現在、埼玉県立近代美術館で開催されているのは、
“インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
技術的にインポッシブルであったり、社会的にインポッシブルであったり、
ワケあって、実際には建てられることがなかった建築の数々に焦点を当てた展覧会です。
20世紀以降の国内外の建築家が発表した、
「インポッシブル・アーキテクチャー」 の図面や模型、関連資料が展示されています。
展示の冒頭を飾るのは、
1919年にソヴィエトの芸術家ウラジーミル・タトリンによって構想された鉄製の塔。
《第3インターナショナル記念塔》 です。
完成予想の高さは、実に400m。
この当時、世界で最も高い建築物であったエッフェル塔の300mを余裕で上回る高さです。
しかも、塔の内部には立方体やピラミッドなど、4つのフォルムが設置されており、
立方体は1年に1回転、ピラミッドは月に1回転、円柱は1日に1回転、半球は1時間に1回転と、
それぞれが異なる周期で回転する構想だったとのこと。
さすがに、この当時の技術では、到底実現不可能な建築だったそうです。
“実現していたら、夢があったのになァ” という考えが、一瞬頭を過りましたが。
もし、この 《第3インターナショナル記念塔》 が、
1919年に実現していたら、きっと東京タワーの立場は無かったことでしょう。
そう考えると、日本人的にには、インポッシブルで良かったように思えてきました。
ちなみに、展覧会のラストを締めくくるのは、
イラク出身の女性建築家ザハ・ハディドによる新国立競技場のプロジェクトです。
「アンビルトの女王」 の異名を持つザハ・ハディド。
彼女が提案した大胆かつ斬新な新国立競技場のプランは、
一度は採用されながらも、ワイドショーの格好のネタとなり、
最終的には日本側からの一方的なキャンセルによって、アンビルトとなってしまいました。
しかし、このザハ案の新国立競技場はインポッシブルどころか、
すでに実施設計は完了しており、実は、ポッシブルな建築だったのです。
会場では、300分の1スケールの模型や膨大な量の設計資料が展示されています。
なぜ、日本は平成最後の 「インポッシブル・アーキテクチャー」 を生み出してしまったのか。
そのことを強く考えさせられる展覧会でした。
また、展覧会には、日本を代表する建築家・安藤忠雄さんや、
ヴェネツィア・ヴィエンナーレ国際建築展で、
金獅子賞を受賞した気鋭の建築家・石上純也さんをはじめ、
建築界のトップランナーたちの 「インポッシブル・アーキテクチャー」 も数多く紹介されていますが。
会田誠さんや山口晃さんといった建築とは違うフィールドで活躍する・・・
芸術家たちによる 「インポッシブル・アーキテクチャー」 も紹介されています。
中でも一番インパクトがあったのは、
荒川修作+マドリン・ギンズの 《問われているプロセス/天命反転の橋》 の模型。
全長13mの巨大な模型です。
こちらは、もともとは、フランスのとある河にかける橋として構想されたもの。
まるで 『SASUKE』 のごとく (?)、異なる装置で構成されており、
この橋の上を人が通り抜けると、その人間の感覚が刷新されるという仕組みだったそうです。
結局、実現はされなかったそうですが、
この理念は、後の 《養老天命反転地》 などに引き継がれていったとのこと。
インポッシブルから生まれるポッシブルもあるのですね。
ちなみに、今回出展されていた作品の中で、個人的に特に印象に残っているのは、
ポストモダンの建築家ハンス・ホラインによる 《プロジェクト:ゴールデンスマート》 です。
ホラインにとって、人間に影響を与える情報や環境はすべて建築とのこと。
電話ボックスやテレビも建築、
人間の体内環境を変えるカプセル剤すらも建築なのだとか。
ゆえに、空の上をプカプカ浮かんでるゴールデンスマート (=煙草) も建築なのだそうです。
・・・・・ちょっと何言ってるか分からない。
理解インポッシブル。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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“インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
技術的にインポッシブルであったり、社会的にインポッシブルであったり、
ワケあって、実際には建てられることがなかった建築の数々に焦点を当てた展覧会です。
20世紀以降の国内外の建築家が発表した、
「インポッシブル・アーキテクチャー」 の図面や模型、関連資料が展示されています。
展示の冒頭を飾るのは、
1919年にソヴィエトの芸術家ウラジーミル・タトリンによって構想された鉄製の塔。
《第3インターナショナル記念塔》 です。
完成予想の高さは、実に400m。
この当時、世界で最も高い建築物であったエッフェル塔の300mを余裕で上回る高さです。
しかも、塔の内部には立方体やピラミッドなど、4つのフォルムが設置されており、
立方体は1年に1回転、ピラミッドは月に1回転、円柱は1日に1回転、半球は1時間に1回転と、
それぞれが異なる周期で回転する構想だったとのこと。
さすがに、この当時の技術では、到底実現不可能な建築だったそうです。
“実現していたら、夢があったのになァ” という考えが、一瞬頭を過りましたが。
もし、この 《第3インターナショナル記念塔》 が、
1919年に実現していたら、きっと東京タワーの立場は無かったことでしょう。
そう考えると、日本人的にには、インポッシブルで良かったように思えてきました。
ちなみに、展覧会のラストを締めくくるのは、
イラク出身の女性建築家ザハ・ハディドによる新国立競技場のプロジェクトです。
「アンビルトの女王」 の異名を持つザハ・ハディド。
彼女が提案した大胆かつ斬新な新国立競技場のプランは、
一度は採用されながらも、ワイドショーの格好のネタとなり、
最終的には日本側からの一方的なキャンセルによって、アンビルトとなってしまいました。
しかし、このザハ案の新国立競技場はインポッシブルどころか、
すでに実施設計は完了しており、実は、ポッシブルな建築だったのです。
会場では、300分の1スケールの模型や膨大な量の設計資料が展示されています。
なぜ、日本は平成最後の 「インポッシブル・アーキテクチャー」 を生み出してしまったのか。
そのことを強く考えさせられる展覧会でした。
また、展覧会には、日本を代表する建築家・安藤忠雄さんや、
ヴェネツィア・ヴィエンナーレ国際建築展で、
金獅子賞を受賞した気鋭の建築家・石上純也さんをはじめ、
建築界のトップランナーたちの 「インポッシブル・アーキテクチャー」 も数多く紹介されていますが。
会田誠さんや山口晃さんといった建築とは違うフィールドで活躍する・・・
芸術家たちによる 「インポッシブル・アーキテクチャー」 も紹介されています。
中でも一番インパクトがあったのは、
荒川修作+マドリン・ギンズの 《問われているプロセス/天命反転の橋》 の模型。
全長13mの巨大な模型です。
こちらは、もともとは、フランスのとある河にかける橋として構想されたもの。
まるで 『SASUKE』 のごとく (?)、異なる装置で構成されており、
この橋の上を人が通り抜けると、その人間の感覚が刷新されるという仕組みだったそうです。
結局、実現はされなかったそうですが、
この理念は、後の 《養老天命反転地》 などに引き継がれていったとのこと。
インポッシブルから生まれるポッシブルもあるのですね。
ちなみに、今回出展されていた作品の中で、個人的に特に印象に残っているのは、
ポストモダンの建築家ハンス・ホラインによる 《プロジェクト:ゴールデンスマート》 です。
ホラインにとって、人間に影響を与える情報や環境はすべて建築とのこと。
電話ボックスやテレビも建築、
人間の体内環境を変えるカプセル剤すらも建築なのだとか。
ゆえに、空の上をプカプカ浮かんでるゴールデンスマート (=煙草) も建築なのだそうです。
・・・・・ちょっと何言ってるか分からない。
理解インポッシブル。
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