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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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本日のお客様:アルトゥール・レスラー

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大都会の片隅に、
芸術家や絵画のモデルが訪れる占いの館があるという―





おや、今宵も占い師の高天麗舟さんのもとへ、誰かお客様がやってきたようです。



【プロフィール】
高天麗舟 (たかま れいしゅう)
書家・占い師。群馬県高崎市生まれ。書家・野尻泰煌先生に師事。
書を通じて漢籍・思想・哲学・芸術全般に親しみ、
本来の人間表現に到達することを目的として手相・四柱推命・易・生命学 (姓名判断) などの研鑚を積む。
手相:西谷泰人先生に師事/四柱推命:浅野太志先生に師事/易:天道春樹先生に師事
現在、埼玉大学・教育学部にて障害児育児をテーマとした講話や、
「手相×アート」トークショー、仏像手相鑑定ツアーなどを含む多分野での活動を展開。
書作品寄贈:ハンガリー・ケチケメート市、ハンガリー・ケチケメート市ラダイ博物館

HP:https://www.reishu-takama.com/


レスラー「ごめんください」

高天「はーい、いらっしゃいませ」

レスラー「占いをしてくださる高天先生というのは、あなたですかな?」

高天「はい。私ですけども」

レスラー「そうでしたか。先生に是非占ってほしく、ウィーンからやってまいりました」

高天「まぁ!それはそれは」

レスラー「私が今の仕事に向いているのか占ってほしいのですな」

高天「わかりました。ところで・・・」

レスラー「あっ、自己紹介がまだでしたな。改めまして、レスラーです」

高天「へー、レスラーなんですか!!
    ・・・・・でも、失礼だけど、そこまで筋肉質なタイプじゃないわよね?」


エゴン・シーレ 《アルトゥール・レスラーの肖像》


レスラー「・・・・・・・先生、何か勘違いされていませんかな?」

高天「えっ?」

レスラー「私の名前がレスラー。アルトゥール・レスラーなんですな。
      職業は、美術評論家なんですな」

高天「あらー。それは失礼いたしました。
    気を取り直して、占っていきましょうね。手を見せてください」



レスラー「こんな感じですかな?」


エゴン・シーレ 《美術評論家アルトゥール・レスラーの肖像》 (注1)
(注1) 現在、国立新美術館で絶賛開催中の “ウィーン・モダン展” に出展中!


高天「甲じゃなくて!手のひらのほうです」

レスラー「大変失礼いたしました。こんな感じですかな?」


エゴン・シーレ 《アルトゥール・レスラーの肖像》 (注2)
(注2) 現在、国立新美術館で絶賛開催中の “ウィーン・モダン展” に出展中!


高天「はい。ありがとうございます。
    単刀直入に言って、美術評論家に非常に向いていますよ」

レスラー「本当ですか?」

高天「えぇ。レスラーさんの指ですが、全体的に関節が目立ちますよね。
    このタイプは冷静な思慮型です。
    突き詰めて考えるのが得意で、研究職に就いていらっしゃる方によく見られる指なんです」

レスラー「ほぅほぅ」

高天「また、手のひらが正方形に近く、指が長いですよね。
    そういう手の持ち主は、知性が鋭く、探究心旺盛です。
    決まりきった繰り返しよりも、変化を好む傾向にあるでしょう。
    また、言葉の扱いが巧みなので、口頭での説明や文章など伝達力に長けていますよ」

レスラー「自信が湧いてきましたな。評論がたくさん書けそうな気がしますな(注3)
(注3) 実際、アルトゥール・レスラーはその生涯で50近い本を出版している。その中にはエッセイ集も。

高天「小指に向かう縦線も多いので、独創的な発想で表現力も豊かなんですね」




レスラー「そ、それほどでもないんですな (照)
      ところで、先生、今後の美術評論家人生において何か気を付けることはありますかな?」

高天「特に左手が顕著なんですが、
    中指と薬指はくっつき、人差し指と小指が離れた指の開き方になっていますね。
    意識せず、このように指が開いてしまう方は、自分の信念や規範に忠実に生きるタイプです。
    自分が弱い立場であっても相手に媚びずに意見できる強さを持っています。
    ある意味、敵を作りやすいタイプともいえますが、
    自分に正直に生きる姿勢を貫いたほうが、より信頼へと繋がっていくようですよ」

レスラー「手相だけでなく、指の開き方でもいろんなことがわかるなんて面白いですな。
      美術だけでなく、ゆくゆくは手相も研究してみたものですな」

高天「それと、右手の感情線が、人差し指と中指の間に入り込んでいますよね。




    人の面倒見が非常に良く、感情のバランスもとれているため、周囲から信頼される方ですよ。
    困っている人がいると、一肌も二肌も脱いでしまう尽くし過ぎなところもありそうです。
    そういえば、この指の開き方や感情線の感じ、とに~さんに似ているわね」




レスラー「とに~っていうのは、何者ですかな?イタリア人かアメリカ人ですか?」

高天「あぁ、とに~さん (注4) は日本人。アートテラーの。
    美術評論家ではないけど、レスラーさんと近い職種と言えば近い職種ね」
(注4) 高天先生とタッグを組んで不定期に手相×美術のイベントを開催している。
ブログの読者の皆様からの投票を基に、つい最近、公式プロフィール写真が新調した。
(投票コメントしてくださった皆様、ありがとうございます。接戦でしたが、わずかにNo.2が一番人気となりました!byとに~)



レスラー「そんな人物がいるのですか。
      しかし、日本人なのに、“とに~” と名乗るふざけた感じは、いかがなものでしょうな」

高天「フフフ。やっぱりレスラーさんも、とに~さんとおんなじタイプだわ」

レスラー「どういうことですかな?」

高天「そういう感情線の方は、あまり表には出さないんですが、
    心の中では、人に対して好き嫌いのハッキリとした線引きがあるんです。
    先ほど、面倒見が良いとは言いましたが、
    ちゃんと面倒をみられるのは、自分の常識の範囲におさまるタイプの人だけ。
    それ以外の人には、興味をまったく示さないことでしょう」

レスラー「(ギクッ!)」

高天「何か心当たりがあるんですか?」

レスラー「いや、実はエゴン・シーレ (注5) という大変才能豊かな若い画家がいるんですな。
      ただ、彼の生活態度があまりにも子供じみていましてな。
      さすがに黙認しかねて、忠告の手紙を送ったところ、
      『俺は永遠の子供だ!』 的な逆ギレな返信が届いて、ほとほと愛想が尽きていたのですな。
      だから、このまま彼を評論するべきなのかどうなのか・・・。
      まぁ、悩んでいたわけですな」
(注5) 28歳という若さでこの世を去ったウィーン出身の画家。クリムトに才能を見出され、終生可愛がられた。
デヴィッド・ボウイや荒木飛呂彦さん、藤井フミヤさんなど、シーレのファンを自認する人は多し!



高天「まぁ、そうだったのですね。
    レスラーさんは、読み手や聞き手に好き嫌いを悟られないよう、
    個人的な感情を取り除いて、お仕事をされていくと良いようですよ」

レスラー「わかりました。先生の言う通りにしてみるんですな。(注6)
      今日はありがとうございました!」
(注6) 高天先生のアドバイスを受けたから・・・かどうか真偽のほどは不明ですが。
シーレとの交友関係が途絶えたあとも、アルトゥール・レスラーは積極的にシーレの評論を発表。
今現在シーレが世界的に人気なのは、レスラーの評論活動のおかげといっても過言ではない。





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