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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ラリック・エレガンス 宝飾とガラスのモダニティ

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現在、練馬区立美術館で開催されているのは、
"ラリック・エレガンス 宝飾とガラスのモダニティ" という展覧会。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)


フランスを代表するジュエリー作家にして、
ガラス工芸家でもあったルネ・ラリックの初期から晩年までの作品を紹介する展覧会です。




出展作品は、実に約230点!
これらはすべて、オフィスコーヒーなどでお馴染みのユニマットグループが所蔵するものです。
普段は公開されていないというユニマットのラリックコレクション。
それらが、都内でまとめて公開される初めての機会です!
星星


さてさて、ラリックコレクションといえば、
ラリックの名を冠する箱根ラリック美術館にも、素晴らしいラリックコレクションがあります。
同じラリックコレクションなので、
なんとなく似たようなラインナップだろうと思っていたのですが。
コレクターが変われば、コレクションの内容は変わるもの。
箱根ラリック美術館とは、また違った印象のラリック作品を楽しむことが出来ました。
どっちかどうだと、具体的には形容しがたいのですが。
強いて言うならば、箱根ラリック美術館のラリック作品は全体的に、パキッと男性的な印象、
それに対して、ユニマットのほうは曲線美が際立つ作品が多く、どこか女性的な印象を受けました。

例えば、こちらの 《蝶》 という花瓶。




ボディの部分には、花があしらわれ、
その花の周りを蝶が飛びまわるユニークかつ優雅なデザインです。

また、例えば、こちらの 《オラン》 という花瓶。




ボテッと咲き誇るダリアの内側から、オレンジや青い光が放たれています。
中に照明が組み込まれているのかといえば、さにあらず。
見る角度や照明の当て方によって、
オレンジや青に色を美しく変化させるオパルセントの特性を最大限に引き出した作品です。


この他にも、ラリックの独自の感性が光る美しい作品が多々あったのですが。





時には、感性が暴走するのでしょうか、
「ちょっとやり過ぎなのでは?」 という作品も、少なからずありました。
個人的には、そっちの作風のが好みです。
「いいぞもっとやれ」 という感じでした。

例えば、ガラス工芸家に転向したばかりの頃の 《バッタ》 という花瓶。




バッタ、大きすぎ。
そして、多すぎ。
花を生けたところで、バッタに食い尽くされてしまいそう。
女性にプレゼントしたら、悲鳴をあげられることでしょう。


また、こちらも初期の作品。




一見すると、普通に美しいデカンタ瓶ですが、
そのタイトルを見ると、《シレーヌとカエル》 とありました。
えっ?カエル?どこに??




・・・・・うわぁ。
目が完全にイッちゃってます。
しかも、口からドバドバ何か出ています。
デカンタだけに、酒に酔って (以下、自粛)。


ちなみに、こちらのカーマスコットも、やりすぎな印象は否めませんでした。




デザインされているのは、《5頭の馬》 です。
1頭で十分な気がしますが、2頭でも3頭でもなく5頭。
このカーマスコットを装着したなら、
フェラーリの5倍速く走れるようになるのかもしれません。


そうそう、カーマスコットといえば、
今年2019年の干支である 《イノシシ》 をデザインしたものもありました。




直進で突っ走るイメージがあるだけに、
カーマスコットには、不向きなような気が・・・。
カーブを曲がれず、事故ってしまいそうな予感がプンプンします。


最後に、今回一番印象に残った作品 《モンモランシー》 をご紹介。




全体にボコボコしたものが付いている謎極まりない花瓶です。
一体、何を現わしているのでしょうか?
ホヤ??
もしくは、『北斗の拳』 の悪役が腕にハメてるヤツにしか見えません。




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