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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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インドの叡智展

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今年2019年は、「インド独立の父」 マハトマ・ガンディーの生誕150年目に当たる節目の年。
それを記念して、東洋文庫ミュージアムでは、
現在、“インドの叡智展” という展覧会が開催されています。




こちらは、東洋文庫ミュージアムが誇る100万点以上の蔵書の中から、
ヒンドゥー教や仏教、ヨガ、数学など、インドにまつわる品々を紹介する展覧会です。




日本とインド。
その繋がりは、意外と深く仏教伝来にまで遡るそうです。




実は、日本古来の神様と思われていた神様たちのルーツも、インドにあり。
弁財天や大黒天、毘沙門天はもともとはヒンドゥー教の神様だったそうです。
ちなみに、今年の大河ドラマのタイトルにもなっている 『いだてん』 も、元インドの神様。
カレー以外にも、日本はインドから大きな恩恵を得ていたのですね。
そんなことを強く実感させられたのが、こちらの 《悉曇章》(しったんしょう)




梵字の音韻と書き方を習得させるための図表です。
この 《悉曇章》 を元に、日本語の音韻を並べ直して、図表化したものが、なんと五十音表!
身近な五十音表のルーツが、まさかインドにあっただなんて。
インド人もびっくり、いや、インド人にびっくりです。


さてさて、びっくりといえば、
今回の展覧会には、インドにまつわる貴重な品が数多く出展されています。
それも、さらっと。
例えば、こちら。




一見すると、腕にパチンと当てると、
くるっと回ってリストバンドみたくなる懐かしのおもちゃ (←名前がわからない) のようですが。
実は、その正体は、1070年に書写されたインドの初期の仏教経経典 《妙法蓮華経》
しかも、日本人で初めてチベットに入国した僧侶・河口慧海が、日本に持ち帰った経典の一つです。
ものすごく貴重なものなので、絶対に腕にパチンとしてはいけませんね。
なお、紙ではなく、加工したヤシの葉とのこと。
こうして鮮やかに色が残っているのは、奇跡としかいいようがありません。


貴重と言えば、こちらの 《シャクンタラー》 も。




『シャクンタラー』 は、古代インドの作家カーリダーサによる戯曲。
西洋に紹介された最初のサンスクリット文学の一つであり、
サンスクリット劇の最大傑作と認められている戯曲なのだそうです。
こちらの美しい装丁と挿絵に定評のある本は、
東インド会社のサンスクリット学者によって英訳されたもの。
おそらく日本国内には、この一冊しかないという激レアな本なのだとか。
あまりに、さらっと展示されていますので、お見過ごしなきように。
星


ちなみに。
東洋文庫ミュージアムといえば、
隙あらば (?) 、キャプションでウケ狙いをしてくるミュージアム。
今回も、いくつかのキャプションで、やらかしていました (笑)




特に印象的だったのは、「スパイスカレーを作ってみました」 という謎の報告。




インターネットで検索した情報を頼りに、
アメ横のスパイス専門店で購入したスパイスでカレーを作ったという顛末が紹介されていました。

・・・・・・・・いや、料理ブログか!




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