現在、すみだ北斎美術館で開催されているのは、“大江戸グルメと北斎” 。
江戸時代のグルメ事情にスポットを当てた展覧会です。
タイトルは、“大江戸グルメと北斎” となっていますが、
北斎は、食を題材にした絵には、そこまで興味がなかったのでしょうか。
北斎による浮世絵作品は、数えるほどしか出展されていませんでした。
葛飾北斎 《春興五十三駄之内 白須賀》
ただ、浮世絵こそ少なかったですが、
北斎による肉筆画の 《鮟鱇図》 が観られて、個人的には満足。
描かれているのは、生き物としての鮟鱇ではなく、食材としての鮟鱇。
西洋の静物画を彷彿とさせる一枚でした。
ちなみに、北斎自身は、蕎麦が大好物だったとのこと。
毎晩大盛りの蕎麦を二丁注文していたのだそうです。
そんな蕎麦好き北斎が描いた挿絵が、こちら↓
葛飾北斎 『絵本庭訓往来』下編
男性の後ろには、ざるいっぱいの蕎麦。
単なる食事ではなく、フードファイト中なのかもしれません。
そう考えると、右側の男性が立って食べているのも、なんとなく腑に落ちます。
きっと彼のファイトスタイルなのでしょう。
と、この蕎麦の挿絵ほどではないですが、
基本的に挿絵や浮世絵に登場する食事は、メガ盛り気味なものが多かったです。
おそらく江戸時代の人は、ガッツリ系のメニューが好きだったのかもしれませんね。
それは、男性に限らず、女性も。
月岡芳年 《風俗三十二相 むまさう》
皿に乗っているのは、海老の天ぷら。
一人で食べるには、胸やけしそうな量です。
いや、女性の表情を見るに、すでに軽く胸やけしてますね。
歌川国芳の 《縞揃女弁慶 安宅の松》 に描かれた女性が手に持っているのは、お寿司。
よく見ると、海老のお寿司の下に、
玉子のお寿司が2巻並んでいるのがわかります。
お寿司のピラミッド。
斬新な盛り付け方です。
さてさて、今回の展覧会では、さまざまな江戸時代のグルメ事情が紹介されていましたが。
その中でも特に印象に残っているのが、
浅草山谷にあったという高級料亭・八百善にまつわるエピソードです。
歌川広重、三代歌川豊国 《東都高名会席尽 八百善 八百屋半兵衛》
ある時、美食に飽きたグルメたちが八百善を訪れ、「極上の茶漬け」 を注文したのだそうです。
「極上の茶漬け」 が運ばれてきたのは、オーダーを受けてから半日ほど経った頃。
その味は、確かに極上だったようで、グルメたちの舌を唸らせました。
しかし、それ以上に極上だったのは、その価格。
なんと一両二分 (現在の紙幣価値にして3~5万円) だったそうです。
いくらなんでも高すぎると詰め寄るグルメたち。
すると、主人はこう答えました。
「茶は玉露。米は越後の一粒選り。
そして、玉露に合わせる水は、早飛脚を仕立てて玉川上水の取水口まで水を汲みに行かせました」。
そんな海原雄山的なこだわりを聞いて、グルメたちは、さすが八百善と称賛したのだとか。
ちなみに、会場では、そんな江戸のグルメ事情とともに、
江戸のレシピ本と、そのレシピを再現したレプリカも紹介されています。
「鶏卵様」(再現レプリカ)
レプリカのおかげで、料理のイメージが掴みやすいのは確かなのですが。
展覧会全体の展示品の4分の1ほどが、この江戸料理のレプリカだったのには、軽く閉口しました。
江戸料理のレプリカの紹介は、2、3点あれば十分 (20点以上ありました)。
このコーナー、そんなに膨らませる必要あります??
浮世絵を観に来たはずなのに、何を沢山見せられているのか。
最後に、個人的に印象に残った作品をご紹介。
こちらは、江戸時代のガイドブック 『江戸名所図会』 。
開かれたページに描かれているのは、目黒不動尊です。
現在はありませんが、当時は門前に有名な飴屋さんがあったのだとか。
その賑わいの様子を描いた挿絵の中に、気になる人物を発見!
飴を宙に投げてから食べているではないですか。
元祖 『んがんん』 。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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江戸時代のグルメ事情にスポットを当てた展覧会です。
タイトルは、“大江戸グルメと北斎” となっていますが、
北斎は、食を題材にした絵には、そこまで興味がなかったのでしょうか。
北斎による浮世絵作品は、数えるほどしか出展されていませんでした。
葛飾北斎 《春興五十三駄之内 白須賀》
ただ、浮世絵こそ少なかったですが、
北斎による肉筆画の 《鮟鱇図》 が観られて、個人的には満足。
描かれているのは、生き物としての鮟鱇ではなく、食材としての鮟鱇。
西洋の静物画を彷彿とさせる一枚でした。
ちなみに、北斎自身は、蕎麦が大好物だったとのこと。
毎晩大盛りの蕎麦を二丁注文していたのだそうです。
そんな蕎麦好き北斎が描いた挿絵が、こちら↓
葛飾北斎 『絵本庭訓往来』下編
男性の後ろには、ざるいっぱいの蕎麦。
単なる食事ではなく、フードファイト中なのかもしれません。
そう考えると、右側の男性が立って食べているのも、なんとなく腑に落ちます。
きっと彼のファイトスタイルなのでしょう。
と、この蕎麦の挿絵ほどではないですが、
基本的に挿絵や浮世絵に登場する食事は、メガ盛り気味なものが多かったです。
おそらく江戸時代の人は、ガッツリ系のメニューが好きだったのかもしれませんね。
それは、男性に限らず、女性も。
月岡芳年 《風俗三十二相 むまさう》
皿に乗っているのは、海老の天ぷら。
一人で食べるには、胸やけしそうな量です。
いや、女性の表情を見るに、すでに軽く胸やけしてますね。
歌川国芳の 《縞揃女弁慶 安宅の松》 に描かれた女性が手に持っているのは、お寿司。
よく見ると、海老のお寿司の下に、
玉子のお寿司が2巻並んでいるのがわかります。
お寿司のピラミッド。
斬新な盛り付け方です。
さてさて、今回の展覧会では、さまざまな江戸時代のグルメ事情が紹介されていましたが。
その中でも特に印象に残っているのが、
浅草山谷にあったという高級料亭・八百善にまつわるエピソードです。
歌川広重、三代歌川豊国 《東都高名会席尽 八百善 八百屋半兵衛》
ある時、美食に飽きたグルメたちが八百善を訪れ、「極上の茶漬け」 を注文したのだそうです。
「極上の茶漬け」 が運ばれてきたのは、オーダーを受けてから半日ほど経った頃。
その味は、確かに極上だったようで、グルメたちの舌を唸らせました。
しかし、それ以上に極上だったのは、その価格。
なんと一両二分 (現在の紙幣価値にして3~5万円) だったそうです。
いくらなんでも高すぎると詰め寄るグルメたち。
すると、主人はこう答えました。
「茶は玉露。米は越後の一粒選り。
そして、玉露に合わせる水は、早飛脚を仕立てて玉川上水の取水口まで水を汲みに行かせました」。
そんな海原雄山的なこだわりを聞いて、グルメたちは、さすが八百善と称賛したのだとか。
ちなみに、会場では、そんな江戸のグルメ事情とともに、
江戸のレシピ本と、そのレシピを再現したレプリカも紹介されています。
「鶏卵様」(再現レプリカ)
レプリカのおかげで、料理のイメージが掴みやすいのは確かなのですが。
展覧会全体の展示品の4分の1ほどが、この江戸料理のレプリカだったのには、軽く閉口しました。
江戸料理のレプリカの紹介は、2、3点あれば十分 (20点以上ありました)。
このコーナー、そんなに膨らませる必要あります??
浮世絵を観に来たはずなのに、何を沢山見せられているのか。
最後に、個人的に印象に残った作品をご紹介。
こちらは、江戸時代のガイドブック 『江戸名所図会』 。
開かれたページに描かれているのは、目黒不動尊です。
現在はありませんが、当時は門前に有名な飴屋さんがあったのだとか。
その賑わいの様子を描いた挿絵の中に、気になる人物を発見!
飴を宙に投げてから食べているではないですか。
元祖 『んがんん』 。
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