この夏、東京国立博物館では、ファミリー向け企画として、
“親と子のギャラリー 日本のよろい!” が開催されています。
こちらは、タイトルずばり 「日本のよろい」 をテーマにした展示です。
武士の武器である刀剣をテーマにした展覧会は、たびたび開催されています。
しかし、それに比べて、武士の防具である鎧にフォーカスした展覧会は、ほぼ開催されていません。
よくよく考えてみたら、「日本のよろい」 に関して、ほぼ何も知らない気がしてきました。。。
その予感は展示の冒頭から的中することとなります。
まず、一口に鎧と言っても、
大鎧、胴丸、腹巻、当世具足の4種類があるとのこと (←知りませんでした!)。
写真に写っているのは、《金小札紅糸中白威腹巻》 という腹巻。
鎌倉時代に登場したそうで、歩いて戦う武士が着る鎧なのだそうです (←知りませんでした!)。
なお、重さは10~15㎏ほど。
刀から身を守るには、それくらいの防御力が必要なのですね。
ちなみに。
今回の展示は、子どもにもわかりやすい工夫が随所に。
キャプションも、子ども仕様となっています。
《金小札紅糸中白威腹巻》 のことを、
「金・紅・白のデラックスなよろい」 と表記していたのが、なんとも微笑ましかったです。
ところで、これらの鎧はどのように作られているのでしょうか?
現代だったら、型を取って金属を流し込めば、それっぽいものが作れそうな気がしますが。
鎧は、小札 (こざね) と呼ばれる牛皮ないしは鉄製の小さなパーツを組み合わせて作るのだそう。
1つの鎧に2000~3000枚の小札が使われることもあるそうです。
まず小札を組み合わせ、札板なるものを作り、
それを紐で上下に繋ぎ合わせていくことで、鎧の基本部分が完成します。
そこに、首を守る喉輪やら肩を守る大袖やらをジョイントし、
最後に金物と呼ばれる諸々のパーツを取り付けていくのだそう。
鎧を作るのが、こんなにも手間暇がかかるものだったとは。
しかも、手間暇がかかるからといって、
「小札、2、3個無くてもよくね?」 とか、「ここ紐止めなくてもいっか」 とか、
命を守るものゆえに、適当に作っていいわけがありません。
鎧職人の頑張りに、兜を脱ぐ思いです。
ただただ鎧職人へのリスペクトが芽生える展覧会でした。
さてさて、展示室には、腹巻の他に、
安土桃山時代に登場した当世具足も展示されています。
当世具足の 「当世」 とは 「今風」 の意。
「具足」 は 「具 (そな) わり足りる」 という意、
つまり、トータルコーディネートということです。
籠手や手甲、臑当なども加わり、まさに全身装備状態です。
ちなみに、背中には旗を立てるための部品も付いているのだとか。
鎌倉時代の武士もビックリでしょう。
そんな当世具足の装備の中で、一番気に目を惹いたのが、半首 (はっぷり)。
顔を守るパーツです。
当世具足に組み込まれている時は、さして気にならなかったのですが。
こうして、単体で展示されると・・・
どことなくマーベル・コミック感がありました。
戦国時代の武士が、こんなマスクを顔に付けていただなんて。
なお、こちらの半首は・・・
どことなくジョジョ感。
新手のスタンドのようです。
さて、“日本のよろい!” の会場は1フロアのみのため、あっと言う間に観終わってしまいますが。
本館の他のフロアにも鎧が展示されているので、そちらと併せて楽しむのがベターです。
中でも印象的だったのが、青梅にある武蔵御岳神社に伝わる国宝の赤糸威鎧の模造。
模造とはいえ、平安時代に制作された現品が忠実に再現されています。
実は、かつて武蔵御岳神社で、実物を目にしているのですが、
やはり色が褪せてしまっているため、そこまで大きな感動は湧きおこらず。
「へ~」 くらいにしか感じませんでした。
当時の姿は、こんなにも美しかったのですね!
あまりに美しいため、斬り付けてはならないような。
そんな精神的な防御力も兼ね備えている気がします。
ちなみに、ググっと近づいて見てみると、柄の獅子が思いがけずユルかわでした。
いしいひさいちを彷彿とさせるタッチです。
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“親と子のギャラリー 日本のよろい!” が開催されています。
こちらは、タイトルずばり 「日本のよろい」 をテーマにした展示です。
武士の武器である刀剣をテーマにした展覧会は、たびたび開催されています。
しかし、それに比べて、武士の防具である鎧にフォーカスした展覧会は、ほぼ開催されていません。
よくよく考えてみたら、「日本のよろい」 に関して、ほぼ何も知らない気がしてきました。。。
その予感は展示の冒頭から的中することとなります。
まず、一口に鎧と言っても、
大鎧、胴丸、腹巻、当世具足の4種類があるとのこと (←知りませんでした!)。
写真に写っているのは、《金小札紅糸中白威腹巻》 という腹巻。
鎌倉時代に登場したそうで、歩いて戦う武士が着る鎧なのだそうです (←知りませんでした!)。
なお、重さは10~15㎏ほど。
刀から身を守るには、それくらいの防御力が必要なのですね。
ちなみに。
今回の展示は、子どもにもわかりやすい工夫が随所に。
キャプションも、子ども仕様となっています。
《金小札紅糸中白威腹巻》 のことを、
「金・紅・白のデラックスなよろい」 と表記していたのが、なんとも微笑ましかったです。
ところで、これらの鎧はどのように作られているのでしょうか?
現代だったら、型を取って金属を流し込めば、それっぽいものが作れそうな気がしますが。
鎧は、小札 (こざね) と呼ばれる牛皮ないしは鉄製の小さなパーツを組み合わせて作るのだそう。
1つの鎧に2000~3000枚の小札が使われることもあるそうです。
まず小札を組み合わせ、札板なるものを作り、
それを紐で上下に繋ぎ合わせていくことで、鎧の基本部分が完成します。
そこに、首を守る喉輪やら肩を守る大袖やらをジョイントし、
最後に金物と呼ばれる諸々のパーツを取り付けていくのだそう。
鎧を作るのが、こんなにも手間暇がかかるものだったとは。
しかも、手間暇がかかるからといって、
「小札、2、3個無くてもよくね?」 とか、「ここ紐止めなくてもいっか」 とか、
命を守るものゆえに、適当に作っていいわけがありません。
鎧職人の頑張りに、兜を脱ぐ思いです。
ただただ鎧職人へのリスペクトが芽生える展覧会でした。
さてさて、展示室には、腹巻の他に、
安土桃山時代に登場した当世具足も展示されています。
当世具足の 「当世」 とは 「今風」 の意。
「具足」 は 「具 (そな) わり足りる」 という意、
つまり、トータルコーディネートということです。
籠手や手甲、臑当なども加わり、まさに全身装備状態です。
ちなみに、背中には旗を立てるための部品も付いているのだとか。
鎌倉時代の武士もビックリでしょう。
そんな当世具足の装備の中で、一番気に目を惹いたのが、半首 (はっぷり)。
顔を守るパーツです。
当世具足に組み込まれている時は、さして気にならなかったのですが。
こうして、単体で展示されると・・・
どことなくマーベル・コミック感がありました。
戦国時代の武士が、こんなマスクを顔に付けていただなんて。
なお、こちらの半首は・・・
どことなくジョジョ感。
新手のスタンドのようです。
さて、“日本のよろい!” の会場は1フロアのみのため、あっと言う間に観終わってしまいますが。
本館の他のフロアにも鎧が展示されているので、そちらと併せて楽しむのがベターです。
中でも印象的だったのが、青梅にある武蔵御岳神社に伝わる国宝の赤糸威鎧の模造。
模造とはいえ、平安時代に制作された現品が忠実に再現されています。
実は、かつて武蔵御岳神社で、実物を目にしているのですが、
やはり色が褪せてしまっているため、そこまで大きな感動は湧きおこらず。
「へ~」 くらいにしか感じませんでした。
当時の姿は、こんなにも美しかったのですね!
あまりに美しいため、斬り付けてはならないような。
そんな精神的な防御力も兼ね備えている気がします。
ちなみに、ググっと近づいて見てみると、柄の獅子が思いがけずユルかわでした。
いしいひさいちを彷彿とさせるタッチです。
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