現在、松濤美術館で開催されているのは、”涯テノ詩聲 詩人 吉増剛造展” という展覧会。
日本を代表する詩人、吉増剛造さん (1939~) をフィーチャーした展覧会です。
展覧会は、全部で3章仕立て。
まずは、「詩集の彼方へ」 と題して、吉増さんの代表的な詩集10編が、
詩作に影響を受けた美術作品や、著名人の手紙や生原稿などとともに紹介されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
会場にある吉増さんの詩集は、手に取って読むことが可能です。
試しに読んでみると、なかなか・・・いや、だいぶ難解なのですが。
展示された前衛的な美術作品や、思想家の手紙や言葉などをごった煮にして、
そこから抽出されたものが、吉増さんの詩なのだと思うと、腑に落ちるものがありました。
続いての章は、「写真を旅する」。
詩人でもありながら、過去に写真集も3冊ほど発表している吉増さん。
その代名詞ともいうべき、多重露光撮影の写真が紹介されていました。
1枚の写真の中に、異なる光景がオーバーラップしています。
それだけと言えば、それだけなのですが、
不思議なことに、見れば見るほど、頭の中にいろんなイメージ、言葉が浮かび上がってきました。
まさに、詩のような写真。
詩情のある写真でなく、詩そのもののような写真です。
そして、ラストを飾るのが、「響かせる手」 という章。
吉本隆明や芥川龍之介、萩原朔太郎、与謝蕪村、浦上玉堂など、
表現者としての吉増さんに影響を与えた書や絵画が紹介されています。
吉本さんの詩の原稿は、ただの原稿にあらず (←?)。
イラストがたっぷり描き込まれていたり、
目を凝らさないと読めないくらいに、みっちりとした文字で書かれていたり、
原稿を色で染めたり、繋げて巻物状にしたり。
原稿それ自体が、アート作品のようになっています。
というか、もはや原稿としてのていを成していないような。。。
なお、ここ最近は、原稿にドロッピングの要領で彩色を施しているそうです。
絵の具で文字が完全に覆い隠されてしまい、詩が全く読めません!
現代詩の世界は、ここまで行き着いているのですね。
また、こんな原稿 (作品?) も。
‟文字を刻み込む” というレトリックがありますが、
こちらは、実際にハンマーとノミで銅板に詩を刻み込んだものです。
言葉に重みがありました。
ちなみに。
今回の展覧会は、美術館全体が吉増剛造ワールドに。
館内のいたる所に、若き日の吉増さんの写真が飾られていました。
さらに、吉増さんの詩をレタリングしたものが、階段や天井に設置されていました。
それらレタリングされた詩の一節に・・・
目ざとく、『トニー』 の文字を発見!
吉増さんに呼ばれた気がしたので、心の中で 「はい!」 と返事しました。
が、その先を読むと、「タニッ」 とあります。
トニー谷。
人違いでした (恥)。
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日本を代表する詩人、吉増剛造さん (1939~) をフィーチャーした展覧会です。
展覧会は、全部で3章仕立て。
まずは、「詩集の彼方へ」 と題して、吉増さんの代表的な詩集10編が、
詩作に影響を受けた美術作品や、著名人の手紙や生原稿などとともに紹介されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
会場にある吉増さんの詩集は、手に取って読むことが可能です。
試しに読んでみると、なかなか・・・いや、だいぶ難解なのですが。
展示された前衛的な美術作品や、思想家の手紙や言葉などをごった煮にして、
そこから抽出されたものが、吉増さんの詩なのだと思うと、腑に落ちるものがありました。
続いての章は、「写真を旅する」。
詩人でもありながら、過去に写真集も3冊ほど発表している吉増さん。
その代名詞ともいうべき、多重露光撮影の写真が紹介されていました。
1枚の写真の中に、異なる光景がオーバーラップしています。
それだけと言えば、それだけなのですが、
不思議なことに、見れば見るほど、頭の中にいろんなイメージ、言葉が浮かび上がってきました。
まさに、詩のような写真。
詩情のある写真でなく、詩そのもののような写真です。
そして、ラストを飾るのが、「響かせる手」 という章。
吉本隆明や芥川龍之介、萩原朔太郎、与謝蕪村、浦上玉堂など、
表現者としての吉増さんに影響を与えた書や絵画が紹介されています。
吉本さんの詩の原稿は、ただの原稿にあらず (←?)。
イラストがたっぷり描き込まれていたり、
目を凝らさないと読めないくらいに、みっちりとした文字で書かれていたり、
原稿を色で染めたり、繋げて巻物状にしたり。
原稿それ自体が、アート作品のようになっています。
というか、もはや原稿としてのていを成していないような。。。
なお、ここ最近は、原稿にドロッピングの要領で彩色を施しているそうです。
絵の具で文字が完全に覆い隠されてしまい、詩が全く読めません!
現代詩の世界は、ここまで行き着いているのですね。
また、こんな原稿 (作品?) も。
‟文字を刻み込む” というレトリックがありますが、
こちらは、実際にハンマーとノミで銅板に詩を刻み込んだものです。
言葉に重みがありました。
ちなみに。
今回の展覧会は、美術館全体が吉増剛造ワールドに。
館内のいたる所に、若き日の吉増さんの写真が飾られていました。
さらに、吉増さんの詩をレタリングしたものが、階段や天井に設置されていました。
それらレタリングされた詩の一節に・・・
目ざとく、『トニー』 の文字を発見!
吉増さんに呼ばれた気がしたので、心の中で 「はい!」 と返事しました。
が、その先を読むと、「タニッ」 とあります。
トニー谷。
人違いでした (恥)。
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