横浜市民ギャラリーあざみ野が、現代の写真表現を紹介するシリーズ。
それが、『あざみ野フォト・アニュアル』 です。
第9回目となる今年の 『あざみ野フォト・アニュアル』 は、
ちひろ美術館・東京でのコラボ展が記憶に新しい写真家・長島有里枝さんをフィーチャー。
“知らない言葉の花の名前 記憶にない風景 わたしの指には読めない本” と題し、
写真とテキストの関係性をテーマに、新作や未発表作など、全3つのシリーズで構成されています。
まず紹介されていたのは、《名札付きの植物》 というシリーズ。
撮影されているのは、植物園の植物です。
しかし、冬場に撮影されたものに関しては、
花や葉のほとんどが枯れているため、一体何の植物なのか判別できません。
そこで、ヒントとなるのが、すべての写真に必ず写り込んでいるプレート。
それを読めば、何の植物かきっと判別できるはず!
・・・・・が、しかし。
残念ながら、英語やラテン語で書かれているため、結局、何が何だかわかりません。。。
写真は、観るもの。
でも、そこに文字があれば、人はついつい文字を読んでしまいます。
ただし、その文字が読めないとなると、かえってフラストレーションが溜まってしまうことに。
読みたくて読みたくて震える。
そんな人間の本能に、思わずハッとさせられる作品です。
続いて紹介されていたのは、新作の 《本を感じる》 。
こちらは、長嶋さんの著書 『背中の記憶』 の点字版を、
全盲の女性が読んでいる様子を撮影した写真シリーズです。
目が見える方のほとんどは、点字は読めないことでしょう。
普段、点字を利用されている方は、もちろん実際に触らなくては点字は読めません。
ということは、この “平面” の写真に映った点字は、一体誰が読むことが出来るのでしょうか??
ラテン語以上に、「読めない字」 と言っても過言ではありません。
最後に紹介されていたのも、新作のシリーズ。
家具を模したインスタレーション作品です。
よく見ると、その一部に写真のようなものがプリントされています。
実は、これらは、木板に写真用の感光材を塗布して、プリントしたもの。
何の変哲もない (?) 風景写真ですが、
紙ではなく、木板にプリントされることで、不思議な実体感が生まれていました。
家具そのものに記憶が宿っており、まるでそれが表層化したような印象を受けます。
今回紹介されていた3つのシリーズに共通していたことは、
見れば見るほど、そして、作品について考えれば考えれるほど、
“写真って何だろう?” と、どんどんわからなくなっていくこと。
今展を通じて、写真に対して抱いていたイメージのピントが、ボケていくようでした。
ただ、それは決してマイナスなことではなく、
むしろ新たな写真の世界を知るためには、確実にプラスになること。
「知らない」 「記憶にない」 「読めない」 と、
タイトルこそ、無い無い尽くしの展覧会ですが、訪れる価値は大いに “ある” 展覧会です。
ちなみに、1つ上のフロアでは、
“平成30年度横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 暗くて明るいカメラーの部屋” が同時開催中。
約12000件 (!) を誇る横浜市所蔵カメラ・写真コレクションの中から、
実際に撮影することはできない陶製の 《一眼レフカメラ》(制作者・制作年不詳) や、
望遠にもほどがある 《ライカⅢf/エルンスト・ライツ・ゲーエムベーハー》 など、
貴重でユニークなカメラや写真の数々が紹介されていました。
個人的に一番印象に残ったのは、自転車に取り付けられたカメラです。
おそらく世界初の車載カメラ。
これで、あおり運転対策もバッチリです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
それが、『あざみ野フォト・アニュアル』 です。
第9回目となる今年の 『あざみ野フォト・アニュアル』 は、
ちひろ美術館・東京でのコラボ展が記憶に新しい写真家・長島有里枝さんをフィーチャー。
“知らない言葉の花の名前 記憶にない風景 わたしの指には読めない本” と題し、
写真とテキストの関係性をテーマに、新作や未発表作など、全3つのシリーズで構成されています。
まず紹介されていたのは、《名札付きの植物》 というシリーズ。
撮影されているのは、植物園の植物です。
しかし、冬場に撮影されたものに関しては、
花や葉のほとんどが枯れているため、一体何の植物なのか判別できません。
そこで、ヒントとなるのが、すべての写真に必ず写り込んでいるプレート。
それを読めば、何の植物かきっと判別できるはず!
・・・・・が、しかし。
残念ながら、英語やラテン語で書かれているため、結局、何が何だかわかりません。。。
写真は、観るもの。
でも、そこに文字があれば、人はついつい文字を読んでしまいます。
ただし、その文字が読めないとなると、かえってフラストレーションが溜まってしまうことに。
読みたくて読みたくて震える。
そんな人間の本能に、思わずハッとさせられる作品です。
続いて紹介されていたのは、新作の 《本を感じる》 。
こちらは、長嶋さんの著書 『背中の記憶』 の点字版を、
全盲の女性が読んでいる様子を撮影した写真シリーズです。
目が見える方のほとんどは、点字は読めないことでしょう。
普段、点字を利用されている方は、もちろん実際に触らなくては点字は読めません。
ということは、この “平面” の写真に映った点字は、一体誰が読むことが出来るのでしょうか??
ラテン語以上に、「読めない字」 と言っても過言ではありません。
最後に紹介されていたのも、新作のシリーズ。
家具を模したインスタレーション作品です。
よく見ると、その一部に写真のようなものがプリントされています。
実は、これらは、木板に写真用の感光材を塗布して、プリントしたもの。
何の変哲もない (?) 風景写真ですが、
紙ではなく、木板にプリントされることで、不思議な実体感が生まれていました。
家具そのものに記憶が宿っており、まるでそれが表層化したような印象を受けます。
今回紹介されていた3つのシリーズに共通していたことは、
見れば見るほど、そして、作品について考えれば考えれるほど、
“写真って何だろう?” と、どんどんわからなくなっていくこと。
今展を通じて、写真に対して抱いていたイメージのピントが、ボケていくようでした。
ただ、それは決してマイナスなことではなく、
むしろ新たな写真の世界を知るためには、確実にプラスになること。
「知らない」 「記憶にない」 「読めない」 と、
タイトルこそ、無い無い尽くしの展覧会ですが、訪れる価値は大いに “ある” 展覧会です。
ちなみに、1つ上のフロアでは、
“平成30年度横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 暗くて明るいカメラーの部屋” が同時開催中。
約12000件 (!) を誇る横浜市所蔵カメラ・写真コレクションの中から、
実際に撮影することはできない陶製の 《一眼レフカメラ》(制作者・制作年不詳) や、
望遠にもほどがある 《ライカⅢf/エルンスト・ライツ・ゲーエムベーハー》 など、
貴重でユニークなカメラや写真の数々が紹介されていました。
個人的に一番印象に残ったのは、自転車に取り付けられたカメラです。
おそらく世界初の車載カメラ。
これで、あおり運転対策もバッチリです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!