現在、千葉市美術館で開催されているのは、
"メアリー・エインズワース浮世絵コレクション -初期浮世絵から北斎・広重まで" という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
こちらは、知る人ぞ知るアメリカ人女性浮世絵コレクター、
メアリー・エインズワースが母校に寄贈した1500点以上の浮世絵コレクションの中から、
選りすぐられた200点が、初里帰りを果たす展覧会です。
ちなみに、彼女の母校の名は、オーバリン大学。
「ん?なんとなく似たような名前の大学が日本にあるような・・・」
と思ったら、やはり桜美林大学の名は、
創立者がオーバリン大学の卒業生であることに由来するそうです。
・・・・・・と、それはさておきまして。
美人画の名手・喜多川歌麿に、
謎の浮世絵師・東洲斎写楽に、
ご存じ葛飾北斎に、
そして、エインズワースが一番お気に入りだった歌川広重に、
さらに、鈴木春信に鳥居清長に歌川国芳に渓斎英泉に、
有名どころ、人気どころはバッチリと抑えているエインズワース浮世絵コレクション。
くわえて、まだモノクロだった頃の墨摺絵や、
1枚1枚筆で彩色していた頃の丹絵や紅絵といった・・・
現存数の少ない貴重な初期浮世絵が充実しているのも、
エインズワース浮世絵コレクションの大きな特徴の一つです。
ちなみに、
画面右の奥村政信の 《羽根突きをする美人》 は、
現時点で、この1点しか存在が確認されていない超希少な浮世絵作品なのだそう。
まさに、"激レアさんを連れてきた" といったところです。
さてさて、人気作も多く含まれていて、
そのうえ、貴重な作品も充実しているにも関わらず。
これまで、アメリカ本国でさえ、
エインズワース浮世絵コレクションが公開されることは、ほとんどなかったのだそうです。
それはすなわち、保存状態が良好ということ!
エインズワースは、周囲の白い部分はお気に召さなかったのでしょうか、
ほとんどの浮世絵の枠が、容赦なく、ばっさりとカットされていましたが。
肝心の絵の部分は、無傷。
ほぼ当時のままの鮮やかな色彩が保たれていました。
浮世絵ファンならずとも、是非抑えておきたい展覧会。
「でも、千葉市は遠くて・・・」 と躊躇している皆さま、
来日中のこの機会を逃すと、あとはオハイオ州まで足を運ばねばなりませんよ。
なお、今回出展されていた浮世絵の中で、
個人的にもっとも印象に残ったのは、西村重信の 《釈迦涅槃図》。
涅槃図そのものは、あまり珍しくないですが。
浮世絵の涅槃図は、初めて目にしました。
さて、こちらの涅槃図。
お釈迦様の入滅の様子を描いた絵であるのに、
絵のタッチは、実にのほほんとしており、全体的にゆるい空気が流れています。
悲しみが、これっぽっちも伝わってきません (笑)
誰とは言いませんが、むしろ笑みを浮かべているヤツさえいます。
カメラ目線を決め込んでるヤツもいます。
これでは、お釈迦様も浮かばれますまい。
ちなみに、現在、千葉市美術館では、
"ピーター・ドラッカー・コレクション水墨画名品展" が同時開催されています。
("メアリー・エインズワース浮世絵コレクション" のチケットで鑑賞できます!)
こちらは、あの懐かしのベストセラー・・・
通称、『もしどら』 でお馴染みのマネジメントの父、
ピーター・F・ドラッカーの日本美術コレクションのうち約50点を公開する展覧会です。
実は、2015年に一度、千葉市美術館で、
ドラッカー日本美術コレクション展が開催されていますが。
その後、とある日本の企業が、そのコレクションを取得。
そして、それらをまとめて、千葉市美術館に寄託したのだとか。
今回の展覧会は、そのお披露目を兼ねて開催されたものなのだそうです。
ドラッカー日本美術コレクションの中核をなすのは、
室町時代の水墨山水画と、全体的にはやや渋めの作品が多いですが。
中には、伊東若冲や曽我蕭白といった奇想の系譜の絵師たちの作品も。
さらには、仙厓のゆるい禅画もコレクションに彩りを添えています。
↑こちらは、《蛙図》。
蛙の目線の先に描かれているのは、ミミズだそうです。
完全に干からびているような。。。
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"メアリー・エインズワース浮世絵コレクション -初期浮世絵から北斎・広重まで" という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
こちらは、知る人ぞ知るアメリカ人女性浮世絵コレクター、
メアリー・エインズワースが母校に寄贈した1500点以上の浮世絵コレクションの中から、
選りすぐられた200点が、初里帰りを果たす展覧会です。
ちなみに、彼女の母校の名は、オーバリン大学。
「ん?なんとなく似たような名前の大学が日本にあるような・・・」
と思ったら、やはり桜美林大学の名は、
創立者がオーバリン大学の卒業生であることに由来するそうです。
・・・・・・と、それはさておきまして。
美人画の名手・喜多川歌麿に、
謎の浮世絵師・東洲斎写楽に、
ご存じ葛飾北斎に、
そして、エインズワースが一番お気に入りだった歌川広重に、
さらに、鈴木春信に鳥居清長に歌川国芳に渓斎英泉に、
有名どころ、人気どころはバッチリと抑えているエインズワース浮世絵コレクション。
くわえて、まだモノクロだった頃の墨摺絵や、
1枚1枚筆で彩色していた頃の丹絵や紅絵といった・・・
現存数の少ない貴重な初期浮世絵が充実しているのも、
エインズワース浮世絵コレクションの大きな特徴の一つです。
ちなみに、
画面右の奥村政信の 《羽根突きをする美人》 は、
現時点で、この1点しか存在が確認されていない超希少な浮世絵作品なのだそう。
まさに、"激レアさんを連れてきた" といったところです。
さてさて、人気作も多く含まれていて、
そのうえ、貴重な作品も充実しているにも関わらず。
これまで、アメリカ本国でさえ、
エインズワース浮世絵コレクションが公開されることは、ほとんどなかったのだそうです。
それはすなわち、保存状態が良好ということ!
エインズワースは、周囲の白い部分はお気に召さなかったのでしょうか、
ほとんどの浮世絵の枠が、容赦なく、ばっさりとカットされていましたが。
肝心の絵の部分は、無傷。
ほぼ当時のままの鮮やかな色彩が保たれていました。
浮世絵ファンならずとも、是非抑えておきたい展覧会。
「でも、千葉市は遠くて・・・」 と躊躇している皆さま、
来日中のこの機会を逃すと、あとはオハイオ州まで足を運ばねばなりませんよ。
なお、今回出展されていた浮世絵の中で、
個人的にもっとも印象に残ったのは、西村重信の 《釈迦涅槃図》。
涅槃図そのものは、あまり珍しくないですが。
浮世絵の涅槃図は、初めて目にしました。
さて、こちらの涅槃図。
お釈迦様の入滅の様子を描いた絵であるのに、
絵のタッチは、実にのほほんとしており、全体的にゆるい空気が流れています。
悲しみが、これっぽっちも伝わってきません (笑)
誰とは言いませんが、むしろ笑みを浮かべているヤツさえいます。
カメラ目線を決め込んでるヤツもいます。
これでは、お釈迦様も浮かばれますまい。
ちなみに、現在、千葉市美術館では、
"ピーター・ドラッカー・コレクション水墨画名品展" が同時開催されています。
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こちらは、あの懐かしのベストセラー・・・
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通称、『もしどら』 でお馴染みのマネジメントの父、
ピーター・F・ドラッカーの日本美術コレクションのうち約50点を公開する展覧会です。
実は、2015年に一度、千葉市美術館で、
ドラッカー日本美術コレクション展が開催されていますが。
その後、とある日本の企業が、そのコレクションを取得。
そして、それらをまとめて、千葉市美術館に寄託したのだとか。
今回の展覧会は、そのお披露目を兼ねて開催されたものなのだそうです。
ドラッカー日本美術コレクションの中核をなすのは、
室町時代の水墨山水画と、全体的にはやや渋めの作品が多いですが。
中には、伊東若冲や曽我蕭白といった奇想の系譜の絵師たちの作品も。
さらには、仙厓のゆるい禅画もコレクションに彩りを添えています。
↑こちらは、《蛙図》。
蛙の目線の先に描かれているのは、ミミズだそうです。
完全に干からびているような。。。
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