今年開館35周年を迎えた東京富士美術館。
それを記念して、現在開催されているのが、
“ロシア絵画の至宝展 夢、希望、愛─アイヴァゾフスキーからレーピンまで” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
国立ロシア美術館の所蔵品の中から、
「夢」「希望」「愛」 というテーマのもとに、厳選された珠玉の名品40点を紹介する展覧会です。
この秋、都内各地では、ルーベンス展、ムンク展、
そして、フェルメール展と、話題の西洋絵画展が数多く開催されています。
ただでさえ、ロシア美術に馴染みがないのと、
大型美術展に話題を持っていかれてしまったのと・・・。
すっかりスルーされがちな “ロシア絵画の至宝展” ですが、訪れて正解、いや大正解でした!
今シーズン一番の掘り出し物 (?) の美術展でした。
展覧会の目玉は何と言っても、
ロシアの国民的画家イヴァン・アイヴァゾフスキーの 《第九の波》 です。
アイヴァゾフスキーの最高傑作とされ、
この作品を観るために国立ロシア美術館を訪れる人も少なくないほど。
それゆえ、館外に貸し出される機会は、ほとんどありません。
フェルメールが9点来日しているのも、スゴいことですが、
《第九の波》 が来日しているのも、実はかなりスゴいことなのです。
図録やネット上では目にしたことがありましたが、実物を観るのはもちろん初めて。
実物は、想像していた以上に大きかったです。
そして、想像していた以上に太陽の光が眩しかったです。
我ながら、この例えはどうなのかと思いますが、ラッセンの絵の色合いに近いものがありました。
また、荒れ狂う波と、必死に耐え忍ぶ人々という組み合わせは、
葛飾北斎の 《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 を連想させるものがあります。
ラッセン+北斎。
この絵を観て感動しない日本人なんて、いないのではないでしょうか?
ちなみに、会場には、アイヴァゾフスキーのもう一つの傑作 《大洪水》 も展示されています。
この2点が並ぶ光景が観られただけでも、展覧会を訪れる価値は大いにありました。
この他にも、ロシアを代表する風景画家イワン・シーシキンの傑作や、
イリヤ・レーピンの不朽の名作 《サトコ》 など、
ロシア美術史に名を残す作品の数々が、来日しています。
まさに、ロシア美術のベストセレクション。
ロシア美術が好きな方はもちろん、
これを機に好きになってみたい方にもオススメの展覧会です。
個人的には、カルル・ヴィリゲリム・ラーブスの 《モスクワのスパスキー門》 や、
アルヒープ・クインジの 《虹》 が特にお気に入り。
実にドラマチックな作品です。
風景画というよりも、まるで映画のワンシーンを観ているかのような印象を受けました。
《モスクワのスパスキー門》 はマーベル映画のオープニングのワンシーン、
《虹》 はハリケーンが街を襲うデザスター映画のエンディングのワンシーンっぽい感じがします。
他に印象的だったのが、アレクセイ・ヴェネツィアーノフの 《刈り取り人》 という作品。
描かれているのは、農民のカップル、もしくは姉弟でしょうか。
女性の手に止まった2匹の蝶を、男性が背後から見つめています。
距離が近すぎて、女性は鬱陶しそうです。
何気ない日常を描いた絵画なのでしょうが、全体的に漂う若干の不穏さ。
それは、きっと鎌のせい。
とりあえず、2人とも鎌をどこかに置いてください。
それと、ミハイル・クロットの 《裁縫婦》。
やる気の糸がプチンと切れてしまったのでしょうか。
テンションがは完全にダダ下がっています。
どうでもいいですが、顔はちょっとだけガリットチュウ福島に似てました。
展覧会全体としては、リアリズムな作風の作品が多く展示されていますが。
ラストには、レフ・ブルーニのロシアアヴァンギャルド的な作品も紹介されています。
作品名は 《虹》。
虹は虹でも、先ほど紹介したクインジの 《虹》 とは大違いです。
ちなみに、クインジの 《虹》 が描かれたのは、1900~1905年。
レフ・ブルーニの 《虹》 が描かれたのは、1915年。
わずか10年ほどの違いしかありません。
その間に何がロシアに起きたのか。
劇的ビフォーアフターです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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それを記念して、現在開催されているのが、
“ロシア絵画の至宝展 夢、希望、愛─アイヴァゾフスキーからレーピンまで” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
国立ロシア美術館の所蔵品の中から、
「夢」「希望」「愛」 というテーマのもとに、厳選された珠玉の名品40点を紹介する展覧会です。
この秋、都内各地では、ルーベンス展、ムンク展、
そして、フェルメール展と、話題の西洋絵画展が数多く開催されています。
ただでさえ、ロシア美術に馴染みがないのと、
大型美術展に話題を持っていかれてしまったのと・・・。
すっかりスルーされがちな “ロシア絵画の至宝展” ですが、訪れて正解、いや大正解でした!
今シーズン一番の掘り出し物 (?) の美術展でした。
展覧会の目玉は何と言っても、
ロシアの国民的画家イヴァン・アイヴァゾフスキーの 《第九の波》 です。
アイヴァゾフスキーの最高傑作とされ、
この作品を観るために国立ロシア美術館を訪れる人も少なくないほど。
それゆえ、館外に貸し出される機会は、ほとんどありません。
フェルメールが9点来日しているのも、スゴいことですが、
《第九の波》 が来日しているのも、実はかなりスゴいことなのです。
図録やネット上では目にしたことがありましたが、実物を観るのはもちろん初めて。
実物は、想像していた以上に大きかったです。
そして、想像していた以上に太陽の光が眩しかったです。
我ながら、この例えはどうなのかと思いますが、ラッセンの絵の色合いに近いものがありました。
また、荒れ狂う波と、必死に耐え忍ぶ人々という組み合わせは、
葛飾北斎の 《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 を連想させるものがあります。
ラッセン+北斎。
この絵を観て感動しない日本人なんて、いないのではないでしょうか?
ちなみに、会場には、アイヴァゾフスキーのもう一つの傑作 《大洪水》 も展示されています。
この2点が並ぶ光景が観られただけでも、展覧会を訪れる価値は大いにありました。
この他にも、ロシアを代表する風景画家イワン・シーシキンの傑作や、
イリヤ・レーピンの不朽の名作 《サトコ》 など、
ロシア美術史に名を残す作品の数々が、来日しています。
まさに、ロシア美術のベストセレクション。
ロシア美術が好きな方はもちろん、
これを機に好きになってみたい方にもオススメの展覧会です。
個人的には、カルル・ヴィリゲリム・ラーブスの 《モスクワのスパスキー門》 や、
アルヒープ・クインジの 《虹》 が特にお気に入り。
実にドラマチックな作品です。
風景画というよりも、まるで映画のワンシーンを観ているかのような印象を受けました。
《モスクワのスパスキー門》 はマーベル映画のオープニングのワンシーン、
《虹》 はハリケーンが街を襲うデザスター映画のエンディングのワンシーンっぽい感じがします。
他に印象的だったのが、アレクセイ・ヴェネツィアーノフの 《刈り取り人》 という作品。
描かれているのは、農民のカップル、もしくは姉弟でしょうか。
女性の手に止まった2匹の蝶を、男性が背後から見つめています。
距離が近すぎて、女性は鬱陶しそうです。
何気ない日常を描いた絵画なのでしょうが、全体的に漂う若干の不穏さ。
それは、きっと鎌のせい。
とりあえず、2人とも鎌をどこかに置いてください。
それと、ミハイル・クロットの 《裁縫婦》。
やる気の糸がプチンと切れてしまったのでしょうか。
テンションがは完全にダダ下がっています。
どうでもいいですが、顔はちょっとだけガリットチュウ福島に似てました。
展覧会全体としては、リアリズムな作風の作品が多く展示されていますが。
ラストには、レフ・ブルーニのロシアアヴァンギャルド的な作品も紹介されています。
作品名は 《虹》。
虹は虹でも、先ほど紹介したクインジの 《虹》 とは大違いです。
ちなみに、クインジの 《虹》 が描かれたのは、1900~1905年。
レフ・ブルーニの 《虹》 が描かれたのは、1915年。
わずか10年ほどの違いしかありません。
その間に何がロシアに起きたのか。
劇的ビフォーアフターです。
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