2000年に大阪市立美術館で開催され、
入場者数60万人を記録した “フェルメールとその時代展” 。
それが、記念すべき日本初のフェルメール展です。
もし、この展覧会がヒットしていなかったら、
今の日本でのフェルメールブームは無かったかもしれません。
そんな日本におけるフェルメールブーム発祥の地・大阪市立美術館で、
実に19年ぶりとなる “フェルメール展” が、5月12日まで開催されています。
"フェルメールとその時代展” に出展されたフェルメール作品数は、5点でしたが。
今回の展覧会では、それを上回る6点が出展されています!
大阪・・・いや、西日本でも過去最大級となる出展数です。
とは言え、先日まで東京で開催されていた “フェルメール展” の出展数は、9点。
その中には代表作の一つである 《牛乳を注ぐ女》 も含まれていました。
それと比べてしまうと、大阪会場は、ややパンチに欠けているような。。。
いやいや、しかし、大阪だって負けてはいません!
東京会場ではラスト1ヶ月でしか展示されなかった・・・
ヨハネス・フェルメール 《取り持ち女》 1656年 油彩・カンヴァス 143×130cm ドレスデン国立古典絵画館
bpk / Staatliche Kunstsammlungen Dresden / Herbert Boswank / distributed by AMF
フェルメールの門外不出の作品 《取り持ち女》 が、
大阪会場では、なんと会期中ずっと出展されています!
しかも、東京会場と比べて、なんと入場料が900円もお得です!
東京会場を見逃してしまった方はもちろんのこと、
すでに東京会場を鑑賞して満足されている方にも、是非、大阪会場をオススメしたい!
“そうはいっても・・・大阪は遠いからなァ・・・”
と躊躇している関東圏の皆さま、大阪会場ならではの魅力は他にもあるのです。
まず何と言っても、大阪会場限定の 《恋文》 が出展されています。
ヨハネス・フェルメール 《恋文》 1669-1670年頃 油彩・カンヴァス 44×38.5cm アムステルダム国立美術館
Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1893
こちらは、フェルメール全35点の作品のなかで、
もっともサスペンスフルな1点というべき作品です。
手紙を受け取った女性とその使用人の様子が、
まるで隣の部屋から覗き込むかのように描かれています。
緊張感が漂い、どことなくヒッチコック映画を彷彿とさせるものがあります。
タイトルこそ、《恋文》 と、キュンと甘酸っぱい印象ですが、女性が浮かべているのは不安げな表情。
もしかしたら、手紙でいきなり別れを告げられたのかもしれません。
いや、もっと想像力をたくましくすれば、
女性を一途に思うストーカーからの恋文ということも考えられます。
「・・・・・これ、誰からの手紙なのかしら?」
おそるおそる手紙の封を切ると、そこには、
『いつもリュートを弾く貴女を見ています』
の一文が。
自分で想像して、なんだかゾッとしてきました。
・・・・・と、それはさておきまして。
大阪会場をオススメするもう一つの理由は、会場の雰囲気作り、演出の巧みさです。
(注:会場は撮影禁止です。記事に使用している画像は、「フェルメール展」PR事務局より特別に提供して頂いたものです)
東京会場ももちろん素敵だったのですが、
大阪会場と比べてしまうと、その差は歴然!
同じ展示品でも、会場の雰囲気や演出でここまで違った印象になるのかと驚かされました。
特に実感させられたのが、フェルメール以外の作家の作品の展示の仕方。
東京会場では、メインであるフェルメールルームを引き立てるための、
まるで前座のような扱いで、フェルメール以外の作家を、その他大勢な感じで紹介していましたが。
大阪会場では、1点1点のキャラを立てるように、
まさにバイプレーヤー的な扱いで、フェルメール以外の作家を紹介しています。
そのため、フェルメール以外の作家もそれぞれ、しっかりと輝きを放っていました。
特に印象的だったのは、ヘラルト・ダウの 《本を読む老女》。
(東京会場で何度も目にしたはずなのに、記憶にほとんど無い・・・w)
ヘラルト・ダウ 《本を読む老女》 1631-1632年頃 油彩・板 71.2×55.2cm アムステルダム国立美術
Rijksmuseum. A.H. Hoekwater Bequest, The Hague, 1912
何より目を惹かれたのは、老女の手の甲。
年月を積み重ねてきたであろう皴のリアルさに、思わず見入ってしまいました。
出来ることなら、ニベアをプレゼントしてあげたい。
本を読むのも辛そうなので、ハズキルーペもプレゼントしてあげたいです。
それから、ヤン・ステーンの 《家族の情景》 も印象的な一枚。
(こちらも東京会場で何度も目にしたはずなのに・・・)
ヤン・ステーン 《家族の情景》 1665-1675年頃 油彩・板 48.5×40cm アムステルダム国立美術館
Rijksmuseum. On loan from the City of Amsterdam (A. van der Hoop Bequest)
描かれているのは、とある家族。
空のワイングラスを手に、お代わりを要求するヤツもいれば、
背もたれに思いっきりもたれ掛かるヤツ、股を拡げて煙草を吹かすヤツも。
家族全員、柄が悪いです。
そんなヤンキー家系に生まれた子供は、
テーブルの上に靴で立ち、早くもその片鱗を見せつけています。
最後に。
もう一つご紹介したいのが、ヨブ・ベルクヘイデの 《パン屋でレースを編む女》。
(注:画像はありません。あしからず。是非、会場でご覧ください!)
ヨブ・ベルクヘイデという画家は初めて知りましたが、
なんでもパン屋を多く描いた画家として知られているそうです。
しかし、彼が描くその肝心のパンは・・・・・全く美味しくなさそう!
どんな勝算があって、「パン屋の画家」 を自分の売りにしていこうと思ったのか。
その自信の根拠を教えて欲しいものです。
┃会期:2019年2月16日(土)~5月12日(日)
┃会場:大阪市立美術館
┃https://vermeer.osaka.jp
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入場者数60万人を記録した “フェルメールとその時代展” 。
それが、記念すべき日本初のフェルメール展です。
もし、この展覧会がヒットしていなかったら、
今の日本でのフェルメールブームは無かったかもしれません。
そんな日本におけるフェルメールブーム発祥の地・大阪市立美術館で、
実に19年ぶりとなる “フェルメール展” が、5月12日まで開催されています。
"フェルメールとその時代展” に出展されたフェルメール作品数は、5点でしたが。
今回の展覧会では、それを上回る6点が出展されています!
大阪・・・いや、西日本でも過去最大級となる出展数です。
とは言え、先日まで東京で開催されていた “フェルメール展” の出展数は、9点。
その中には代表作の一つである 《牛乳を注ぐ女》 も含まれていました。
それと比べてしまうと、大阪会場は、ややパンチに欠けているような。。。
いやいや、しかし、大阪だって負けてはいません!
東京会場ではラスト1ヶ月でしか展示されなかった・・・
ヨハネス・フェルメール 《取り持ち女》 1656年 油彩・カンヴァス 143×130cm ドレスデン国立古典絵画館
bpk / Staatliche Kunstsammlungen Dresden / Herbert Boswank / distributed by AMF
フェルメールの門外不出の作品 《取り持ち女》 が、
大阪会場では、なんと会期中ずっと出展されています!
しかも、東京会場と比べて、なんと入場料が900円もお得です!
東京会場を見逃してしまった方はもちろんのこと、
すでに東京会場を鑑賞して満足されている方にも、是非、大阪会場をオススメしたい!
“そうはいっても・・・大阪は遠いからなァ・・・”
と躊躇している関東圏の皆さま、大阪会場ならではの魅力は他にもあるのです。
まず何と言っても、大阪会場限定の 《恋文》 が出展されています。
ヨハネス・フェルメール 《恋文》 1669-1670年頃 油彩・カンヴァス 44×38.5cm アムステルダム国立美術館
Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1893
こちらは、フェルメール全35点の作品のなかで、
もっともサスペンスフルな1点というべき作品です。
手紙を受け取った女性とその使用人の様子が、
まるで隣の部屋から覗き込むかのように描かれています。
緊張感が漂い、どことなくヒッチコック映画を彷彿とさせるものがあります。
タイトルこそ、《恋文》 と、キュンと甘酸っぱい印象ですが、女性が浮かべているのは不安げな表情。
もしかしたら、手紙でいきなり別れを告げられたのかもしれません。
いや、もっと想像力をたくましくすれば、
女性を一途に思うストーカーからの恋文ということも考えられます。
「・・・・・これ、誰からの手紙なのかしら?」
おそるおそる手紙の封を切ると、そこには、
『いつもリュートを弾く貴女を見ています』
の一文が。
自分で想像して、なんだかゾッとしてきました。
・・・・・と、それはさておきまして。
大阪会場をオススメするもう一つの理由は、会場の雰囲気作り、演出の巧みさです。
(注:会場は撮影禁止です。記事に使用している画像は、「フェルメール展」PR事務局より特別に提供して頂いたものです)
東京会場ももちろん素敵だったのですが、
大阪会場と比べてしまうと、その差は歴然!
同じ展示品でも、会場の雰囲気や演出でここまで違った印象になるのかと驚かされました。
特に実感させられたのが、フェルメール以外の作家の作品の展示の仕方。
東京会場では、メインであるフェルメールルームを引き立てるための、
まるで前座のような扱いで、フェルメール以外の作家を、その他大勢な感じで紹介していましたが。
大阪会場では、1点1点のキャラを立てるように、
まさにバイプレーヤー的な扱いで、フェルメール以外の作家を紹介しています。
そのため、フェルメール以外の作家もそれぞれ、しっかりと輝きを放っていました。
特に印象的だったのは、ヘラルト・ダウの 《本を読む老女》。
(東京会場で何度も目にしたはずなのに、記憶にほとんど無い・・・w)
ヘラルト・ダウ 《本を読む老女》 1631-1632年頃 油彩・板 71.2×55.2cm アムステルダム国立美術
Rijksmuseum. A.H. Hoekwater Bequest, The Hague, 1912
何より目を惹かれたのは、老女の手の甲。
年月を積み重ねてきたであろう皴のリアルさに、思わず見入ってしまいました。
出来ることなら、ニベアをプレゼントしてあげたい。
本を読むのも辛そうなので、ハズキルーペもプレゼントしてあげたいです。
それから、ヤン・ステーンの 《家族の情景》 も印象的な一枚。
(こちらも東京会場で何度も目にしたはずなのに・・・)
ヤン・ステーン 《家族の情景》 1665-1675年頃 油彩・板 48.5×40cm アムステルダム国立美術館
Rijksmuseum. On loan from the City of Amsterdam (A. van der Hoop Bequest)
描かれているのは、とある家族。
空のワイングラスを手に、お代わりを要求するヤツもいれば、
背もたれに思いっきりもたれ掛かるヤツ、股を拡げて煙草を吹かすヤツも。
家族全員、柄が悪いです。
そんなヤンキー家系に生まれた子供は、
テーブルの上に靴で立ち、早くもその片鱗を見せつけています。
最後に。
もう一つご紹介したいのが、ヨブ・ベルクヘイデの 《パン屋でレースを編む女》。
(注:画像はありません。あしからず。是非、会場でご覧ください!)
ヨブ・ベルクヘイデという画家は初めて知りましたが、
なんでもパン屋を多く描いた画家として知られているそうです。
しかし、彼が描くその肝心のパンは・・・・・全く美味しくなさそう!
どんな勝算があって、「パン屋の画家」 を自分の売りにしていこうと思ったのか。
その自信の根拠を教えて欲しいものです。
┃会期:2019年2月16日(土)~5月12日(日)
┃会場:大阪市立美術館
┃https://vermeer.osaka.jp
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