不染鉄に、横山華山に、吉村芳生に・・・etc
東京ステーションギャラリーでの展覧会を契機に、
注目を集めたアーティストは数多く存在しています。
そんな年始年末特番の 『おもしろ荘』 ばりに、
ブレイクアーティストを何人も輩出してきた東京ステーションギャラリーが、
今年の春に猛プッシュするのが、フィンランドのセラミックアーティスト、ルート・ブリュックです。
ルート・ブリュック|Rut Bryk Photo: Tapio Wirkkala
日本での知名度は、ほとんど0に近いかもしれないですが。
本国フィンランドでは、国民的なアーティスト。
フィンランドを代表する名窯・アラビア製陶所の専属作家として、
オリジナリティ溢れる作風で、約50年にわたって第一線で活躍し続けた人物です。
そんな彼女のセラミック作品を中心に約200点を一挙公開するのが、“ルート・ブリュック 蝶の軌跡” 。
日本初となる本格的なルート・ブリュックの大回顧展です。
初期の作品から晩年の作品へ。
展覧会は、基本的に時系列に沿って作品が紹介されています。
質感がマッドな初期の頃は・・・
シャガールとさくらももこを併せたような作風で、
そこまで強烈な個性は、感じられなかったのですが。
石膏に絵を彫って型を作り、そこに泥漿 (スライム) を流し込み、釉薬を厚く施す。
そんな新たな技法に辿り着いてから、オリジナリティが開花!
他の誰にも似ていないルート・ブリュックワールドを確立していました。
質感や色彩といった見た目も個性的なら、作品の世界観も個性的。
まるで1冊の絵本をギュッと凝縮して焼き固め、その世界観を中に閉じ込めたかのような。
不思議な味わいがあります。
例えば、こちらは代表作の 《ライオンに化けたロバ》。
《ライオンに化けたロバ》 1957年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵
Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art
©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531
イソップ童話の1篇をモチーフにしているそうですが。
たてがみの表現といい、ライオンのほっぺにある星マークといい、足元に咲くユーモラスな花といい。
どれもこれもが、独創性に満ち満ちています。
ライオンはうさぎを捕まえるのにも全力を出すといいますが、まさにそれ。
ルート・ブリュックは、一つの作品の隅から隅まで、オリジナリティの手を抜きません。
ちなみに、こちらのライオンのモデルは、彼女の夫で、
フィンランドデザインの巨匠としても知られるタピオ・ヴィルカラという説も。
なお、ヴィルカラは作家ルート・ブリュックの大ファンでもあり、
実の夫ながらも、彼女の作品が散逸しないよう、自ら購入してコレクションしていたのだそうです。
彼女の作品で個人的に目を惹いたのは、鳥や建物をモチーフにしたものでしたが。
ルート・ブリュックが、その生涯で多くモチーフにしたのは・・・
《蝶たち》 1957年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵
Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art
©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531
今回の展覧会のタイトル名にも使われている "蝶" なのだそう。
蝶の研究者であった実の父の死後、蝶シリーズに着手したそうです。
質感や色彩は他の作品と同様、やはり独創的ですが、
蝶の羽の文様に限っては、実際のものに忠実なのだとか。
それゆえ、カラフルな小箱に、本物の蝶が止まっているかのような。
まるで蝶の夢を見ているような印象を受けました。
さてさて、そんなファンタジックな作風ですが、
ルート・ブリュックの後半生では、ガラッと変化します。
六角形を組み合わせた作品や、
四角形や立方体を組み合わせた作品など、
幾何学的な形を組み合わせた抽象的な作風へとシフト。
前半生によく登場していた鳥や蝶は、どこかに飛んでいってしまったようです。
また、晩年近くには、一つの都市を連想させるような作品を制作しています。
若き日は建築家を目指していたという彼女。
もしかしたら、その原点回帰なのかもしれませんね。
フィンランドの女性アーティストは、
『ムーミン』 の生みの親トーベ・ヤンソンだけにあらず。
この展覧会を機に、ルート・ブリュックの日本での知名度が上がることは間違いなし!
美術ファンなら抑えておくべき展覧会です。
ちなみに、会場は基本的に写真撮影OK!
作品にフォーカスするのもいいですが、
東京駅創建当時のレンガ壁と併せて撮ると、より一層映えますよ。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
東京ステーションギャラリーでの展覧会を契機に、
注目を集めたアーティストは数多く存在しています。
そんな年始年末特番の 『おもしろ荘』 ばりに、
ブレイクアーティストを何人も輩出してきた東京ステーションギャラリーが、
今年の春に猛プッシュするのが、フィンランドのセラミックアーティスト、ルート・ブリュックです。
ルート・ブリュック|Rut Bryk Photo: Tapio Wirkkala
日本での知名度は、ほとんど0に近いかもしれないですが。
本国フィンランドでは、国民的なアーティスト。
フィンランドを代表する名窯・アラビア製陶所の専属作家として、
オリジナリティ溢れる作風で、約50年にわたって第一線で活躍し続けた人物です。
そんな彼女のセラミック作品を中心に約200点を一挙公開するのが、“ルート・ブリュック 蝶の軌跡” 。
日本初となる本格的なルート・ブリュックの大回顧展です。
初期の作品から晩年の作品へ。
展覧会は、基本的に時系列に沿って作品が紹介されています。
質感がマッドな初期の頃は・・・
シャガールとさくらももこを併せたような作風で、
そこまで強烈な個性は、感じられなかったのですが。
石膏に絵を彫って型を作り、そこに泥漿 (スライム) を流し込み、釉薬を厚く施す。
そんな新たな技法に辿り着いてから、オリジナリティが開花!
他の誰にも似ていないルート・ブリュックワールドを確立していました。
質感や色彩といった見た目も個性的なら、作品の世界観も個性的。
まるで1冊の絵本をギュッと凝縮して焼き固め、その世界観を中に閉じ込めたかのような。
不思議な味わいがあります。
例えば、こちらは代表作の 《ライオンに化けたロバ》。
《ライオンに化けたロバ》 1957年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵
Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art
©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531
イソップ童話の1篇をモチーフにしているそうですが。
たてがみの表現といい、ライオンのほっぺにある星マークといい、足元に咲くユーモラスな花といい。
どれもこれもが、独創性に満ち満ちています。
ライオンはうさぎを捕まえるのにも全力を出すといいますが、まさにそれ。
ルート・ブリュックは、一つの作品の隅から隅まで、オリジナリティの手を抜きません。
ちなみに、こちらのライオンのモデルは、彼女の夫で、
フィンランドデザインの巨匠としても知られるタピオ・ヴィルカラという説も。
なお、ヴィルカラは作家ルート・ブリュックの大ファンでもあり、
実の夫ながらも、彼女の作品が散逸しないよう、自ら購入してコレクションしていたのだそうです。
彼女の作品で個人的に目を惹いたのは、鳥や建物をモチーフにしたものでしたが。
ルート・ブリュックが、その生涯で多くモチーフにしたのは・・・
《蝶たち》 1957年、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵
Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation’s Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art
©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2531
今回の展覧会のタイトル名にも使われている "蝶" なのだそう。
蝶の研究者であった実の父の死後、蝶シリーズに着手したそうです。
質感や色彩は他の作品と同様、やはり独創的ですが、
蝶の羽の文様に限っては、実際のものに忠実なのだとか。
それゆえ、カラフルな小箱に、本物の蝶が止まっているかのような。
まるで蝶の夢を見ているような印象を受けました。
さてさて、そんなファンタジックな作風ですが、
ルート・ブリュックの後半生では、ガラッと変化します。
六角形を組み合わせた作品や、
四角形や立方体を組み合わせた作品など、
幾何学的な形を組み合わせた抽象的な作風へとシフト。
前半生によく登場していた鳥や蝶は、どこかに飛んでいってしまったようです。
また、晩年近くには、一つの都市を連想させるような作品を制作しています。
若き日は建築家を目指していたという彼女。
もしかしたら、その原点回帰なのかもしれませんね。
フィンランドの女性アーティストは、
『ムーミン』 の生みの親トーベ・ヤンソンだけにあらず。
この展覧会を機に、ルート・ブリュックの日本での知名度が上がることは間違いなし!
美術ファンなら抑えておくべき展覧会です。
ちなみに、会場は基本的に写真撮影OK!
作品にフォーカスするのもいいですが、
東京駅創建当時のレンガ壁と併せて撮ると、より一層映えますよ。
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