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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第25回日本陶芸展

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都道府県の魅力度ランキング、6年連続最下位―


そんな不名誉な記録を持つ茨城県。
しかし、その一方で、実は今年、茨城県は偉大なる記録を樹立していました。
それは、1971年より隔年で開催され、今年で25回目を迎えた日本陶芸展でのこと。
会派や団体は関係なしで、実力日本一の陶芸作家を選ぶ、
そんなガチンコの公募展で、なんと茨城県の作家が3回連続で大賞を受賞したのだそうです。

その快挙に、地元の茨城県陶芸美術館は、大はしゃぎの模様。
今年の日本陶芸展の入選作品と招待作品が一堂に会す、
“第25回日本陶芸展” のポスターに、その想いが溢れまくっていました。




『平成快挙録』

↑正直なところ、会場を訪れるまで、
こっちが展覧会タイトルかと思っていたくらいです (笑)




さてさて、第23回の井上英基さん、第24回の井上雅之さんに続き、
見事、計509点の応募の中から、第25回の大賞・桂宮賜杯に輝いたのは、五味謙二さん。
五味さんといえば、どこかキャラクターを彷彿とさせる有機的で、
かつユニークなフォルムのパーツを2つ組み合わせた作品で知られています。
今回の受賞作品 《shi-tou『シサ』》 も、まさにそんな作品。




一人 (?) が、ゴロンと横たわるもう一人 (?) の上に、
「うんしょうんしょ」 と乗っかろうとしているような、愛らしい印象を受ける作品でした。
大賞おめでとうございます!

また、茨城県作家の快挙は、他にも。
優秀作品賞・文部科学大臣賞に選ばれたのも、なんと茨城県の作家!
弱冠24歳の若手作家アイザワリエさんによるモコモコした 《鱗》 という作品が受賞しました。




茨城県は、陶芸界においては、
魅力度ランキング1位の地位にあると言っても過言ではないようです。


なお、惜しくも大賞を逃したのは、石川県の田島正仁さん。




実は田島さんは、前回の第24回でも準大賞だったそうです。
まさに、陶芸界の和牛 (←?)。
第26回では、いよいよ大賞に輝くのか?!
それとも、茨城県の作家が、それを阻止するのか?!
早くも2年後の戦いが楽しみです。
星


さてさて、会場にズラリと並んだ作品の中には、
以前、出演した 『バカリズムの大人のたしなみズム』 の中で紹介した増原嘉央理さんや、




ターコイズブルーのうつわが、今若い女性に大人気だという鈴木麻起子さんの作品も。




陶芸の公募展というと、古臭い・・・もとい、伝統的で古風、
海原雄山のような年配の気難しい男性が好みそうな作品ばかりが入選しているのかと思いきや。
意外と、普段使いしたくなる女子ウケしそうな作品も多く入選していました。




オシャレカフェやオシャレ雑貨屋にありそう。
インスタ映えしそう。
実に、今っぽい陶芸作品です。


また、うつわではなく、オブジェとしての陶芸作品も多く入選していました。





その中でも特に目を惹いたのが、今井完眞さんの 《シーラカンス》 です。




なぜ、陶芸でシーラカンス??
と、頭にクエスチョンマークは浮かびましたが。
造形が完全再現されているだけでなく、
シーラカンスのゆったりした動きまでも完全再現されていました。
ただインパクトを狙っただけの作品では無いようです。
どうやら、今井完眞さんの父は、生物を彫刻的に造形する陶芸家、
祖父は、海洋生物をデザインに取り入れた作品で知られる陶芸家とのこと。
血筋的に、生まれるべくして生まれる作品だったのですね。


それと、もう一点目を惹かれたのが、
林茂樹さんの 《deva device “GR-F”》 という作品。




翼が付いたウェアとベルトを身に着けた少年の像。
どこかSFチックで、近未来の素材で作られているような印象を受けますが。
土を捏ね、形を作り、焼くという伝統的な磁器の製法で作られているそうです。




他のどの作家とも似ていない、唯一無二の作風でした。
ただ、少年の顔は、ボクシングの亀田一家顔。




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