現在、東京都美術館の企画展示室では、“ムンク展-共鳴する魂の叫び” が絶賛発売中ですが。
すぐその近くにあるギャラリーA・Cでは、
“見る、知る、感じる──現代の書” という展覧会が開催されています。
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年間に多くの公募展が開催されることから、
「公募展のふるさと」 と称されている東京都美術館。
そんな東京都美術館が満を持して昨年からスタートさせたのが、
公募団体で活躍している作家を紹介する展覧会シリーズ “上野アーティストプロジェクト” です。
今回の展覧会は、その第2弾として開催されるもので、『書の鑑賞』 をテーマとしています。
ちなみに、観覧料は、一般でもワンコインの500円。
“ムンク展” のチケット (半券可) があれば、なんと入場無料。
「太っ腹ー!!」 と叫びたくなる展覧会です。
さてさて、書の展覧会というと、
“小難しそう・・・” “堅苦しそう・・・” “面白くなさそう・・・”
と、ネガティブな印象を抱きがちですが。
今展に関しては、そんな心配はご無用です。
単純に目で見て、「おっ!」 とか 「わー!」 とか感じられる作品が多く紹介されています。
書に対して食わず嫌いをしてた人にこそ、オススメの展覧会です。
![星]()
会場に入って、まず確実に度肝を抜かれるであろう作品は、こちら↓
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書家・金敷駸房さんによる 《槐多の瀧》 です。
こちらは、22歳でこの世を去った夭折の天才画家・村山槐多の著書、
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『槐多の歌へる』 の全文を、約1年かけて揮毫したという超大作です。
驚くべきは、その総長。
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なんと約5000mもあるそうです!
東京都美術館から東京駅までが、約4.7㎞。
その距離よりも、作品のほうが長いわけです。
まず間違いなく、日本美術史上、最長の作品といえるのではないでしょうか。
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段々となった展示スタイルは、
『オールスター感謝祭』 のセットを、なんとなく彷彿とさせるものがあります。
《槐多の瀧》 と向き合ったとき、島崎和歌子の気分をなんとなく味わえました。
続いて紹介されていたのは、秋山和也さん。
古典の臨書を日課としていらっしゃるそうで、
その文字からは、ひしひしと緊張感が伝わってきました。
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ちょっとした風でも、フッと飛んでしまいそうなほどの繊細さ。
思わず息を止めて、見入ってしまいます。
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また、文字の散らし方が独特ゆえ、
余白部分も楽しめる書という印象を受けました。
抽象画を見るような感覚に近かったです。
そんな繊細な秋山さんに対して、
古代文字の造形感覚に定評のある大橋洋之さんの作品は、エネルギーに満ち満ちていました。
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一文字一文字から受けるインパクトが絶大。
骨太でロック、そして、どこかユーモアも感じられるその文字は、
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どことなく、『今日から俺は!!』 のロゴを連想させるものがありました。
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個人的に一番印象に残ったのは、菊山武士さんの書の世界観です。
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↑こちらは、《どしゃぶりのあめ》 という作品。
近づいて見ると、「どしゃぶりのあめ」 という文字が、
まさに、どしゃぶりの雨のごとく、バシャバシャと書かれていました。
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菊山さんは 「雨」 をよく書いているそうで、
壁一面に貼られた作品でも、「あめ」 をリフレイン。
こんなにも 「あめ」 を繰り返しているのは、菊山さんか八代亜紀くらいなものでしょう。
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もちろん、「あめ」 以外の作品も。
《冬》 や 《隣》 のように一字を書いた作品が紹介されています。
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字そのもののオリジナリティもさることながら、
掛け軸の表装がモダンでスタイリッシュで、オリジナリティに溢れていました。
トータルで見て楽しむ作品です。
スタイリッシュでオリジナリティ溢れるといえば、鈴木響泉さんの書も。
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漢字というよりも、もはやシナプスのよう。
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しばらく見ていたら、新たな回路が形成されるのではなかろうか、
さらなるフェーズに進化していくのではなかろうか、そんな流動的な動きが感じられました。
平面の作品なのに、立体的にも感じられる。
新感覚の書でした。
最後に紹介したいのは、石巻市出身・在住の千葉蒼玄さんの 《3.11 鎮魂と復活》 という作品。
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東日本大震災をテーマにした大作で、3.11後の新聞記事がみっちりと書き写されています。
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「書=古典的なジャンル」 という印象がどうにも強く、
これまで、「書家=古風な芸術家」 と捉えがちだったのですが。
千葉さんの 《3.11 鎮魂と復活》 を見て、改めて、書家も現代アーティストであることを実感しました。
ちなみに、こちらの 《鎮魂と復活 オーロラ(昇魂)》 も千葉さんの作品です。
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あくまで僕個人の印象ですが、
どことなく山本寛斎感、どことなくBOØWY感。
アバンギャルドです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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すぐその近くにあるギャラリーA・Cでは、
“見る、知る、感じる──現代の書” という展覧会が開催されています。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181205/19/artony/6c/71/j/o1024076814315752709.jpg)
年間に多くの公募展が開催されることから、
「公募展のふるさと」 と称されている東京都美術館。
そんな東京都美術館が満を持して昨年からスタートさせたのが、
公募団体で活躍している作家を紹介する展覧会シリーズ “上野アーティストプロジェクト” です。
今回の展覧会は、その第2弾として開催されるもので、『書の鑑賞』 をテーマとしています。
ちなみに、観覧料は、一般でもワンコインの500円。
“ムンク展” のチケット (半券可) があれば、なんと入場無料。
「太っ腹ー!!」 と叫びたくなる展覧会です。
さてさて、書の展覧会というと、
“小難しそう・・・” “堅苦しそう・・・” “面白くなさそう・・・”
と、ネガティブな印象を抱きがちですが。
今展に関しては、そんな心配はご無用です。
単純に目で見て、「おっ!」 とか 「わー!」 とか感じられる作品が多く紹介されています。
書に対して食わず嫌いをしてた人にこそ、オススメの展覧会です。
![星](http://emoji.ameba.jp/img/user/ri/rikatori/56300.gif)
会場に入って、まず確実に度肝を抜かれるであろう作品は、こちら↓
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181205/23/artony/cf/29/j/o1024076814315897714.jpg)
書家・金敷駸房さんによる 《槐多の瀧》 です。
こちらは、22歳でこの世を去った夭折の天才画家・村山槐多の著書、
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/09/artony/ce/9e/j/o1024076814316062199.jpg)
『槐多の歌へる』 の全文を、約1年かけて揮毫したという超大作です。
驚くべきは、その総長。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/60/52/j/o1024076814316063994.jpg)
なんと約5000mもあるそうです!
東京都美術館から東京駅までが、約4.7㎞。
その距離よりも、作品のほうが長いわけです。
まず間違いなく、日本美術史上、最長の作品といえるのではないでしょうか。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/b5/f6/j/o1024076814316064066.jpg)
段々となった展示スタイルは、
『オールスター感謝祭』 のセットを、なんとなく彷彿とさせるものがあります。
《槐多の瀧》 と向き合ったとき、島崎和歌子の気分をなんとなく味わえました。
続いて紹介されていたのは、秋山和也さん。
古典の臨書を日課としていらっしゃるそうで、
その文字からは、ひしひしと緊張感が伝わってきました。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/37/7d/j/o0903064514316069388.jpg)
ちょっとした風でも、フッと飛んでしまいそうなほどの繊細さ。
思わず息を止めて、見入ってしまいます。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/88/4b/j/o1024076814316070245.jpg)
また、文字の散らし方が独特ゆえ、
余白部分も楽しめる書という印象を受けました。
抽象画を見るような感覚に近かったです。
そんな繊細な秋山さんに対して、
古代文字の造形感覚に定評のある大橋洋之さんの作品は、エネルギーに満ち満ちていました。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/c1/6d/j/o1024076814316073855.jpg)
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一文字一文字から受けるインパクトが絶大。
骨太でロック、そして、どこかユーモアも感じられるその文字は、
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/10/a6/j/o1002076214316074154.jpg)
どことなく、『今日から俺は!!』 のロゴを連想させるものがありました。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/95/9b/p/o0573020714316075557.png)
個人的に一番印象に残ったのは、菊山武士さんの書の世界観です。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/6f/d9/j/o0780076714316078025.jpg)
↑こちらは、《どしゃぶりのあめ》 という作品。
近づいて見ると、「どしゃぶりのあめ」 という文字が、
まさに、どしゃぶりの雨のごとく、バシャバシャと書かれていました。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/36/c3/j/o1024076814316078729.jpg)
菊山さんは 「雨」 をよく書いているそうで、
壁一面に貼られた作品でも、「あめ」 をリフレイン。
こんなにも 「あめ」 を繰り返しているのは、菊山さんか八代亜紀くらいなものでしょう。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/b7/dd/j/o0935064114316079804.jpg)
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/e0/44/j/o1024076814316079861.jpg)
もちろん、「あめ」 以外の作品も。
《冬》 や 《隣》 のように一字を書いた作品が紹介されています。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/e8/58/j/o0978075414316080819.jpg)
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/a7/e5/j/o1024076814316081995.jpg)
字そのもののオリジナリティもさることながら、
掛け軸の表装がモダンでスタイリッシュで、オリジナリティに溢れていました。
トータルで見て楽しむ作品です。
スタイリッシュでオリジナリティ溢れるといえば、鈴木響泉さんの書も。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/86/83/j/o1024076814316084371.jpg)
漢字というよりも、もはやシナプスのよう。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/ac/7d/j/o1024076814316084652.jpg)
しばらく見ていたら、新たな回路が形成されるのではなかろうか、
さらなるフェーズに進化していくのではなかろうか、そんな流動的な動きが感じられました。
平面の作品なのに、立体的にも感じられる。
新感覚の書でした。
最後に紹介したいのは、石巻市出身・在住の千葉蒼玄さんの 《3.11 鎮魂と復活》 という作品。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/10/artony/f3/dd/j/o1024076814316088842.jpg)
東日本大震災をテーマにした大作で、3.11後の新聞記事がみっちりと書き写されています。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/11/artony/07/a2/j/o1024076814316090113.jpg)
「書=古典的なジャンル」 という印象がどうにも強く、
これまで、「書家=古風な芸術家」 と捉えがちだったのですが。
千葉さんの 《3.11 鎮魂と復活》 を見て、改めて、書家も現代アーティストであることを実感しました。
ちなみに、こちらの 《鎮魂と復活 オーロラ(昇魂)》 も千葉さんの作品です。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20181206/11/artony/78/1e/j/o0875074414316093949.jpg)
あくまで僕個人の印象ですが、
どことなく山本寛斎感、どことなくBOØWY感。
アバンギャルドです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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