現在、太田記念美術館では、
トム・クルーズ主演のあの映画を彷彿とさせるタイトルの展覧会が開催されています。
その名も、“ラスト・ウキヨエ 浮世絵を継ぐ者たち” 。
浮世絵の全盛期であった江戸時代以降、
つまり明治時代の浮世絵、「最後の浮世絵師」 たちの作品を紹介する展覧会です。
これまで、「最後の浮世絵師」 というと、
月岡芳年や小林清親、河鍋暁斎あたりが紹介されるのみでしたが。
今回の展覧会では、彼らの作品はもちろんのこと、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
その弟子たちを含む次の世代の浮世絵師、
いうなれば、「本当の最後の浮世絵師」 の作品にもスポットが当てられています。
二代歌川芳宗、右田年英、山田敬中、尾形月耕、山本昇雲、宮川春汀…etc
正直なところ、“はじめまして” な浮世絵師のオンパレードでしたが。
マイナーだからと言って、作品に魅力が無いということは決してなく。
現代の目で見ても十分にカッコよく感じられる、
ドラマチックでスタイリッシュな作風の浮世絵が多々ありました。
これまで、漠然と浮世絵文化に対して、
明治になって、尻つぼみ的に衰退したような印象を抱いていましたが。
この展覧会を通じて、そのイメージが一新。
明治時代に突入しても、浮世絵は変わらず華々しいままだったようです。
また、「最後の浮世絵師」 とは言うものの、彼らの多くは、
浮世絵師として殉職 (?) したわけではなく、日本画家へとシフトチェンジしています。
彼らこそ、浮世絵界と明治大正の日本画界を繋ぐ重要な存在だったのですね。
さてさて、ここからは、今回の出展作の中で気になったものをピックアップしてご紹介。
まずは、山村耕花の 《梨園の華 七代目坂東三津五郎の唖・次郎助》 (画面右) です。
どこを見ているのか、よくわからない視線。
何を考えているのか、よくわからない表情。
そして、『しお』 と書かれたプレートを首から下げ、それを無言でスッと強調する。
そんなよくわからないパフォーマンスをする感じ。
う~ん。彼から発せられる空気感は、誰かに似ているような・・・・・・あっ!
芥川賞作家の羽田圭介だ!
続いては、山田敬中の 《洗馬図》 (画面右) 。
青く塗られたいっぱいの画面の中に、丸い窓。
う~ん、このテイストも、やはり何かに似ているような・・・・・・あっ!
『ドラえもん』 とか 『キテレツ大百科』 とか、藤子・F・不二雄アニメのラストシーンだ!
ちなみに、山田敬中の 《洗馬図》 が、藤子・F・不二雄なら、
生没年不明の謎の絵師・安田蕉堂の 《神泉花に小野小町雨乞》 は、新海誠アニメでした (←?)。
モチーフとなっているのは、小野小町が歌の力で雨を降らせたという故事。
しかも、雨雲の一部からスポットライトのような強烈な晴れ間がのぞいています。
天気を自在に操る小野小町。
いうなれば、平安時代の 『天気の子』 です。
最後に紹介したいのは、安田蕉堂と同じく、
生没年不明の謎の絵師・市川甘斎の 《蛙》 という一枚。
蛙が擬人化されていて、一見すると、ユーモラスな印象なのですが。
顔つきや全体的な質感は、むしろ不気味。
カワイイのか。キモイのか。
見れば見るほど、どっちかわからなくなってくる。
これまでに味わったことのない不思議なテイストの浮世絵でした。
とりあえず、こっち来んな!
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トム・クルーズ主演のあの映画を彷彿とさせるタイトルの展覧会が開催されています。
その名も、“ラスト・ウキヨエ 浮世絵を継ぐ者たち” 。
浮世絵の全盛期であった江戸時代以降、
つまり明治時代の浮世絵、「最後の浮世絵師」 たちの作品を紹介する展覧会です。
これまで、「最後の浮世絵師」 というと、
月岡芳年や小林清親、河鍋暁斎あたりが紹介されるのみでしたが。
今回の展覧会では、彼らの作品はもちろんのこと、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
その弟子たちを含む次の世代の浮世絵師、
いうなれば、「本当の最後の浮世絵師」 の作品にもスポットが当てられています。
二代歌川芳宗、右田年英、山田敬中、尾形月耕、山本昇雲、宮川春汀…etc
正直なところ、“はじめまして” な浮世絵師のオンパレードでしたが。
マイナーだからと言って、作品に魅力が無いということは決してなく。
現代の目で見ても十分にカッコよく感じられる、
ドラマチックでスタイリッシュな作風の浮世絵が多々ありました。
これまで、漠然と浮世絵文化に対して、
明治になって、尻つぼみ的に衰退したような印象を抱いていましたが。
この展覧会を通じて、そのイメージが一新。
明治時代に突入しても、浮世絵は変わらず華々しいままだったようです。
また、「最後の浮世絵師」 とは言うものの、彼らの多くは、
浮世絵師として殉職 (?) したわけではなく、日本画家へとシフトチェンジしています。
彼らこそ、浮世絵界と明治大正の日本画界を繋ぐ重要な存在だったのですね。
さてさて、ここからは、今回の出展作の中で気になったものをピックアップしてご紹介。
まずは、山村耕花の 《梨園の華 七代目坂東三津五郎の唖・次郎助》 (画面右) です。
どこを見ているのか、よくわからない視線。
何を考えているのか、よくわからない表情。
そして、『しお』 と書かれたプレートを首から下げ、それを無言でスッと強調する。
そんなよくわからないパフォーマンスをする感じ。
う~ん。彼から発せられる空気感は、誰かに似ているような・・・・・・あっ!
芥川賞作家の羽田圭介だ!
続いては、山田敬中の 《洗馬図》 (画面右) 。
青く塗られたいっぱいの画面の中に、丸い窓。
う~ん、このテイストも、やはり何かに似ているような・・・・・・あっ!
『ドラえもん』 とか 『キテレツ大百科』 とか、藤子・F・不二雄アニメのラストシーンだ!
ちなみに、山田敬中の 《洗馬図》 が、藤子・F・不二雄なら、
生没年不明の謎の絵師・安田蕉堂の 《神泉花に小野小町雨乞》 は、新海誠アニメでした (←?)。
モチーフとなっているのは、小野小町が歌の力で雨を降らせたという故事。
しかも、雨雲の一部からスポットライトのような強烈な晴れ間がのぞいています。
天気を自在に操る小野小町。
いうなれば、平安時代の 『天気の子』 です。
最後に紹介したいのは、安田蕉堂と同じく、
生没年不明の謎の絵師・市川甘斎の 《蛙》 という一枚。
蛙が擬人化されていて、一見すると、ユーモラスな印象なのですが。
顔つきや全体的な質感は、むしろ不気味。
カワイイのか。キモイのか。
見れば見るほど、どっちかわからなくなってくる。
これまでに味わったことのない不思議なテイストの浮世絵でした。
とりあえず、こっち来んな!
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