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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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漫才「昔話によく似た話」

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こんばんは。
アートテラーのとに~です。
そして、元吉本興業所属のお笑いコンビ、ツインツインのツッコミの大山敦士です。
2016年に、ツインツインは一応復活したのですが。
僕は僕で、相方のヤス (安田) は社長業と、お互い本業で忙しく、
コンビとしての活動は、思うように出来ていないというのが実情です。
新ネタもいくつか作ってあるのですが、それらも全く発表できておりません。

さてさて、本日は、そんな新ネタのうちの1つに、
アートが少し関係するものがあるので、せっかくなので、ここで披露してみようと思います。
4分ネタなので、ややボリュームがありますが、
お時間に余裕のある時に、お目通し頂ければ幸いです。

それでは、ツインツインの新ネタです。どーぞ。




2人「はいどーもこんにちは。ツインツインです」
安田 (以下、安) 「不思議な話していい?」
大山 (以下、大) 「いきなり何?」
安 「俺、昔、ABCマートでバイトしてたじゃん」
大 「あぁ、してたね」
安 「ある日、コンバースのスニーカーを誤発注しちゃってさ。
  店長にキレられて、その在庫分を路上で売ってこいって言われたことがあったんだよね」
大 「うわー、今だったら、ブラックバイトとか叩かれそうだね。で、売れたの?」
安 「いや、全然。それで、売れ残ったコンバースを持って、
  バイト先に帰ってる途中にさ、道の横にお地蔵さまが並んでたのね」
大 「うん」
安 「その日、雪が降ってて。6体並んだお地蔵さんが、あまりにも寒そうだったからさ・・・」
大 「ちょっとちょっと待って!それって、『笠地蔵』 の話じゃない?」
安 「『笠地蔵』?何それ?」
大 「いや、あの昔話の。教科書とかにも載ってるじゃん」
安 「ごめん。知らないなぁ。だって、俺、帰国子女だから」
大 「あー、そう言えば、小学生の時はメキシコにいたんだっけ。
  そっかそっか、じゃあ、まぁ 『笠地蔵』 知らないか」
安 「話、続けていい?」
大 「あ、どうぞどうぞ」
安 「でね、お地蔵さんが寒そうだったから、持ってたコンバースを履かせてあげたんだよね」
大 「履けるもんなの?!」
安 「ピッタリ履けたよ。
  それで、順々に履かせていったんだけど、最後の1体分のコンバースがちょうど無くてさ」
大 「『笠地蔵』 と展開が一緒じゃん!」
安 「しょうがないから、最後の1体には俺が履いてたリーボックを履かせてあげたんだよね」
大 「まんま 『笠地蔵』 だよ!」
安 「それでさ、その夜に不思議なことがあってね。なんか急に玄関の外が騒がしくなったんだよ」
大 「さっきのお地蔵様がお礼に来たんだよ」
安 「『何だろう?』 と思ってドアを開けたらさ、そこには何と大量の餅があったわけ!」
大 「だろうね!」
安 「でも、そんなにお餅って食べないじゃん?」
大 「えっ?」
安 「てか、誰が持ってきたのかわからない餅なんて食べる気しないじゃん?」
大 「はっ?」
安 「だから、生ゴミの日に全部まとめて捨てたよね」
大 「これ、そういう話だったの?めでたしめでたし、みたいな話じゃないんだ」
安 「いや、めでたくないっしょ。謎の餅を大量廃棄したって話だよ」
大 「『笠地蔵』 だと、ハッピーエンドだったんだけどなぁ」
安 「さっきから何なの?『笠地蔵』、『笠地蔵』 って」
大 「あ、ごめんね。『笠地蔵』 知らなかったんだよね」
安 「あとさ、不思議な話といえばね」
大 「うんうん」
安 「俺が独身だった時の話なんだけど、道歩いてたら、罠にかかった鶴がいてね」
大 「『鶴の恩返し』 じゃん!」
安 「何それ?」
大 「昔話の!」
安 「知らないよ。帰国子女だから」
大 「『鶴の恩返し』 も知らないのかよ」
安 「続けていい?」
大 「まぁ、どうぞ」
安 「とにかく俺はその罠にかかった鶴を助けてあげたわけ」
大 「いや、普通に驚けよ!道に鶴がいるんだから!
  しかも、罠にかかってるだから!何で自然に受け入れられるんだよ」
安 「そしたら、またその夜にさ」
大 「どうせ女の人が来たんだろ?」
安 「おっ、正解!勘が良いなぁ。
  そうそう、チャイムが鳴って玄関開けたら、女の子が立ってたの」
大 「さっきお前が助けた鶴が、女の子に姿を変えて来たんだよ」
安 「そんなわけないじゃん(笑)。鶴が人間に姿を変えるって・・・頭、大丈夫??」
大 「まぁ、冷静に考えたら、そんなわけないか。昔話に引っ張られ過ぎたわ」
安 「で、その鶴田さんって女の子がね」
大 「鶴じゃん!」
安 「その鶴田鶴子さんがね」
大 「ヒント出まくりじゃん!やっぱ鶴だよ!!」
安 「「一晩泊めてください」 っていうのよ」
大 「展開的には、そうなるよね」
安 「でもさ、知らない女の子がいきなり家に来てね。
  しかも、「泊めてください」 って、めちゃくちゃ図々しいじゃん」
大 「確かに」
安 「ちょっと引いちゃったんだけど。
  顔とかスタイルを見たら、まぁギリギリイケる感じだったので、泊めることにしたんだよね」
大 「結局、泊めたんだ。下心丸出しだなぁ」
安 「で、家にあげたら、その女、何て言ってきたと思う?」
大 「何だろ?」
安 「「この部屋を貸してください」 って言って、勝手に部屋に入っちゃったの。マジで図々しくね?」
大 「まぁ、そこだけ切り取ると、確かにね・・・。でも、ほら恩返しに来たんだから」
安 「恩返し?何それ?
  あ、それで、部屋に入ったあと、何て言ったと思う?」
大 「さぁ?」
安 「「機織り機って、どこにありますか?」 って」
大 「そうだよね。それが無いとね」
安 「てかさ、機織り機なんかあるわけないじゃん」
大 「・・・だな。うん」
安 「そしたら、「じゃあ、手編みします」 的なこと言ってたけどね。何のことかよくわかんなかったけど。
  で、最終的に言われたのが、「この部屋は絶対に覗かないでください」 って。
  何様だよ!俺ん家だろ!って話だよ」
大 「で、どうしたの?開けなかったの?」
安 「いや、冷静になって考えてね」
大 「うん」
安 「女の子が一人暮らしの男の家に泊まりに来たってことは、
  まぁ、ある程度、その気があったから来てると思うんだよね」
大 「は?」
安 「だから、部屋を覗かないっていうのは、
  逆に、女の子のプライドを傷つけちゃうんじゃないかなぁ、と思って」
大 「ええっ?まさか・・・」
安 「覗いたよ」
大 「覗くなよ!」
安 「そしたらさ、ビックリしたんだけど・・・」
大 「うん」
安 「部屋の中に鶴がいたんだよ!」
大 「だろうね!!」
安 「とりあえず、窓から逃がしてあげたよね」
大 「覗かなかったら、布とか貰えたのに。昔話知っとけよ」
安 「あっ、それでね。鶴にビックリしすぎて、すっかり忘れてたんだけど。
  あの女、いつの間にかいなくなってたわけ」
大 「今逃げた鶴が、その女だったんだよ!」
安 「慌てて財布とか無くなってないか確認したんだけど、ひとまず盗まれたものは無かったわ」
大 「そうだろ」
安 「知らない人を自分ん家にあげるってのは、怖いよね」
大 「何だよ、その話の終わり方?さっきから、話の着地点が昔話とズレてんだよ」
安 「だから、さっきから昔話、昔話って何なん?」
大 「『鶴の恩返し』 も知らなかったんだっけ」
安 「あと、不思議な話といえば・・・」
大 「まだあんの?」
安 「昔、オノ・ヨーコと付き合ってた時の話なんだけど」
大 「えっ、そうなの?!その時点で、十分不思議だけど!」
安 「2人でドライブしててね。で、その途中に湖が見えてきてね」
大 「うん」
安 「で、車停めて、なんとなく2人でその湖を見に行ったんだよ」
大 「うんうん」
安 「そしたら、そのうち、オノ・ヨーコがジョンの話ばっかしはじめて。ムッとしちゃってさ」
大 「まぁ、元カレの話されるとね」
安 「それがきっかけで口論になって。
  で、つい手が出ちゃってさ、湖のほうに突き飛ばしちゃったんだよね」
大 「オノ・ヨーコを?それはヤバいだろ」
安 「俺もすぐ冷静になって、助けに行こうと思って。
  そしたら、その瞬間、湖から女神みたいなのが出てきてね」
大 「は?!」
安 「「今、この湖にオノ・ヨーコを落としたのは貴方ですか?」 とか聞いてくるわけ」
大 「これ、あれだよね。『金の斧』 の話だよね」
安 「何それ?」
大 「昔話の!てか、イソップ童話だかグリム童話だか!」
安 「知らない。帰国子女だから」
大 「今回は関係ねーよ!海外の昔話だから」
安 「『金の斧』 はわかんないんだけど、話続けていい?」
大 「てか、女神が出てきたことを、何で自然に受け入れてんだよ!
  湖から女神が出てきたって、異常な事態だろ!」
安 「「落したのは貴方ですか?」 って聞かれたから、「はい」 って答えたの。
  そしたら、その女神が今度は、
  「貴方が落したのは、この金のオノ・ヨーコですか?それとも、銀のオノ・ヨーコですか?」
  って質問してきてね」
大 「金のオノ・ヨーコ、って何なんだよ!」
安 「迷わず、金のオノ・ヨーコを選んだよね」
大 「選んじゃうなよ!そこは、普通のオノ・ヨーコを選べよ!
  ・・・・・いや、普通のオノ・ヨーコってのも、よくわかんないけど」
安 「そしたら、「この嘘つき者!」 って女神がキレて、
  そのまま金のオノ・ヨーコと銀のオノ・ヨーコを連れて湖に戻って行っちゃったんだよね」
大 「だから、昔話ちゃんと知っとけよ。
  そしたら、普通のオノ・ヨーコだけじゃなくて、正直者のご褒美として、
  金のオノ・ヨーコと銀のオノ・ヨーコもお前のものになったのに・・・ん?それはそれで困るか」
安 「まぁ、何はともあれ、それ以来、オノ・ヨーコと逢ってなくてさ。大人の失恋だったよね」
大 「これ失恋話だったの?なんだよ、その着地点!全然、頭に入ってこなかったわ。
  てかさ、じゃあ、俺も不思議な話、一つあるんだけど、していい?」
安 「いいよ」
大 「この前、街歩いてたら、黒猫が目の前に現れてね、明らかにおいでおいでしてるのよ」
安 「うん」
大 「それに付いて行こうとしたら・・・」
安 「えっ、ちょっと待って待って!」
大 「何?」
安 「それってさ、まんま 『サボテン太郎』 じゃん!」
大 「何だよ、それ?!」
安 「メキシコの昔話」
大 「そんな昔話、知らねーよ!!いい加減にしろ!」
2人「どーもありがとうございました」




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