これまでに文化庁の新進芸術家海外研修制度によって、
海外派遣された経験を持つ芸術家たちが、その成果を発表する展覧会 “DOMANI・明日展” 。
すっかり国立新美術館の年明けの風物詩となったこの展覧会も、今年でいよいよ21回目。
平成ラストを飾る “DOMANI・明日展” のサブタイトルは、「平成の終わりに」。
さすがに平成生まれはいませんでしたが、
平成世代の実力派若手アーティスト9人が、今展に参戦しています。
まずトップバッターを飾るのは、千葉県生まれの若き陶芸家・和田的(あきら)さん。
第7回菊池ビエンナーレの大賞にも輝いた今最も注目を集める陶芸家の一人です。
そのシャープでスタイリッシュなデザインは、
まるでダイソンから発売される新たな家電のようですが。
なんと磁器。それも、もちろん工業製品ではなく、手作業で生み出された磁器です。
作り方自体は、いたってシンプル。
天草陶石の磁土を轆轤で挽き、
乾燥したら、あとは丹念に彫刻刀で削り出し、焼き上げます。
シンプルですが、超絶技巧。
しかも、シャープなフォルムを生み出すために、
1日12時間ほど、ひたすら彫刻刀で削り出す作業を行っているのだとか。
超絶的な集中力です。
その集大成ともいうべき作品が、
完璧なる球体の 《月》 と表面に陰影が施された 《太陽》。
こちら2つの作品は、アメリカのミネアポリス美術館が所蔵しているとのこと。
きっと多くの外国人を驚かしていることでしょう。
クールジャパンです。
ちなみに、会場には、和田さんの新作、
《白磁大香炉|ようこそ!》 と 《白磁香炉|ようこそ!》 も。
かっ・・・かわいい・・・!
新世代のスマートスピーカーかと思いました。
クールだけでなく、「Kawaii」 も会得しているだなんて。
和田さんの進化は、止まりそうにありません。
続いて紹介されていたのは、ドイツへ派遣されていた蓮沼昌宏さんです。
大きなテーブルの上に乗っていたのは、謎の器具。
何やら、「矢印の方向に回してください」 とあるので、
その指示に従って、中央のハンドルを回してみることにします。
すると、右手前の金具に紙がパラパラパラと当たり、
まさにパラパラ漫画の要領で、描かれた絵が動いて見えるではないですか!
こちらは、19世紀末に考案されたアニメーション技術の起源とも言える装置・キノーラとのこと。
蓮沼さんは、そんなキノーラによるアニメーションを中心に制作している作家なのだそう。
キノーラに触れるのは、初めてなはずなのですが、
なぜか無性に懐かしく、クルクルパタパタする鑑賞体験は妙にクセになりました。
あぁ、もう一回キノーラしたい。
すっかりキノーラ中毒になっています。
個人的に感慨深かった出展作家は、同い年のアーティスト・志村信裕さん。
なんだかんだかで、10年以上の繋がりがあるので、
「いやぁ、志村君、立派になったなァ」 と、目頭が熱くなってしまいました。
完全に親戚のおじさんのような目線です (←同い年なのに)
今回出展されていたのは、羊をテーマにした新作の映像作品 《Nostalgia, Amnesia》。
ドキュメンタリーの手法で作られた作品です。
派遣先であったフランスと、現在活動の拠点となっている千葉県成田市。
2つの地域の文化や歴史を、羊という切り口から紹介しています。
「成田で羊ということは、成田ゆめ牧場?」 と思って見始めたら、全然、違いました。
その昔、三里塚には、空港ができるまで、宮内庁管轄の羊の牧場があったのだとか。
千葉県民ですが、全く知らなかったです。
47分とやや長尺ですが、見て損はありません。
他にも、川久保ジョイさんや加藤翼さんなど、
現代アート展の常連組ともいうべき実力アーティストが名を揃えています。
ここ数年、男女比が半々か、もしくは、4:6で女性アーティストが多かった印象がありますが。
今回のメンバーの中に、女性作家は2人だけ。
珍しく、男性アーティストが頑張っている (←?) 印象を受ける展覧会でした。
ちなみに。
展覧会のトリを飾るのは、日本画家の三瀬夏之介さん。
すっかりベテランの域に達している三瀬さんが、
今回は特別にゲスト作家という形で参戦しています。
まだまだ若手に負けてられないぞ。
そんな気迫が伝わってくるかのような、圧倒的な作品群でした。
特にインパクトがあったのは、逆さまになった日本地図。
よく見ると、同心円が描かれています。
その中心となっているのは、おそらくあの場所。
まもなく平成は終わりますが、あの日は忘れないようにしなければ。
改めて、そう決意させられる作品でした。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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海外派遣された経験を持つ芸術家たちが、その成果を発表する展覧会 “DOMANI・明日展” 。
すっかり国立新美術館の年明けの風物詩となったこの展覧会も、今年でいよいよ21回目。
平成ラストを飾る “DOMANI・明日展” のサブタイトルは、「平成の終わりに」。
さすがに平成生まれはいませんでしたが、
平成世代の実力派若手アーティスト9人が、今展に参戦しています。
まずトップバッターを飾るのは、千葉県生まれの若き陶芸家・和田的(あきら)さん。
第7回菊池ビエンナーレの大賞にも輝いた今最も注目を集める陶芸家の一人です。
そのシャープでスタイリッシュなデザインは、
まるでダイソンから発売される新たな家電のようですが。
なんと磁器。それも、もちろん工業製品ではなく、手作業で生み出された磁器です。
作り方自体は、いたってシンプル。
天草陶石の磁土を轆轤で挽き、
乾燥したら、あとは丹念に彫刻刀で削り出し、焼き上げます。
シンプルですが、超絶技巧。
しかも、シャープなフォルムを生み出すために、
1日12時間ほど、ひたすら彫刻刀で削り出す作業を行っているのだとか。
超絶的な集中力です。
その集大成ともいうべき作品が、
完璧なる球体の 《月》 と表面に陰影が施された 《太陽》。
こちら2つの作品は、アメリカのミネアポリス美術館が所蔵しているとのこと。
きっと多くの外国人を驚かしていることでしょう。
クールジャパンです。
ちなみに、会場には、和田さんの新作、
《白磁大香炉|ようこそ!》 と 《白磁香炉|ようこそ!》 も。
かっ・・・かわいい・・・!
新世代のスマートスピーカーかと思いました。
クールだけでなく、「Kawaii」 も会得しているだなんて。
和田さんの進化は、止まりそうにありません。
続いて紹介されていたのは、ドイツへ派遣されていた蓮沼昌宏さんです。
大きなテーブルの上に乗っていたのは、謎の器具。
何やら、「矢印の方向に回してください」 とあるので、
その指示に従って、中央のハンドルを回してみることにします。
すると、右手前の金具に紙がパラパラパラと当たり、
まさにパラパラ漫画の要領で、描かれた絵が動いて見えるではないですか!
こちらは、19世紀末に考案されたアニメーション技術の起源とも言える装置・キノーラとのこと。
蓮沼さんは、そんなキノーラによるアニメーションを中心に制作している作家なのだそう。
キノーラに触れるのは、初めてなはずなのですが、
なぜか無性に懐かしく、クルクルパタパタする鑑賞体験は妙にクセになりました。
あぁ、もう一回キノーラしたい。
すっかりキノーラ中毒になっています。
個人的に感慨深かった出展作家は、同い年のアーティスト・志村信裕さん。
なんだかんだかで、10年以上の繋がりがあるので、
「いやぁ、志村君、立派になったなァ」 と、目頭が熱くなってしまいました。
完全に親戚のおじさんのような目線です (←同い年なのに)
今回出展されていたのは、羊をテーマにした新作の映像作品 《Nostalgia, Amnesia》。
ドキュメンタリーの手法で作られた作品です。
派遣先であったフランスと、現在活動の拠点となっている千葉県成田市。
2つの地域の文化や歴史を、羊という切り口から紹介しています。
「成田で羊ということは、成田ゆめ牧場?」 と思って見始めたら、全然、違いました。
その昔、三里塚には、空港ができるまで、宮内庁管轄の羊の牧場があったのだとか。
千葉県民ですが、全く知らなかったです。
47分とやや長尺ですが、見て損はありません。
他にも、川久保ジョイさんや加藤翼さんなど、
現代アート展の常連組ともいうべき実力アーティストが名を揃えています。
ここ数年、男女比が半々か、もしくは、4:6で女性アーティストが多かった印象がありますが。
今回のメンバーの中に、女性作家は2人だけ。
珍しく、男性アーティストが頑張っている (←?) 印象を受ける展覧会でした。
ちなみに。
展覧会のトリを飾るのは、日本画家の三瀬夏之介さん。
すっかりベテランの域に達している三瀬さんが、
今回は特別にゲスト作家という形で参戦しています。
まだまだ若手に負けてられないぞ。
そんな気迫が伝わってくるかのような、圧倒的な作品群でした。
特にインパクトがあったのは、逆さまになった日本地図。
よく見ると、同心円が描かれています。
その中心となっているのは、おそらくあの場所。
まもなく平成は終わりますが、あの日は忘れないようにしなければ。
改めて、そう決意させられる作品でした。
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