サッカーの神様、ロックの神様、ロマンスの神様、トイレの神様…etc
世の中には、さまざまな神様が存在しています。
ちなみに、僕は大学生時代にレンタルビデオのGEOでバイトをしていたのですが、
返却されたビデオを棚に戻すのが得意だったため、「返却の神様」 というあだ名がついていました。
・・・・・・って、それはどうでもいいですね。
本日紹介するのは、「椅子の神様」 にスポットを当てた展覧会、
京橋のLIXILギャラリーで開催中の “椅子の神様 宮本茂紀の仕事” です。
15歳で椅子張り職人に弟子入りし、
82歳を迎えた今もなお現役の椅子張り職人として第一線で活動を続ける宮本茂紀さん。
過去には、迎賓館や鹿鳴館に残された椅子の修復も行っているほどの人物です。
鹿鳴館で使用され、現在は、明治村で展示されている、
こちらの 《竹塗蒔絵小椅子》 も、宮本さんが修復したものなのだそう。
一見すると、竹製のように思えますが・・・・・
実は、なんと木製。
わざわざ木に節を作って竹のように見せ、
なおかつ、その上に漆を塗り、蒔絵が施されているそうです。
さすが鹿鳴館仕様!
実にゴージャスな椅子です。
ところが、この椅子が発見された時、蒔絵部分はペンキで覆われていたのだとか。
おそらく、その犯人 (?) は、華族会館 (旧鹿鳴館) を接収したGHQであろうとのこと。
何はともあれ、明治時代から現代まで、
椅子を知り尽くした宮本さんだからこそ、もとの姿に戻せたのだそうです。
そんな椅子に精通した宮本さんのスゴさが、さらにわかるのがこちらの展示。
3脚ともほぼ同じように見えますが、
実は左から明治、昭和、平成と、時代ごとのクッションの構造を再現したものです。
なお、会場では実際に座って、
3つの椅子の座り心地を比べられるようになっています。
見た目はほぼ一緒ですが、座り心地はまったくの別物でした。
やはり馬の毛を詰めた明治の椅子よりも、
ウレタンフォームが使われている平成の椅子のほうが座りやすかったです。
ただ、高級感という意味では、明治の椅子に軍配。
同じ形でも、内部の構造でこうも変わるのですね。
さてさて、椅子張り職人である宮本さんには、もう一つの顔があります。
それは、日本初の家具モデラーとしての顔。
家具モデラーとは、メーカーやデザイナー、建築家が、
椅子を制作する際に、彼らと職人との間を繋ぎ、製品化を支えるお仕事です。
こちらは、日本を代表するグラフィックデザイナー・佐藤卓さんがデザインした 《SPRING》 。
見るからに座り心地の良さそうなこちらのソファ。
その中身は、このようになっています。
素材の選定やコイルの配置、コイルの巻数などを考えるのが宮本さんのお仕事。
まさに、陰に隠れた仕事です。
ちなみに、「日本が世界に誇る木組みの技術を最大限に活かしたい」 という、
佐藤さんのリクエストに応えて、木部の接合には一つも釘が使われていないのだとか。
見えない部分のこだわりがハンパではありません。
さらに、こちらは、新国立競技場を作るはずだった建築家、
ザハ・ハディドが札幌市にかつてあったレストランのために試作した椅子 《FLUTTY CHAIR》。
「北海道→ジンギスカン→羊」 という連想なのかはわかりませんが。
羊毛が用いられた独創的な椅子です。
ザハのデザインを忠実に再現すると、背面の金属部分で、怪我をする恐れがあったのだそう。
そこで、“椅子の神様” 宮本さんは、
エッジは残しつつも、上から見ると丸く滑らかにして安全性を確保したのだとか。
「神は細部に宿る」 とは、まさにこのことです。
他にも、プロダクトデザイナー梅田正徳さんの桔梗をモチーフにした 《月苑》 や、
つい先日、藤井フミヤ展の会場近くで目にしたばかりのベンチをはじめ、
数多くの椅子に携わっている宮本さん。
「えっ、あの椅子も?えっ、この椅子にも関わっていたの?!」 と驚きの連発。
どうやら、“椅子の神様は遍在する” ようです。
また、修復や開発に携わるだけでなく、自身でも設計する宮本さん。
こちらの 《Mychair》 も宮本さん自らが手掛けた椅子です。
自分の体型に合うサイズを4種から、
木部の樹種を5種から、カバーの布地を10種から選べる椅子なのだとか。
会場に展示されていた 《Mychair》 は、座ることが可能です。
早速、座ってみることに。
「マジ神!」
めちゃめちゃ座り心地が良かったです。
なお、お値段を調べてみたら、Sサイズで、27万4000円~とのこと。
イイ椅子は、やはりお値段もイイですね。
ちなみに。
展覧会のラストには、宮本さんの詳細な年表がパネルで紹介されていました。
その中に、思わず二度見してしまった記述が!
80歳の記念に上空4000メートルからスカイダイビング。
さすが椅子の神様。
肝がすわってます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
世の中には、さまざまな神様が存在しています。
ちなみに、僕は大学生時代にレンタルビデオのGEOでバイトをしていたのですが、
返却されたビデオを棚に戻すのが得意だったため、「返却の神様」 というあだ名がついていました。
・・・・・・って、それはどうでもいいですね。
本日紹介するのは、「椅子の神様」 にスポットを当てた展覧会、
京橋のLIXILギャラリーで開催中の “椅子の神様 宮本茂紀の仕事” です。
15歳で椅子張り職人に弟子入りし、
82歳を迎えた今もなお現役の椅子張り職人として第一線で活動を続ける宮本茂紀さん。
過去には、迎賓館や鹿鳴館に残された椅子の修復も行っているほどの人物です。
鹿鳴館で使用され、現在は、明治村で展示されている、
こちらの 《竹塗蒔絵小椅子》 も、宮本さんが修復したものなのだそう。
一見すると、竹製のように思えますが・・・・・
実は、なんと木製。
わざわざ木に節を作って竹のように見せ、
なおかつ、その上に漆を塗り、蒔絵が施されているそうです。
さすが鹿鳴館仕様!
実にゴージャスな椅子です。
ところが、この椅子が発見された時、蒔絵部分はペンキで覆われていたのだとか。
おそらく、その犯人 (?) は、華族会館 (旧鹿鳴館) を接収したGHQであろうとのこと。
何はともあれ、明治時代から現代まで、
椅子を知り尽くした宮本さんだからこそ、もとの姿に戻せたのだそうです。
そんな椅子に精通した宮本さんのスゴさが、さらにわかるのがこちらの展示。
3脚ともほぼ同じように見えますが、
実は左から明治、昭和、平成と、時代ごとのクッションの構造を再現したものです。
なお、会場では実際に座って、
3つの椅子の座り心地を比べられるようになっています。
見た目はほぼ一緒ですが、座り心地はまったくの別物でした。
やはり馬の毛を詰めた明治の椅子よりも、
ウレタンフォームが使われている平成の椅子のほうが座りやすかったです。
ただ、高級感という意味では、明治の椅子に軍配。
同じ形でも、内部の構造でこうも変わるのですね。
さてさて、椅子張り職人である宮本さんには、もう一つの顔があります。
それは、日本初の家具モデラーとしての顔。
家具モデラーとは、メーカーやデザイナー、建築家が、
椅子を制作する際に、彼らと職人との間を繋ぎ、製品化を支えるお仕事です。
こちらは、日本を代表するグラフィックデザイナー・佐藤卓さんがデザインした 《SPRING》 。
見るからに座り心地の良さそうなこちらのソファ。
その中身は、このようになっています。
素材の選定やコイルの配置、コイルの巻数などを考えるのが宮本さんのお仕事。
まさに、陰に隠れた仕事です。
ちなみに、「日本が世界に誇る木組みの技術を最大限に活かしたい」 という、
佐藤さんのリクエストに応えて、木部の接合には一つも釘が使われていないのだとか。
見えない部分のこだわりがハンパではありません。
さらに、こちらは、新国立競技場を作るはずだった建築家、
ザハ・ハディドが札幌市にかつてあったレストランのために試作した椅子 《FLUTTY CHAIR》。
「北海道→ジンギスカン→羊」 という連想なのかはわかりませんが。
羊毛が用いられた独創的な椅子です。
ザハのデザインを忠実に再現すると、背面の金属部分で、怪我をする恐れがあったのだそう。
そこで、“椅子の神様” 宮本さんは、
エッジは残しつつも、上から見ると丸く滑らかにして安全性を確保したのだとか。
「神は細部に宿る」 とは、まさにこのことです。
他にも、プロダクトデザイナー梅田正徳さんの桔梗をモチーフにした 《月苑》 や、
つい先日、藤井フミヤ展の会場近くで目にしたばかりのベンチをはじめ、
数多くの椅子に携わっている宮本さん。
「えっ、あの椅子も?えっ、この椅子にも関わっていたの?!」 と驚きの連発。
どうやら、“椅子の神様は遍在する” ようです。
また、修復や開発に携わるだけでなく、自身でも設計する宮本さん。
こちらの 《Mychair》 も宮本さん自らが手掛けた椅子です。
自分の体型に合うサイズを4種から、
木部の樹種を5種から、カバーの布地を10種から選べる椅子なのだとか。
会場に展示されていた 《Mychair》 は、座ることが可能です。
早速、座ってみることに。
「マジ神!」
めちゃめちゃ座り心地が良かったです。
なお、お値段を調べてみたら、Sサイズで、27万4000円~とのこと。
イイ椅子は、やはりお値段もイイですね。
ちなみに。
展覧会のラストには、宮本さんの詳細な年表がパネルで紹介されていました。
その中に、思わず二度見してしまった記述が!
80歳の記念に上空4000メートルからスカイダイビング。
さすが椅子の神様。
肝がすわってます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!