今、日本は、韓国ブームの真っ最中。
バブルの頃は、エスニックブーム。
戦後は、アメリカに憧れて…と、とかく海外文化に憧れる我が日本。
そんな海外大好きな国民性は、
16世紀半ばから17世紀初頭にも、いかんなく発揮されていました。
それは、空前の南蛮ブーム!
ポルトガルやスペインから、
いわゆる南蛮船が来航したのをきっかけに、
南蛮美術や南蛮文化が、日本で花開くことになったのです。
そんな南蛮美術にスポットを当てたのが、
サントリー美術館で開催中の “南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎”
《南蛮屏風》 が大集結していたり、
キリスト教関連の工芸品が、多数展示されていたり、
「これでもか!」 というくらいに南蛮美術を堪能できる展覧会でした。
ただ、南蛮美術は、どれを見ても、南蛮美術 (←?)
テイストが似たり寄ったりなので、
たくさん点数を見るものでもないなぁ…という気がしました (笑)
さてさて、今回の目玉作品は、何と言っても、こちら↓
サントリー美術館が誇るコレクションの一つで、
重要文化財にも指定されている 《泰西王侯騎馬図屏風》
戊辰戦争のとき、会津若松の鶴ヶ城から発見された屏風絵だそうです。
描かれているのは、左から、
ペルシア王、アビシニア王(エチオピア王)、フランス王アンリ4世、イギリス王。
それぞれの王様が乗馬しながらポーズを決めて、何だか、トレーディングカードのような屏風絵です。
明らかに西洋風に見える屏風絵なのに、
使われている画材は、実は、岩絵の具なのだとか。
いわゆる、 「西洋と日本の国際結婚や~!」 な美術作品です。
ちなみに、 《泰西王侯騎馬図屏風》 には、相方が。
こちらは、神戸市立博物館に所蔵されています。
今回の美術展で、久しぶりの対面。
8人の王様が並んだ姿は、圧巻です。
そして、もう一つの目玉は、教科書でお馴染みのあの一枚。
小学生男子が、教科書に落書きしたことがあるNo.1美術作品 《聖フランシスコ・ザヴィエル像》 です(とに~調べ)
これまで何度も目にしていただけに、
実物と対面できて、かなりテンションがアップ。
芸能人に街で出会った感覚です。
ザビエルを描いた絵の下に、
流暢な筆遣いで、日本語が描かれていたとは知りませんでした。
(何と書いてあるかは、僕には読めません)
教科書に載せる時は、トリミングされていたのでしょう。
教科書でお馴染みのものと言えば、こんなものも。
《踏み絵》 です。
かつて、多くの人々を苦しめたものが、
様々な美術品に交じって、美術館に展示されていることに、複雑な心境になりました。。。
踏んづけてやるっ!
最後に。
今回、たくさんの南蛮美術を観ていて、一つ気になったことが。
どうにも、心が落ち着かないのです。
心なしか、作品にバカにされているような気がするといいますか…。
しばらくして、その原因がわかりました!
どいつもこいつも、目が上向き。
描かれている人物の上目遣い率の高さたるや!
女の子の上目遣いはまだしも、
男子や、オッサンの上目遣いは、神経を逆なでさせる以外の何物でもない。
踏んづけてやるっ!
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南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎
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