大阪の “都心のオアシス” として人気のエリア・中之島。
そんな中の島の新たなランドマークとなっているのが、
高さ約200mを誇る中之島フェスティバルタワー・ウエストです。
その4階部分に、昨年オープンしたのが、中之島香雪美術館。
朝日新聞社の創業者である村山龍平 (1850~1933) が、
文化財保護のために収集した日本と東アジアの古美術コレクションを所蔵する美術館です。
ちなみに、館名にある 「香雪」 とは、村山龍平の雅号。
神戸に同名の香雪美術館がありますが、そちらは本館です。
香雪美術館の開館45周年を記念し、
朝日新聞創業の地である中之島に2番目の施設として開館したのが、中之島香雪美術館というわけです。
そんな中之島香雪美術館で特筆すべきは、
なんと館内に茶室がまるまる1棟建てられていること。
それも、路地付きで!
こちらは、香雪美術館の本館にある重要文化財の茶室 「玄庵」 を、
部材の一つ一つに至るまで徹底的にこだわって、伝統工法で忠実に再現したもの。
さらに、周囲の風景も、CGで完全再現。
春夏秋冬、朝昼晩と変化する映像が、茶室の周囲の壁に投影されています。
この空間に足を踏み入れた瞬間、
超高層ビルの中にいることを、すっかり忘れてしまったほどでした。
さてさて、この春、めでたく開館1周年を迎えた中之島香雪美術館で、
現在開催されているのが、美術館初となる特別展 ”明恵の夢と高山寺” です。
樹の上に絶妙なバランスで座っているのが、今展の主役である明恵。
国宝 《明恵上人樹上坐禅像》 鎌倉時代 13世紀 高山寺蔵 (注:展示は、4/16~5/6)
“あきえ” ではなく、“みょうえ”。
京都の高山寺を再興した鎌倉時代の僧侶です。
4歳の時には火箸を腕に当てたり、
24歳の時には仏道を極める決意を表すため右耳を切り落としたり。
エピソードには、事欠かない明恵ですが、
特に有名なのは、19歳の時から約40年にわたって夢を記録し続けたというエピソード。
夜に見た夢だけでなく、昼に見た夢や白昼夢なども、こと細かく記録したのだとか。
そんな明恵の 「夢記 (ゆめのき)」 は、当時から珍重され、
点数にして470点以上という膨大な数が現在まで伝わっているそうです。
その大多数は、夢記の一部を切り取って掛け軸に仕立てたものですが、
村山龍平が所蔵していた夢記は、まとまった形で伝存する数少ない貴重な夢記。
明恵 《夢記》 鎌倉時代 建仁4(1204)年頃 村山コレクション
春日明神の像を入手する夢といった普通の夢から、
頭髪が篠竹のように生える夢といったヘンテコな夢まで、さまざまな夢が記録されています。
一番気になったのは、仔犬を釣り針にかけて振り回してイジメるという夢。
一体、どんな願望の現れなのでしょうか??
展覧会では、この村山コレクションの 《夢記》 を中心に、
日本各地に所蔵される 《夢記》、夢記にまつわる絵画や資料などが紹介されています。
明恵の夢の世界に入り込む。
まるで 『インセプション』 のような展覧会です。
また、明恵の夢にまつわる作品だけでなく、
展覧会には、石山寺の至宝の数々も出展されています。
それらの中には、なんとあの作品も・・・・・
(注:会場は撮影禁止です。記事に使用している画像は、中之島香雪美術館さんより特別に提供して頂いたものです)
そう。国宝 《鳥獣戯画》 です!
国宝 《鳥獣戯画 甲巻》 平安時代 12世紀 高山寺蔵 (注:展示は、3/21~4/14)
展覧会のタイトルに、‟鳥獣戯画” の文字が無いからでしょうか。
2014年の京都国立博物館での “鳥獣戯画展” では、計150分待ち、
翌年の東京国立博物館での “鳥獣戯画展” では、計240分待ちで目にしたあの 《鳥獣戯画》 が・・・
まさかの0分待ちで観ることができました!
しかも、「立ち止まらず、ゆっくりと動きながらご覧ください」 なんてアナウンスもなし。
かぶりつきで、ゆったりと鑑賞することが出来ました。
・・・・・夢じゃないよね??
ほっぺたをつねってみましたが、ちゃんと現実でした。
《鳥獣戯画》 をたっぷりと堪能できる贅沢な展覧会です。
ただし、甲巻と乙巻が展示されるのは4月14日まで!
4月16日からの後期は、丙巻と丁巻が展示されるそうです。
ちなみに、あまりにもゆったり観られたので、《鳥獣戯画》 に関して新たな発見も。
国宝 《鳥獣戯画 乙巻》 平安時代 12世紀 高山寺蔵 (注:展示は、3/21~4/14)
乙巻には、喧嘩するサイみたいな生き物や虎の家族、
足と尾っぽが絡まる龍や、口から蝶を出す獅子なんかも描かれていたのですね。
甲巻の影に隠れて、そこまでスポットが当たらない乙巻ですが、
じっくり鑑賞してみると、魅力的なキャラクターが多数登場していました。
魅力的なキャラクターといえば、
《鳥獣戯画》 に次ぐ、高山寺の人気キャラ 《子犬》 も出展されています。
重要文化財 《子犬》 鎌倉時代 13世紀 石山寺蔵
丸みを帯びたフォルム。
ぴょこんと立った尻尾。
なんとも愛くるしいです。
ただ、じーっと見つめていたら、
なんとなく悲しげ、恨めしげな表情にも見えてきました。
もしかしたら、明恵の夢の中で釣り針でイジメられたのは、この子なのかもしれません。
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そんな中の島の新たなランドマークとなっているのが、
高さ約200mを誇る中之島フェスティバルタワー・ウエストです。
その4階部分に、昨年オープンしたのが、中之島香雪美術館。
朝日新聞社の創業者である村山龍平 (1850~1933) が、
文化財保護のために収集した日本と東アジアの古美術コレクションを所蔵する美術館です。
ちなみに、館名にある 「香雪」 とは、村山龍平の雅号。
神戸に同名の香雪美術館がありますが、そちらは本館です。
香雪美術館の開館45周年を記念し、
朝日新聞創業の地である中之島に2番目の施設として開館したのが、中之島香雪美術館というわけです。
そんな中之島香雪美術館で特筆すべきは、
なんと館内に茶室がまるまる1棟建てられていること。
それも、路地付きで!
こちらは、香雪美術館の本館にある重要文化財の茶室 「玄庵」 を、
部材の一つ一つに至るまで徹底的にこだわって、伝統工法で忠実に再現したもの。
さらに、周囲の風景も、CGで完全再現。
春夏秋冬、朝昼晩と変化する映像が、茶室の周囲の壁に投影されています。
この空間に足を踏み入れた瞬間、
超高層ビルの中にいることを、すっかり忘れてしまったほどでした。
さてさて、この春、めでたく開館1周年を迎えた中之島香雪美術館で、
現在開催されているのが、美術館初となる特別展 ”明恵の夢と高山寺” です。
樹の上に絶妙なバランスで座っているのが、今展の主役である明恵。
国宝 《明恵上人樹上坐禅像》 鎌倉時代 13世紀 高山寺蔵 (注:展示は、4/16~5/6)
“あきえ” ではなく、“みょうえ”。
京都の高山寺を再興した鎌倉時代の僧侶です。
4歳の時には火箸を腕に当てたり、
24歳の時には仏道を極める決意を表すため右耳を切り落としたり。
エピソードには、事欠かない明恵ですが、
特に有名なのは、19歳の時から約40年にわたって夢を記録し続けたというエピソード。
夜に見た夢だけでなく、昼に見た夢や白昼夢なども、こと細かく記録したのだとか。
そんな明恵の 「夢記 (ゆめのき)」 は、当時から珍重され、
点数にして470点以上という膨大な数が現在まで伝わっているそうです。
その大多数は、夢記の一部を切り取って掛け軸に仕立てたものですが、
村山龍平が所蔵していた夢記は、まとまった形で伝存する数少ない貴重な夢記。
明恵 《夢記》 鎌倉時代 建仁4(1204)年頃 村山コレクション
春日明神の像を入手する夢といった普通の夢から、
頭髪が篠竹のように生える夢といったヘンテコな夢まで、さまざまな夢が記録されています。
一番気になったのは、仔犬を釣り針にかけて振り回してイジメるという夢。
一体、どんな願望の現れなのでしょうか??
展覧会では、この村山コレクションの 《夢記》 を中心に、
日本各地に所蔵される 《夢記》、夢記にまつわる絵画や資料などが紹介されています。
明恵の夢の世界に入り込む。
まるで 『インセプション』 のような展覧会です。
また、明恵の夢にまつわる作品だけでなく、
展覧会には、石山寺の至宝の数々も出展されています。
それらの中には、なんとあの作品も・・・・・
(注:会場は撮影禁止です。記事に使用している画像は、中之島香雪美術館さんより特別に提供して頂いたものです)
そう。国宝 《鳥獣戯画》 です!
国宝 《鳥獣戯画 甲巻》 平安時代 12世紀 高山寺蔵 (注:展示は、3/21~4/14)
展覧会のタイトルに、‟鳥獣戯画” の文字が無いからでしょうか。
2014年の京都国立博物館での “鳥獣戯画展” では、計150分待ち、
翌年の東京国立博物館での “鳥獣戯画展” では、計240分待ちで目にしたあの 《鳥獣戯画》 が・・・
まさかの0分待ちで観ることができました!
しかも、「立ち止まらず、ゆっくりと動きながらご覧ください」 なんてアナウンスもなし。
かぶりつきで、ゆったりと鑑賞することが出来ました。
・・・・・夢じゃないよね??
ほっぺたをつねってみましたが、ちゃんと現実でした。
《鳥獣戯画》 をたっぷりと堪能できる贅沢な展覧会です。
ただし、甲巻と乙巻が展示されるのは4月14日まで!
4月16日からの後期は、丙巻と丁巻が展示されるそうです。
ちなみに、あまりにもゆったり観られたので、《鳥獣戯画》 に関して新たな発見も。
国宝 《鳥獣戯画 乙巻》 平安時代 12世紀 高山寺蔵 (注:展示は、3/21~4/14)
乙巻には、喧嘩するサイみたいな生き物や虎の家族、
足と尾っぽが絡まる龍や、口から蝶を出す獅子なんかも描かれていたのですね。
甲巻の影に隠れて、そこまでスポットが当たらない乙巻ですが、
じっくり鑑賞してみると、魅力的なキャラクターが多数登場していました。
魅力的なキャラクターといえば、
《鳥獣戯画》 に次ぐ、高山寺の人気キャラ 《子犬》 も出展されています。
重要文化財 《子犬》 鎌倉時代 13世紀 石山寺蔵
丸みを帯びたフォルム。
ぴょこんと立った尻尾。
なんとも愛くるしいです。
ただ、じーっと見つめていたら、
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