Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

2019 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

$
0
0
昨年4月より、改修工事のため、
1年以上に及ぶ長期休館をしていた板橋区立美術館。
先日6月29日に、ついにリニューアルオープンいたしました!

以前は、『永遠の穴場』 や 『素通りしないで!』 と自虐していたあの板橋区立美術館が・・・

永遠の穴場


在りし日の姿をまったく感じさせないほどに、
思いっきりスタイリッシュな建物に生まれ変わっていました!





この建物が板橋区立美術館と気づかず、
別の意味で、素通りしてしまうかもしれません。
また、見た目だけでなく、内部も大々的にリニューアルしていました。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)


オシャレなラウンジスペースが誕生していたり、




ミュージアムショップが誕生していたり、
(これまでは展示室内の受付がミュージアムショップ機能を兼ねていた)




そして、もちろん展示室の内装や照明も最新式になっていたり、




館内の隅々まで、オシャレで今風な美術館の姿になっています。
『永遠の穴場』 と呼ばれていたあの頃の面影は一切ありません。
まぐれもなく都内最新のアートスポットです。
星星


ただ、長年にわたって、板橋区立美術館のファンである自分としては、
その劇的なまでのビフォーアフターぶりに、惜しみない拍手を送りたい気持ちの半面、
あまりのキャラ変に、戸惑いを隠せない気持ちもあります。
今回のリニューアル一発目の幟のフレーズにも大きく期待をしていたのですが・・・




正直なところ、クスリともしなかったです (笑)
これまでのイメージが一新されて、
個性であった自虐キャラが封印されてしまった―。
まるで南海キャンディーズの山ちゃん状態です。


さてさて、そんな一夜にして勝組となった (?) 板橋区立美術館。
そのリニューアル一発目を飾る展覧会は、
板橋区立美術館の夏の風物詩ともいうべき、“イタリア・ボローニャ国際絵本原画展” です。




毎年ボローニャで開催され、1000以上の出版社が出展する児童書専門の見本市。
それが、 “ボローニャ・チルドレン・ブックフェア” です。
その関連イベントの一つとして、1967年から開催されているのが、
世界最大規模の絵本原画コンクールといわれる 「ボローニャ国際絵本原画展」。
子どもの本のために描かれた作品 (5枚一組) であれば、誰でも応募が可能とのこと。
そのため、新人イラストレーターの登竜門ともなっています。
いうなれば、絵本界のM-1のようなコンクールのようなものです。

なお、今年2019年のボローニャ国際絵本原画展には、
世界62ヶ国から、約2900を超える応募があったのだとか!
入選した作家は、27か国76人。
それらの入選作が、今年も板橋区立美術館で一挙大公開されています。




ちなみに、展覧会のポスターやチラシの絵は、
毎年、ボローニャ展入選者に白羽の矢が立ちますが。
今年の担当者は、『大丈夫だよ。』 で見事入選を果たした工藤あゆみさんでした。




彼女が展覧会のために描き下ろしたイラストの原画も、入選作とともに展示されています。




一見カワイイようで、じっくり見るとそこまで可愛くない。
でも、さらに見続けていると、ジワジワかわいく思えてくる。
絶妙な匙加減のユルかわなイラストでした。


さてさて、今回紹介されていた出展作の中で、特に読んでみたいと思ったのは、
フランスのアントワーヌ・コルビノーによる 『TVシリーズ その華麗なるストーリー』 です。




なんでも人気TVドラマをモチーフにした絵本とのこと。
こちらの1枚は、『ウォーキング・デッド』 を、




こちらの1枚は、『ツイン・ピークス』 がモチーフとなっていました。




海外ドラマ好きとしては、
『24 -TWENTY FOUR -』 や 『X-ファイル』 のver.のも見てみたかったです。

逆に、読んでみたくないと思ったのは (←?)、
クリスティン・ロスキフテの 『数えてみよう』 でしょうか。




『数えてみよう』 と気軽に言う割には・・・




数えるものが多すぎ!

試しに人の数を数えてみましたが、
途中で、「ムキーッッ!!」 となってしまいました。


また、出展作の大半が、オリジナル作ではありましたが、
中には、有名な物語を、作者なりの独自の解釈で描いたものもありました。
例えば、こちら。




原作のイラストが持つテイストとは、まったく似ても似つきませんが。
『100万回生きた猫』 なのだそうです。
ノーヒントでは、100万回考えても、『100万回生きた猫』 とはわからないでしょう。

ではでは、それを踏まえて、ここで1問クイズを。
韓国のチャ・ヨンキュンが描いたこのイラストは、
一体、何の物語をモチーフにしているのでしょうか?





正解は・・・・・


『白雪姫』

7つずつある服やベッド、リンゴに気付けるかがポイントでした。


ちなみに。
その独特なカラーセンスが印象的だったのが、
アメリカのジュンリー・ソングの 『ねこたちの秘密の生活』 です。




なんとなく、ホブソンズを連想させるものがありました。




1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles