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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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マンモス展 -その『生命』は蘇るのか-

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日本最大級、いや世界最大級となる、まさにマンモス級のマンモス展。
日本科学未来館で開催中の “マンモス展 -その『生命』は蘇るのか-” に行ってきました!




会場に入って、いきなり出迎えてくれたのは、
世界的にも有名な仔ケナガマンモス “ディーマ” の全身標本。




4万年という長い年月が経っているので、さすがに全身ミイラ化してはいますが。
足元には、ふさふさした毛が残っていました。
こんな貴重な標本が、冒頭にサラッと展示されているだなんて!
世界最大規模のマンモス展の呼び声は、伊達じゃありません。


さてさて、展覧会は大きく分けて、
「過去」「現在」「未来」 の3つのパートに分かれています。
まずは、「過去」 のパートから。




こちらのパートで、ひときわ目を惹くのは、
1991年にサハ共和国で発掘されたケナガマンモスの全身骨格。
通称、チュラブチンスキーのケナガマンモスです。




大きいことは大きいのですが、
上野動物園にいるゾウと比べて、特別大きいかといえば、そうでもありませんでした。
実は、マンモスはそのイメージとは裏腹に (?) 、
そこまで大きくはないそうで、アフリカゾウよりも一回りくらい小さいのだとか。
また、現在のゾウの姿とパッと見は似ていますが、
頭骨の形 (マンモスは額が出っ張ってる) や耳のサイズ (マンモスの耳は小さい) など、様々な違いがあるのだとか。
ちなみに、全身骨格しか発見されていなかった約200年前までは・・・




マンモスはゾウではなく、
巨大なネズミや巨大なモグラの一種と考えられていたとのこと。
永久凍土の中から見つかって良かったですね。

なお、「過去」 のパートには、マンモス以外にも、
ケサイをはじめとする氷河期に生きた生物たちの貴重な全身骨格が展示されています。




個人的にオススメなのは、ホラアナライオンの子どもの全身骨格。




何でこのポーズ (笑)?
金持ちの家の床に敷いてあるカーペットみたいな感じで展示されていました。
全力でごねているようにも見えます。


続いては、「現在」 のパート。
2010年代に入って新たに発見されたばかり、
発掘されたてホヤホヤの古生物の冷凍標本の数々が展示されています。




マンモスの皮膚や仔ウマ、バイソンやライチョウなど、そのほとんどが、なんと世界初公開!
所蔵先であるロシアのマンモスミュージアムでも公開されていない貴重なものばかりです。
というのも、冷凍標本を展示公開するためには、
マイナス20度を保ちつつ、ガラス窓が曇らない特殊な冷凍展示室が必要となります。

こちらが今回のマンモス展のために制作された巨大な冷凍展示室。




その制作費は、東京にマンションが買えてしまうくらいの金額とのこと。
おそらく日本一高額な展示ケースではないでしょうか。

ちなみに、どの冷凍標本も見ごたえがありますが、特に見逃せないのは、
2013年に世界で初めて完全な形で発掘されたケナガマンモスの鼻の冷凍標本。
もちろんこちらも世界初公開です。




現存するゾウと同じで、マンモスの鼻には骨がないのだそう。
それゆえ、長い年月の間で、ちぎれてどこかに流されたり、
他の動物に食べられてしまったり、鼻がそのままの形で残るのは、超レアケースなのです。
これまで見つかっているのは、マンモスの鼻のごく一部。
このように全体の形が分かる鼻は、今のところ、この1点だけなのだそう。
まさに、世界に一つだけの “鼻” です。


最終章は 「未来」 のパート。
サブタイトルにある “その『生命』は蘇るのか” がテーマとなっています。




こちらでは、1996年から近畿大学で行われている 『マンモス復活プロジェクト』 が、
わかりやすく楽しく、そして、ちょっと暑苦しく (笑)、漫画チックに紹介されていました。




これまでの展示のテイストとガラッと変わって、やや戸惑いはありましたが。
マンモスを復活させることに対する倫理的な側面にも、
きちんと触れられていて、意外と考えさせられるパートでした。


さてさて、展覧会のラストを飾るのは、ユカギルマンモス。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)


2005年に開催された 「愛・地球博」 で700万人が熱狂した、あのユカギルマンモスです。
ただのマンモスなのに、というと語弊がありますが、
どこか達観したかのような表情に、畏敬の念を覚えました。
思わず拝みたくなるほどの尊さ。
仏像を鑑賞している感覚に近いものがありました。
星星


ちなみに。
展覧会鑑賞後のお楽しみ、グッズコーナーもマンモス級に充実していました。
攻めたオリジナルグッズもチラホラあります (笑)




中でも最も攻めていたグッズが、こちら↓




コンプライアンス的に、いろいろ大丈夫なのでしょうか・・・。
冷凍展示室の前に立った時よりも、軽くヒヤっとしました (笑)




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