現在、日本民藝館で開催されているのは、
“柳宗悦の「直観」 美を見いだす力” という展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
民芸品に、民芸店に、味の民芸に (←?)、
今でこそ、すっかり市民権を得ている 「民芸 (正しくは、民藝)」 。
その概念を発見し、命名したのが、日本民藝館の初代館長である柳宗悦 (1889~1961) です。
彼は、それまで見向きもされなかった生活の中の工芸品に ”美” を見出しました。
もちろん、生活の中の工芸品のすべてに ‟美” があるというわけではありません。
柳は日本各地を訪ね、膨大な量の工芸品に触れ、
それらの中から、「これは!」 と思ったものだけを蒐集したのだとか。
この 『「これは!」 と思う力』 が、展覧会タイトルにもある 「直観」 です。
今回の展覧会は、そんな柳の 「直観」 に焦点を当て、
柳が 「直観」 で集めた名品約280点を、館内のさまざまなスペースで紹介しています。
展覧会の一番の特徴は、普通の展覧会には必ずある ‟アレ” が無いこと。
そう、キャプションが無いのです。
名前もなければ、時代や産地の記載もありません。
何に使うものなのか。
どれくらい古いものなのか。
日本製なのか、外国製なのか。
すべてがノーヒントです。
「なんて不親切なんだ!」 と思われてた方もいらっしゃることでしょう。
かくいう自分も、キャプションが全く無いことに、最初は戸惑いを隠せませんでしたが。
人間というのは、それなりに環境に順応するもの。
無ければ無いなりに、徐々に楽しめるようになってきました。
さらに、しばらく経過し、その状況にすっかり慣れた頃、
自分の中で、ちょっとした変化が起きていることを自覚しました。
ファーストコンタクトでは、
まったく何とも思わなかったこの壺やロウソク立てを・・・
“あ、なんかイイ!” と感じられるようになっていたのです。
シンプルなのですが、佇まいが凛としているといいましょうか。
貫禄のようなものさえ感じられました。
また、同じくファーストコンタクトでは、
まったく何とも思わなかったこの何やらも・・・
“あ、なんかイイ!” と感じられるようになっていたのです。
素材的には実際は重みがあるのでしょうが、
ひょいっと持ち上げられそうな軽やかさが感じられるといいましょうか。
茶目っ気のようなものさえ感じられました。
おそらく、これらの “あ、なんかイイ!” という感覚を引き起こしているものこそが、美。
「見えるぞ私にも美が見える!」 と思わず叫びたくなりました。
キャプションがあれば、それがどういうものなのかは、おおむね理解することはできます。
しかし、理解することと、それそのものに潜む美を見出すことはまた別物。
キャプションは、僕らが作品を観て美しいと感じる方法は教えてくれないのです。
"直観" の力をアップさせるには、実践あるのみ。
自分で鍛えるしかないのです。
そのことに、キャプションを失ってみて初めて気が付きました。
そういう意味で、今回の展覧会は "直観" を鍛える絶好の機会。
直観力のフィットネスジムのようなものです。
直観力を鍛えれば、これからの芸術鑑賞にもプラスになるのはもちろん、
変な詐欺にも引っかからなくなるでしょうし、ステマにも騙されないでしょうし、
人をスペックや肩書しか見ないで痛い目にあうこともないでしょう。
人生全般において、きっと役立つであろう展覧会です。
ちなみに。
気づけば、日本民藝館を訪れてから、1時間ほどが経過。
柳が直観で集めた民藝の名品にどっぷり触れたおかげで、
普通の工業製品である消火器や火災報知器が目に飛び込んできた瞬間に、
“あ、なんか美しくない!” と感じてしまいました。
なんなんだ?この感情は。
人生で初めて経験する感覚でした。
直観力が鍛えられたことで、美に対する感度が高くなったようです。
なお、その効力は一時的なものではない模様。
この記事を書くために、日本民藝館で撮影した写真を見返していたところ、
普段だったらスルーしてしまうような部分に、「おや?!」 と目が止まりました。
こちらが、その写真☟
たまたま、アクリルパネルに映り込んだ自分の下半身が、
巧いこと、上半身しかない土偶と組み合わさっていました。(注:狙ったわけではありません)
バランスといい、フォルムといい、なんだか覆面レスラーのよう。
こんなところにも、"美=面白さ" を見出せるのは、直観さまさまです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
“柳宗悦の「直観」 美を見いだす力” という展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
民芸品に、民芸店に、味の民芸に (←?)、
今でこそ、すっかり市民権を得ている 「民芸 (正しくは、民藝)」 。
その概念を発見し、命名したのが、日本民藝館の初代館長である柳宗悦 (1889~1961) です。
彼は、それまで見向きもされなかった生活の中の工芸品に ”美” を見出しました。
もちろん、生活の中の工芸品のすべてに ‟美” があるというわけではありません。
柳は日本各地を訪ね、膨大な量の工芸品に触れ、
それらの中から、「これは!」 と思ったものだけを蒐集したのだとか。
この 『「これは!」 と思う力』 が、展覧会タイトルにもある 「直観」 です。
今回の展覧会は、そんな柳の 「直観」 に焦点を当て、
柳が 「直観」 で集めた名品約280点を、館内のさまざまなスペースで紹介しています。
展覧会の一番の特徴は、普通の展覧会には必ずある ‟アレ” が無いこと。
そう、キャプションが無いのです。
名前もなければ、時代や産地の記載もありません。
何に使うものなのか。
どれくらい古いものなのか。
日本製なのか、外国製なのか。
すべてがノーヒントです。
「なんて不親切なんだ!」 と思われてた方もいらっしゃることでしょう。
かくいう自分も、キャプションが全く無いことに、最初は戸惑いを隠せませんでしたが。
人間というのは、それなりに環境に順応するもの。
無ければ無いなりに、徐々に楽しめるようになってきました。
さらに、しばらく経過し、その状況にすっかり慣れた頃、
自分の中で、ちょっとした変化が起きていることを自覚しました。
ファーストコンタクトでは、
まったく何とも思わなかったこの壺やロウソク立てを・・・
“あ、なんかイイ!” と感じられるようになっていたのです。
シンプルなのですが、佇まいが凛としているといいましょうか。
貫禄のようなものさえ感じられました。
また、同じくファーストコンタクトでは、
まったく何とも思わなかったこの何やらも・・・
“あ、なんかイイ!” と感じられるようになっていたのです。
素材的には実際は重みがあるのでしょうが、
ひょいっと持ち上げられそうな軽やかさが感じられるといいましょうか。
茶目っ気のようなものさえ感じられました。
おそらく、これらの “あ、なんかイイ!” という感覚を引き起こしているものこそが、美。
「見えるぞ私にも美が見える!」 と思わず叫びたくなりました。
キャプションがあれば、それがどういうものなのかは、おおむね理解することはできます。
しかし、理解することと、それそのものに潜む美を見出すことはまた別物。
キャプションは、僕らが作品を観て美しいと感じる方法は教えてくれないのです。
"直観" の力をアップさせるには、実践あるのみ。
自分で鍛えるしかないのです。
そのことに、キャプションを失ってみて初めて気が付きました。
そういう意味で、今回の展覧会は "直観" を鍛える絶好の機会。
直観力のフィットネスジムのようなものです。
直観力を鍛えれば、これからの芸術鑑賞にもプラスになるのはもちろん、
変な詐欺にも引っかからなくなるでしょうし、ステマにも騙されないでしょうし、
人をスペックや肩書しか見ないで痛い目にあうこともないでしょう。
人生全般において、きっと役立つであろう展覧会です。
ちなみに。
気づけば、日本民藝館を訪れてから、1時間ほどが経過。
柳が直観で集めた民藝の名品にどっぷり触れたおかげで、
普通の工業製品である消火器や火災報知器が目に飛び込んできた瞬間に、
“あ、なんか美しくない!” と感じてしまいました。
なんなんだ?この感情は。
人生で初めて経験する感覚でした。
直観力が鍛えられたことで、美に対する感度が高くなったようです。
なお、その効力は一時的なものではない模様。
この記事を書くために、日本民藝館で撮影した写真を見返していたところ、
普段だったらスルーしてしまうような部分に、「おや?!」 と目が止まりました。
こちらが、その写真☟
たまたま、アクリルパネルに映り込んだ自分の下半身が、
巧いこと、上半身しかない土偶と組み合わさっていました。(注:狙ったわけではありません)
バランスといい、フォルムといい、なんだか覆面レスラーのよう。
こんなところにも、"美=面白さ" を見出せるのは、直観さまさまです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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