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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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扇の国、日本

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現在、サントリー美術館では、“扇の国、日本” という展覧会が開催されています。




こちらは、これまでにありそうでなかった 「扇」 にスポットを当てた展覧会。
扇そのものはもちろんのこと、


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)


扇絵や扇をモチーフとしたやきものや工芸品など、
会場には、扇にまつわるエトセトラが大集結しています。

実は、日本で生まれ、日本で発展した扇。
古くは、中国や朝鮮に輸出され、
明治時代には、政府によって西洋に輸出され、人気を博していたそうです。
今まで意識したことがなかったのですが、扇は、日本オリジナルのアイテムだったのですね。
思い返してみれば、日本舞踊にも落語にも扇子が欠かせませんし、
バブルの時期には、浮かれた日本人がディスコで扇を激しく仰いでいましたし、
組体操では、子どもたちが全身を使って扇の形を表現しますし。
なるほど、日本人にとって、扇はアイデンティティともいうべきアイテムなのかもしれません。




身近過ぎて見落としていた日本の重要な文化に気づかされる展覧会。
展覧会を見終える頃には、扇、そして、扇形が愛おしく思えることでしょう。
星星


さてさて、扇尽くしの今回の展覧会。
展示品とは別に、会場内では、解説パネルに床に、
と、実にさまざまな場所で扇を目にすることが出来ます。





巨大な吹き抜け空間には、舞い落ちる扇が投影され、




さらに、その近くには、扇に関する注意書きが設置されていました。




この看板は、わりと控えめに設置されていたので、
一体どれくらいの人が、これに気づくのでしょうか (笑)
さりげない遊び心に、思わずクスッとさせられました。
さりげないと言えば、扇がモチーフとして登場する 《合せ貝》 の展示も。




よくよく見れば、扇状に並べられていました。
もしかしたら、会場には他にも、
隠れミッキーならぬ隠れ扇があるかもしれませんね。


ちなみに。
展覧会のラストでは、シーボルトが著した 『NIPPON』(復刻版) が紹介されていました。




ネタバレになるので、どのページが開かれていたかは内緒 (展覧会でのお楽しみ♪)。
若干こじつけな気もしなくはないですが、

「あー、確かに、“扇の国、日本” だわ!」

と、展覧会タイトルの意味がストンと腑に落ちました。
『カメラを止めるな!』 くらい、ラストにスッキリ。




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