現在、そごう美術館で開催されているのは、
“高野山金剛峯寺 襖絵完成記念 千住博展” という展覧会。
これまでに数多くの展覧会を訪れてきましたが、
こんなにも沢山のお祝いの花が飾られている展覧会には、お目にかかったことがありません。
「テレホンショッキング」 状態でした。
と、これらのお祝いの花の数が、
人脈や実力、そして、人気を如実に証明している日本画家・千住博さん。
そんな千住博さんが、高野山金剛峯寺開創1200年を記念して、
大主殿の 「茶の間」 と 「囲炉裏の間」 に新作の襖絵を奉納することとなりました。
2015年から制作に取り組み、3年の歳月をかけて、昨年3月に障壁画44面が完成したとのこと。
今回の展覧会では、そんな完成仕立てホヤホヤの新作が、奉納に先駆けて紹介されています。
さてさて、高野山金剛峯寺に奉納される障壁画は、2つ。
一つは、千住さんの代名詞ともいえる滝をモチーフにした 《瀧図》 です。
《高野山金剛峯寺襖絵 瀧図》(部分) 2018年 高野山金剛峯寺所蔵
「いつものウォーターフォールと一緒じゃーん!」
と、思わずツッコんでしまった方もいらっしゃるかもしれませんが。
こちらの 《瀧図》 には、3年に及ぶ長い苦闘の中で編み出した新たな技法が使われているのです。
これまでの 「ウォーターフォール」 シリーズは、立てかけたキャンバスの上から、
胡粉 (貝殻から作られる白い顔料) を溶いた水を直接流すことで、滝を表現していましたが。
新作の 《瀧図》 は、まず先に水を流し、その後に胡粉を溶いた水を流したのだそうです。
そうすることで、より自然な水の流れが表現できたとのこと。
過去のシリーズには見られなかった “水流のうねり” も表現できるようになったとのことです。
聞いた限りでは、誰でも思い付きそうな気がしますが、これこそ、コロンブスの卵。
千住さんが画業40余年にして到達した新たなステージなのです。
ちなみに、「ウォーターフォール」 関連で、
2015年のヴェネツィア・ビエンナーレで特別展示された作品も紹介されています。
その名も、《龍神Ⅰ・Ⅱ》。
「いつものウォーターフォールと一緒じゃーん!」
と、再びツッコんでしまった方もいらっしゃるかもしれませんが。
こちらの 《龍神Ⅰ・Ⅱ》 にブラックライトを当てると・・・
光り輝くのです!
まるでホストクラブのように。
《龍神Ⅰ・Ⅱ》 というタイトルが、源氏名のように思えてきました。
・・・・・・・閑話休題。
続いて紹介するのは、もう一つの障壁画、《断崖図》 です。
《高野山金剛峯寺襖絵 断崖図》(部分) 2018年 高野山金剛峯寺所蔵
こちらは、千住博さんが、2009年より取り組んでいる 「崖(クリフ)」 シリーズの最新版。
「崖(クリフ)」 シリーズとは、和紙を手で揉んで皴を作り、
そこに岩絵の具を流し込むことで、紙の凹凸を岩肌のように表現するもの。
いわば、“平面の彫刻作品” です。
総延長17メートルにも及ぶ 《断崖図》 がズラリと並んだ様は、まさに圧巻。
実際に、目の前に断崖が立ち現れたかのような感覚に陥ります。
周囲をぐるりと崖に囲まれ、一瞬不安になったのですが、
靄の奥から、救いの存在が現れそうな予感がして、不思議と心が安らぎました。
靄の向こうから現れるのは、仏か神か空海か。
いや、断崖絶壁なので、戦隊ヒーローかもしれません。
ちなみに、昨年、還暦を迎えたという千住博さん。
それに合わせて、展覧会のラストでは、これまでの主要作品や初期の作品も紹介されています。
《朝に向かって》 1989年 軽井沢千住博美術館所蔵
「ウォーターフォール」 シリーズを観てから、
初期の作品を観ると、なんとも野暮ったい印象を受けました。
人物や鳥に生命力が感じられず、ベタッと貼り付けられた感じといいましょうか。
最新作を鑑賞した後だっただけに、より粗が目立ってしまっていました。
何もあえて初期の作品を展示しなくても。。。
千住さんも、水に流したかったのではなかろうか。
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“高野山金剛峯寺 襖絵完成記念 千住博展” という展覧会。
これまでに数多くの展覧会を訪れてきましたが、
こんなにも沢山のお祝いの花が飾られている展覧会には、お目にかかったことがありません。
「テレホンショッキング」 状態でした。
と、これらのお祝いの花の数が、
人脈や実力、そして、人気を如実に証明している日本画家・千住博さん。
そんな千住博さんが、高野山金剛峯寺開創1200年を記念して、
大主殿の 「茶の間」 と 「囲炉裏の間」 に新作の襖絵を奉納することとなりました。
2015年から制作に取り組み、3年の歳月をかけて、昨年3月に障壁画44面が完成したとのこと。
今回の展覧会では、そんな完成仕立てホヤホヤの新作が、奉納に先駆けて紹介されています。
さてさて、高野山金剛峯寺に奉納される障壁画は、2つ。
一つは、千住さんの代名詞ともいえる滝をモチーフにした 《瀧図》 です。
《高野山金剛峯寺襖絵 瀧図》(部分) 2018年 高野山金剛峯寺所蔵
「いつものウォーターフォールと一緒じゃーん!」
と、思わずツッコんでしまった方もいらっしゃるかもしれませんが。
こちらの 《瀧図》 には、3年に及ぶ長い苦闘の中で編み出した新たな技法が使われているのです。
これまでの 「ウォーターフォール」 シリーズは、立てかけたキャンバスの上から、
胡粉 (貝殻から作られる白い顔料) を溶いた水を直接流すことで、滝を表現していましたが。
新作の 《瀧図》 は、まず先に水を流し、その後に胡粉を溶いた水を流したのだそうです。
そうすることで、より自然な水の流れが表現できたとのこと。
過去のシリーズには見られなかった “水流のうねり” も表現できるようになったとのことです。
聞いた限りでは、誰でも思い付きそうな気がしますが、これこそ、コロンブスの卵。
千住さんが画業40余年にして到達した新たなステージなのです。
ちなみに、「ウォーターフォール」 関連で、
2015年のヴェネツィア・ビエンナーレで特別展示された作品も紹介されています。
その名も、《龍神Ⅰ・Ⅱ》。
「いつものウォーターフォールと一緒じゃーん!」
と、再びツッコんでしまった方もいらっしゃるかもしれませんが。
こちらの 《龍神Ⅰ・Ⅱ》 にブラックライトを当てると・・・
光り輝くのです!
まるでホストクラブのように。
《龍神Ⅰ・Ⅱ》 というタイトルが、源氏名のように思えてきました。
・・・・・・・閑話休題。
続いて紹介するのは、もう一つの障壁画、《断崖図》 です。
《高野山金剛峯寺襖絵 断崖図》(部分) 2018年 高野山金剛峯寺所蔵
こちらは、千住博さんが、2009年より取り組んでいる 「崖(クリフ)」 シリーズの最新版。
「崖(クリフ)」 シリーズとは、和紙を手で揉んで皴を作り、
そこに岩絵の具を流し込むことで、紙の凹凸を岩肌のように表現するもの。
いわば、“平面の彫刻作品” です。
総延長17メートルにも及ぶ 《断崖図》 がズラリと並んだ様は、まさに圧巻。
実際に、目の前に断崖が立ち現れたかのような感覚に陥ります。
周囲をぐるりと崖に囲まれ、一瞬不安になったのですが、
靄の奥から、救いの存在が現れそうな予感がして、不思議と心が安らぎました。
靄の向こうから現れるのは、仏か神か空海か。
いや、断崖絶壁なので、戦隊ヒーローかもしれません。
ちなみに、昨年、還暦を迎えたという千住博さん。
それに合わせて、展覧会のラストでは、これまでの主要作品や初期の作品も紹介されています。
《朝に向かって》 1989年 軽井沢千住博美術館所蔵
「ウォーターフォール」 シリーズを観てから、
初期の作品を観ると、なんとも野暮ったい印象を受けました。
人物や鳥に生命力が感じられず、ベタッと貼り付けられた感じといいましょうか。
最新作を鑑賞した後だっただけに、より粗が目立ってしまっていました。
何もあえて初期の作品を展示しなくても。。。
千住さんも、水に流したかったのではなかろうか。
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