皇室ゆかりの優品や、国宝・重要文化財をはじめとする日本の美を広く国内外へ、
さらに未来へ紡ぐために、文化庁、宮内庁、読売新聞社が協力して進めていくプロジェクト。
それが、紡ぐプロジェクト。
文化財や美術品の公開を通じて得た収益の一部を修理の費用に充てることで、
貴重な文化財や美術品を、後世に紡いでいこうというプロジェクトなのだそうです。
その一環として、先月まで東京国立博物館で開催されていたのが、
“特別展 御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」” でした。
そして、現在、同じく紡ぐプロジェクトの一環としてトーハクで開催されているのが、
“特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」” です。
東京国立博物館、文化庁、そして、宮内庁三の丸尚蔵館。
それぞれが所蔵する国宝や重要文化財、
またはそれに匹敵する選りすぐりの名品が一堂に会する展覧会です。
切手の図案でもお馴染み、雪舟の国宝 《秋冬山水図》 や、
国宝 雪舟等楊筆 《秋冬山水図》(冬景) 室町時代・15 世紀末~16世紀初 東京国立博物館蔵
狩野派随一の天才と称された狩野永徳、その最晩年の作である国宝 《檜図屏風》 を筆頭に、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
尾形光琳や野々村仁清、長沢芦雪、葛飾北斎といった日本美術界のレジェンドの作品が勢ぞろい!
まさに、令和のスタートに相応しい豪華な日本美術展です。
ちなみに、当初は計20件の作品が出展される予定だったそうですが。
狩野派出身の江戸時代の絵師・久隅守景による国宝 《納涼図屛風》(画面左)や、
令和という元号の出典となったことでも熱い注目を集めている 『万葉集』 など、
名品の数々が、特別に追加出品されることとなったのだとか。
その数、なんと約21点。
むしろ特別出品の作品のほうが、もともとの予定数を上回っているという (笑)
令和早々、嬉しいサプライズでした!
さてさて、数ある名品の中で、やはり目玉となるのは、
歴史や美術の教科書でお馴染みの 《唐獅子図屛風》 です。
まず何と言っても驚くのは、その大きさ!
縦2.2m、幅4.5m。
想像していたよりも、一回りも二回りも大きかったです。
さらに驚かされたのが、唐獅子の迫力。
狩野永徳が描いた右隻の唐獅子の目の前に立った瞬間、
ひしひしびしびし伝わってくるパワーに、思わず圧倒されてしまいました。
そして、一度見たら最後、目が逸らせなくなります。
引力の強い作品です。
狩野永徳筆 《唐獅子図屛風》 六曲一双のうち右隻 安土桃山時代・16 世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
“この感覚、誰かの絵に似ているような・・・あっ、ゴッホだ!!”
唐獅子のたてがみや尾っぽのグルグルは、
ゴッホが描くグルグルに通ずるものがあるようです。
ちなみに、《唐獅子図屛風》 の左隻を描いたのは、
永徳のひ孫にあたる江戸時代の狩野派の絵師・狩野常信。
永徳と比べてしまうと、その腕の差は歴然でした。
常信の唐獅子のグルグルは、ゴッホのそれではなく、赤塚不二夫の描くグルグルのよう。
なんともタリラリランとした印象でした。
また、今のシーズンにピッタリなのが、
カキツバタが描かれた尾形光琳の 《伊勢物語 八橋図》(画面左)。
『伊勢物語』 の八橋の場面をモチーフにした作品です。
光琳で八橋といえば、根津美術館が所蔵する国宝 《燕子花図屏風》 が思い浮かびますが。
こちらの 《伊勢物語 八橋図》 は、あの約10年後に描かれた作品なのだそうです。
《燕子花図屏風》 では、あえて登場人物も橋も描かなかったのに対し、
《伊勢物語 八橋図》 は、むしろ作品のメインとなる燕子花をちょこちょこっとしか描いていません。
いうなれば、セルフパロディのような作品なのかもしれませんね。
なお、その右に展示されているのは、光琳の弟・乾山による 《八橋図》。
橋がアスレチックみたいなことになっています。
ちなみに、今回の展覧会では、絵画だけでなく、書の名品も充実していました。
その中で特に印象に残っているのが、
『小倉百人一首』の撰者としても知られる藤原定家が書き写したという 『更級日記』。
実は、『更級日記』 の原本は現存していないようで、
藤原定家によるこの写本が、現存最も古い写本なのだそうです。
藤原定家筆 《更級日記》 鎌倉時代・13 世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
しかし、何より、文字のクセがすごい!
玉置浩二の歌い方くらい、クセがすごかったです。
┃会期:2019年5月3日(金・祝) ~ 2019年6月2日(日)
┃会場:東京国立博物館本館 特別1・2・4・5室
┃https://tsumugu-exhibition2019.jp/masterpiece/
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “美を紡ぐ展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、5月20日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
さらに未来へ紡ぐために、文化庁、宮内庁、読売新聞社が協力して進めていくプロジェクト。
それが、紡ぐプロジェクト。
文化財や美術品の公開を通じて得た収益の一部を修理の費用に充てることで、
貴重な文化財や美術品を、後世に紡いでいこうというプロジェクトなのだそうです。
その一環として、先月まで東京国立博物館で開催されていたのが、
“特別展 御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」” でした。
そして、現在、同じく紡ぐプロジェクトの一環としてトーハクで開催されているのが、
“特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」” です。
東京国立博物館、文化庁、そして、宮内庁三の丸尚蔵館。
それぞれが所蔵する国宝や重要文化財、
またはそれに匹敵する選りすぐりの名品が一堂に会する展覧会です。
切手の図案でもお馴染み、雪舟の国宝 《秋冬山水図》 や、
国宝 雪舟等楊筆 《秋冬山水図》(冬景) 室町時代・15 世紀末~16世紀初 東京国立博物館蔵
狩野派随一の天才と称された狩野永徳、その最晩年の作である国宝 《檜図屏風》 を筆頭に、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
尾形光琳や野々村仁清、長沢芦雪、葛飾北斎といった日本美術界のレジェンドの作品が勢ぞろい!
まさに、令和のスタートに相応しい豪華な日本美術展です。
ちなみに、当初は計20件の作品が出展される予定だったそうですが。
狩野派出身の江戸時代の絵師・久隅守景による国宝 《納涼図屛風》(画面左)や、
令和という元号の出典となったことでも熱い注目を集めている 『万葉集』 など、
名品の数々が、特別に追加出品されることとなったのだとか。
その数、なんと約21点。
むしろ特別出品の作品のほうが、もともとの予定数を上回っているという (笑)
令和早々、嬉しいサプライズでした!
さてさて、数ある名品の中で、やはり目玉となるのは、
歴史や美術の教科書でお馴染みの 《唐獅子図屛風》 です。
まず何と言っても驚くのは、その大きさ!
縦2.2m、幅4.5m。
想像していたよりも、一回りも二回りも大きかったです。
さらに驚かされたのが、唐獅子の迫力。
狩野永徳が描いた右隻の唐獅子の目の前に立った瞬間、
ひしひしびしびし伝わってくるパワーに、思わず圧倒されてしまいました。
そして、一度見たら最後、目が逸らせなくなります。
引力の強い作品です。
狩野永徳筆 《唐獅子図屛風》 六曲一双のうち右隻 安土桃山時代・16 世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
“この感覚、誰かの絵に似ているような・・・あっ、ゴッホだ!!”
唐獅子のたてがみや尾っぽのグルグルは、
ゴッホが描くグルグルに通ずるものがあるようです。
ちなみに、《唐獅子図屛風》 の左隻を描いたのは、
永徳のひ孫にあたる江戸時代の狩野派の絵師・狩野常信。
永徳と比べてしまうと、その腕の差は歴然でした。
常信の唐獅子のグルグルは、ゴッホのそれではなく、赤塚不二夫の描くグルグルのよう。
なんともタリラリランとした印象でした。
また、今のシーズンにピッタリなのが、
カキツバタが描かれた尾形光琳の 《伊勢物語 八橋図》(画面左)。
『伊勢物語』 の八橋の場面をモチーフにした作品です。
光琳で八橋といえば、根津美術館が所蔵する国宝 《燕子花図屏風》 が思い浮かびますが。
こちらの 《伊勢物語 八橋図》 は、あの約10年後に描かれた作品なのだそうです。
《燕子花図屏風》 では、あえて登場人物も橋も描かなかったのに対し、
《伊勢物語 八橋図》 は、むしろ作品のメインとなる燕子花をちょこちょこっとしか描いていません。
いうなれば、セルフパロディのような作品なのかもしれませんね。
なお、その右に展示されているのは、光琳の弟・乾山による 《八橋図》。
橋がアスレチックみたいなことになっています。
ちなみに、今回の展覧会では、絵画だけでなく、書の名品も充実していました。
その中で特に印象に残っているのが、
『小倉百人一首』の撰者としても知られる藤原定家が書き写したという 『更級日記』。
実は、『更級日記』 の原本は現存していないようで、
藤原定家によるこの写本が、現存最も古い写本なのだそうです。
藤原定家筆 《更級日記》 鎌倉時代・13 世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
しかし、何より、文字のクセがすごい!
玉置浩二の歌い方くらい、クセがすごかったです。
┃会期:2019年5月3日(金・祝) ~ 2019年6月2日(日)
┃会場:東京国立博物館本館 特別1・2・4・5室
┃https://tsumugu-exhibition2019.jp/masterpiece/
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “美を紡ぐ展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、5月20日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!