昨年2018年は、いわさきちひろ生誕100年の節目の年。
それを記念して、東京と安曇野、両方のちひろ美術館では1年を通じて、
「Life」をテーマに7人 (組) の作家とコラボする展覧会シリーズ “Life展” が開催されていました。
東京で開催された全部で4つの “Life展” は、コンプリートしましたが。
さすがに、都内に住んでいる身としては、
安曇野での “Life展” は、そのすべてに足を運ぶことが出来ませんでした。
「あぁ、安曇野での “Life展” も面白そうだったのになァ」
そう悔やんでいる方は、きっと僕だけでないはず。
そんな皆さまに耳寄りなお知らせです。
現在、ちひろ美術館・東京で開催されているのは、
“「ちひろさんの子どもたち」 谷川俊太郎×トラフ建築設計事務所” という展覧会。
安曇野での “Life展” で、ちひろさんとコラボした詩人の谷川俊太郎さんと、
鈴野浩一さんと禿真哉さんによる建築ユニット、トラフ建築設計事務所とが、
ちひろ美術館・東京にて、ちひろさんと再びコラボを果たした展覧会です。
まず最初の展示室で展開されていたのは、ちひろさんと谷川さんのコラボ。
(注:展覧会は一部を除いて撮影不可。記事に使用している写真は、特別に許可を得て撮影したものです)
ちひろさんが子どもを描いた絵の脇に、
谷川さんが子どもに向けて書いた詩や、子どもの目線で書いた詩が添えられています。
それぞれは独立して制作されているはずなのですが、不思議と共鳴し合っていました。
まるで、ちひろさんの絵が伝えようとしていることを、谷川さんが言語化しているような。
まるで、谷川さんが誌で伝えようとしていることを、ちひろさんがビジュアル化しているような。
絵と詩。もともと1つの作品であったかのような印象すら受けました。
ちなみに、ここまでフィーリングが合う2人。
ちひろさんが存命の時にも、実際にコラボしたことがあったそうです。
それは、1973年5月から翌年4月にかけて、
京都新聞をはじめとする地方新聞に掲載された全12編からなる 「みち」 という詩。
当初は、ちひろさんが12編すべてを担当する予定だったそうですが、
体調を崩してしまったため、やむなく第7回からは別の画家と交代することに。
きっと 「みち」 半ばでの降板だったのでしょう。
第6回の絵は、ちひろさんの手によるものとは思えないほど、
切なく寂しく、どこかシュールなスタイルとなっていました。
あの人は二度と戻ってくることはないだろう。
そんなことを予感させる一枚です。
一方、トラフ建築設計事務所とのコラボと言いますと。
トラフ建築設計事務所といえば、やはり 《空気の器》。
誰でも一度はミュージアムショップで目にしたことがあるであろう、
あのアイテムが館内のいたるところに、プカプカと浮かんでいました。
また、トラフ建築設計事務所は、
ちひろさんの絵には、帽子をかぶった子どもが多く登場することに着目。
そこから着想し、大きな麦わら帽子の形をした 「子どものへや」 を設計しました。
なお、「子どものへや」 とはありますが、大人が入るのもOK。
さらに、机の上にあるワークシートを、大人がチャレンジするのもOKです。
童心に帰って、お楽しみくださいませ。
ちなみに、展示室の一角では、谷川の新作詩でも発表されていました。
その名も、「ぼうしさん」 です。
こちらは、トラフ建築設計事務所が選んだちひろさんの作品から生まれた詩。
つまり、3者によるコラボ作品です。
3人のコラボレーションというと、
たいていは誰か一人が、その輪をかき乱すものですが。
ちひろさん×谷川さん×トラフのコラボは、上手いことバランスが取れていました。
おそらく、3者ともが誰も傷つけない優しいアーテイストだからなのでしょう。
それぞれが、それぞれの魅力を引き立て合っていました。
とにもかくにも、3者の “優しさ” が際立っていた展覧会。
いい意味で刺激は少なく、ほっこりと気分がほぐれる展覧会でした。
こんなにも優しい気持ちになれる展覧会は、そうはありません。
バファリンの半分は優しさでできているそうですが、
この展覧会にいたっては、全部が優しさでできています。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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それを記念して、東京と安曇野、両方のちひろ美術館では1年を通じて、
「Life」をテーマに7人 (組) の作家とコラボする展覧会シリーズ “Life展” が開催されていました。
東京で開催された全部で4つの “Life展” は、コンプリートしましたが。
さすがに、都内に住んでいる身としては、
安曇野での “Life展” は、そのすべてに足を運ぶことが出来ませんでした。
「あぁ、安曇野での “Life展” も面白そうだったのになァ」
そう悔やんでいる方は、きっと僕だけでないはず。
そんな皆さまに耳寄りなお知らせです。
現在、ちひろ美術館・東京で開催されているのは、
“「ちひろさんの子どもたち」 谷川俊太郎×トラフ建築設計事務所” という展覧会。
安曇野での “Life展” で、ちひろさんとコラボした詩人の谷川俊太郎さんと、
鈴野浩一さんと禿真哉さんによる建築ユニット、トラフ建築設計事務所とが、
ちひろ美術館・東京にて、ちひろさんと再びコラボを果たした展覧会です。
まず最初の展示室で展開されていたのは、ちひろさんと谷川さんのコラボ。
(注:展覧会は一部を除いて撮影不可。記事に使用している写真は、特別に許可を得て撮影したものです)
ちひろさんが子どもを描いた絵の脇に、
谷川さんが子どもに向けて書いた詩や、子どもの目線で書いた詩が添えられています。
それぞれは独立して制作されているはずなのですが、不思議と共鳴し合っていました。
まるで、ちひろさんの絵が伝えようとしていることを、谷川さんが言語化しているような。
まるで、谷川さんが誌で伝えようとしていることを、ちひろさんがビジュアル化しているような。
絵と詩。もともと1つの作品であったかのような印象すら受けました。
ちなみに、ここまでフィーリングが合う2人。
ちひろさんが存命の時にも、実際にコラボしたことがあったそうです。
それは、1973年5月から翌年4月にかけて、
京都新聞をはじめとする地方新聞に掲載された全12編からなる 「みち」 という詩。
当初は、ちひろさんが12編すべてを担当する予定だったそうですが、
体調を崩してしまったため、やむなく第7回からは別の画家と交代することに。
きっと 「みち」 半ばでの降板だったのでしょう。
第6回の絵は、ちひろさんの手によるものとは思えないほど、
切なく寂しく、どこかシュールなスタイルとなっていました。
あの人は二度と戻ってくることはないだろう。
そんなことを予感させる一枚です。
一方、トラフ建築設計事務所とのコラボと言いますと。
トラフ建築設計事務所といえば、やはり 《空気の器》。
誰でも一度はミュージアムショップで目にしたことがあるであろう、
あのアイテムが館内のいたるところに、プカプカと浮かんでいました。
また、トラフ建築設計事務所は、
ちひろさんの絵には、帽子をかぶった子どもが多く登場することに着目。
そこから着想し、大きな麦わら帽子の形をした 「子どものへや」 を設計しました。
なお、「子どものへや」 とはありますが、大人が入るのもOK。
さらに、机の上にあるワークシートを、大人がチャレンジするのもOKです。
童心に帰って、お楽しみくださいませ。
ちなみに、展示室の一角では、谷川の新作詩でも発表されていました。
その名も、「ぼうしさん」 です。
こちらは、トラフ建築設計事務所が選んだちひろさんの作品から生まれた詩。
つまり、3者によるコラボ作品です。
3人のコラボレーションというと、
たいていは誰か一人が、その輪をかき乱すものですが。
ちひろさん×谷川さん×トラフのコラボは、上手いことバランスが取れていました。
おそらく、3者ともが誰も傷つけない優しいアーテイストだからなのでしょう。
それぞれが、それぞれの魅力を引き立て合っていました。
とにもかくにも、3者の “優しさ” が際立っていた展覧会。
いい意味で刺激は少なく、ほっこりと気分がほぐれる展覧会でした。
こんなにも優しい気持ちになれる展覧会は、そうはありません。
バファリンの半分は優しさでできているそうですが、
この展覧会にいたっては、全部が優しさでできています。
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