアルチュザラ、2015年にはコム デ ギャルソンと、
現時点で20を超すブランドが、『BORO』 をモチーフにしたファッションを発表しているそうです。
今やすっかり 『BORO』 は、日本を代表するファッション文化の一つ。
『KIMONO』 と肩を並べるくらいのクールジャパンです。


何度も訪れているので、何度も目にしているのですが。
これで見納めかもしれないので、改めて、マジマジと 『BORO』 を鑑賞してみました。




確かに、ただのボロい布ではありません。
世界の人々を引き付けるだけの、強いパワーを発しています。
布なんてほとんど無い。
でも、最大限のオシャレをしたい!
そんな執念、欲求、生物としての本能のようなものが、ひしひしと感じられます。
いやぁ~、『BORO』 って本当にすばらしいものですね。
星星


ちなみに、現在は、開館10年目を記念して、
そして、ラストを飾る展覧会として、“美しいぼろ布展~都築響一が見たBORO~” が開催中。




写真家で編集者の都築響一さんの写真作品と、実物の 『BORO』 を併せて展示する展覧会です。
写真はすべて、今回の展覧会のための撮りおろし。
ロケ地は、『BORO』 のふるさと、青森県です。





しかも、ロケは2月の真冬に決行したとのこと。
決してCGで合成したわけでなく、実際にこんな天候だったそう。
リアルに寒かったであろうことが、写真から十分すぎるほどに伝わってきました。
観れば観るほど、体温が下がってくるようです。




僕にも、羽織れる 『BORO』 を一枚ください!
そういう意味では、酷暑の今にピッタリな展覧会と言えそうです。




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