現在、三菱一号館美術館で開催されているのは、
“マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展” という展覧会。
フォルチュニ美術館全面協力のもと開催される日本初のマリアノ・フォルチュニの大回顧展です。
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(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
「ヴェネツィアの魔術師」 の異名を持つマリアノ・フォルチュニ (1871~1949)。
19世紀初頭に活躍した伝説的なファッション・デザイナーです。
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作者不詳 《マリアノ・フォルチュニ》 制作年不詳 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
そんなフォルチュニの代名詞と言えるのが、デルフォス。
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マリアノ・フォルチュニ 《デルフォス》 1910年代 絹サテン、トンボ玉 島根県立石見美術館
(注:展示期間は、8/20~10/6)
1896年に発見された古代ギリシャの青銅彫刻 《デルフォイの御者》 に着想を得たドレスです。
日本から輸入したとされる最高級の絹が、
鮮やかに染めあげられ、繊細なプリーツが施されています。
布そのものにデザイン性が備わっているというのは、当時はかなり革新的だったそうです。
また、ファッション史においては、女性をコルセットから解放したという点でも革新的とのこと。
「コルセットなし (ただし、モデル体型に限る)」 という気もしなくはないですが。
ともあれ、そんなデルフォスの革新性は100年経っても、まったく古びておらず!
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現代の眼で見ても、十分に新鮮に映りました。
イッセイ●ヤケの新作と言われても、信じてしまうことでしょう。
ちなみに、デルフォスの収納方法もまた、当時としては革新的だったとのこと。
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一瞬、中尾彬のネジネジにも見えますが、
こうしてクルクルとまとめれば、小さな箱に収納することも出来るのです。
何から何まで考えられたデザインですね。
さすが、ヴェネツィアの魔術師の異名は伊達ではありません。
そんなデルフォスをはじめ、展覧会場には、
フォルチュニがデザインしたドレスやコートなど、約30点のアイテムが集結!
初来日を含むフォルチュニコレクションが堪能できます。
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その中でデルフォス以外で印象的だったのが、
画面手前の緑のデルフォスが羽織っているジャケット。
その名も、「キモノ」ジャケットです。
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日本の文化、芸術、染織に関する書籍や、
日本の染め型紙を多数所有していたというフォルチュニ。
きちんと日本文化を学んだ海外の方が、「キモノ」 を作ると、ちゃんとしたものができるのですね。
アメリカの某タレントとは大違いでした。
さてさて、「ヴェネツィアの魔術師」 以外にも、
「20世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチ」 の異名を持つフォルチュニ。
その “万能の人” ぶりを紹介すべく、
展覧会では、画家フォルチュニによる絵画作品や、
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マリアノ・フォルチュニ 《バラ色の衣装のための習作(アンリエット・フォルチュニ)》 1932年 テンペラ/厚紙 フォルチュニ美術館
© Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
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照明デザイナーフォルチュニがデザインした照明器具、
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マリアノ・フォルチュニ 《デスクランプ》 1925年 木、金属 フォルチュニ美術館
© Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
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写真家フォルチュニによる写真作品なども紹介されていました。
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マリアノ・フォルチュニ 《雲の習作、ヴェネツィア》 1915年頃 銀塩ネガプリント
フォルチュニ美術館 © Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
ちなみに、今でこそ、雲の写真なんて、
オシャレなカメラ女子が撮る定番中の定番の写真ですが。
写真の歴史において、だいぶ早い段階で、
雲にフォーカスした写真を撮影していたのは、おそらくフォルチュニとのこと。
雲の写真のパイオニアといっても、過言ではないかもしれません。
その他にも、織機の設計図や船舶推進装置の特許書など、
フォルチュニの発明家としての一面も紹介されていました。
訪れるまでは、女性に刺さる展覧会と思い込んでいましたが。
予想に反して、男性でも十分に楽しめる間口の広い展覧会でした。
![星]()
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「ファッションの展覧会は・・・」 と尻込みしている男性にこそ足を運んで頂きたい展覧会です。
そうそう、男性が共感できそうといえば、
フォルチュニの妻アンリエットと、母セシリアとのエピソードが印象的でした。
フォルチュニとアンリエットが結婚するまでには、なんと20年もかかったのだそう。
その理由は、母セシリアが 「息子を不幸にする女!」 と反対していたからとのこと。
フォルチュニは、えげつない嫁姑問題に苦しんでいたのですね。
ちなみに、こちらはセシリアが所蔵していたという日本の着物。
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セシリアの死後、アンリエットは、
姑が大事にコレクションしていたこの着物を室内着にしていたのだとか。
・・・・・・・女、怖っ。
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“マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展” という展覧会。
フォルチュニ美術館全面協力のもと開催される日本初のマリアノ・フォルチュニの大回顧展です。

(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
「ヴェネツィアの魔術師」 の異名を持つマリアノ・フォルチュニ (1871~1949)。
19世紀初頭に活躍した伝説的なファッション・デザイナーです。

作者不詳 《マリアノ・フォルチュニ》 制作年不詳 フォルチュニ美術館 ©Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
そんなフォルチュニの代名詞と言えるのが、デルフォス。

マリアノ・フォルチュニ 《デルフォス》 1910年代 絹サテン、トンボ玉 島根県立石見美術館
(注:展示期間は、8/20~10/6)
1896年に発見された古代ギリシャの青銅彫刻 《デルフォイの御者》 に着想を得たドレスです。
日本から輸入したとされる最高級の絹が、
鮮やかに染めあげられ、繊細なプリーツが施されています。
布そのものにデザイン性が備わっているというのは、当時はかなり革新的だったそうです。
また、ファッション史においては、女性をコルセットから解放したという点でも革新的とのこと。
「コルセットなし (ただし、モデル体型に限る)」 という気もしなくはないですが。
ともあれ、そんなデルフォスの革新性は100年経っても、まったく古びておらず!


現代の眼で見ても、十分に新鮮に映りました。
イッセイ●ヤケの新作と言われても、信じてしまうことでしょう。
ちなみに、デルフォスの収納方法もまた、当時としては革新的だったとのこと。

一瞬、中尾彬のネジネジにも見えますが、
こうしてクルクルとまとめれば、小さな箱に収納することも出来るのです。
何から何まで考えられたデザインですね。
さすが、ヴェネツィアの魔術師の異名は伊達ではありません。
そんなデルフォスをはじめ、展覧会場には、
フォルチュニがデザインしたドレスやコートなど、約30点のアイテムが集結!
初来日を含むフォルチュニコレクションが堪能できます。


その中でデルフォス以外で印象的だったのが、
画面手前の緑のデルフォスが羽織っているジャケット。
その名も、「キモノ」ジャケットです。

日本の文化、芸術、染織に関する書籍や、
日本の染め型紙を多数所有していたというフォルチュニ。
きちんと日本文化を学んだ海外の方が、「キモノ」 を作ると、ちゃんとしたものができるのですね。
アメリカの某タレントとは大違いでした。
さてさて、「ヴェネツィアの魔術師」 以外にも、
「20世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチ」 の異名を持つフォルチュニ。
その “万能の人” ぶりを紹介すべく、
展覧会では、画家フォルチュニによる絵画作品や、

マリアノ・フォルチュニ 《バラ色の衣装のための習作(アンリエット・フォルチュニ)》 1932年 テンペラ/厚紙 フォルチュニ美術館
© Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

照明デザイナーフォルチュニがデザインした照明器具、

マリアノ・フォルチュニ 《デスクランプ》 1925年 木、金属 フォルチュニ美術館
© Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny

写真家フォルチュニによる写真作品なども紹介されていました。

マリアノ・フォルチュニ 《雲の習作、ヴェネツィア》 1915年頃 銀塩ネガプリント
フォルチュニ美術館 © Fondazione Musei Civici di Venezia - Museo Fortuny
ちなみに、今でこそ、雲の写真なんて、
オシャレなカメラ女子が撮る定番中の定番の写真ですが。
写真の歴史において、だいぶ早い段階で、
雲にフォーカスした写真を撮影していたのは、おそらくフォルチュニとのこと。
雲の写真のパイオニアといっても、過言ではないかもしれません。
その他にも、織機の設計図や船舶推進装置の特許書など、
フォルチュニの発明家としての一面も紹介されていました。
訪れるまでは、女性に刺さる展覧会と思い込んでいましたが。
予想に反して、男性でも十分に楽しめる間口の広い展覧会でした。


「ファッションの展覧会は・・・」 と尻込みしている男性にこそ足を運んで頂きたい展覧会です。
そうそう、男性が共感できそうといえば、
フォルチュニの妻アンリエットと、母セシリアとのエピソードが印象的でした。
フォルチュニとアンリエットが結婚するまでには、なんと20年もかかったのだそう。
その理由は、母セシリアが 「息子を不幸にする女!」 と反対していたからとのこと。
フォルチュニは、えげつない嫁姑問題に苦しんでいたのですね。
ちなみに、こちらはセシリアが所蔵していたという日本の着物。

セシリアの死後、アンリエットは、
姑が大事にコレクションしていたこの着物を室内着にしていたのだとか。
・・・・・・・女、怖っ。
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