西洋美術史上もっとも偉大な芸術家の一人で、
もっとも破天荒な人生を送った芸術家カラヴァッジョ。
その代表作の数々が来日した大々的な “カラヴァッジョ展” が、
先月まで、札幌にある北海道立近代美術館で開催されていました。
その後、展覧会は、名古屋市美術館、あべのハルカス美術館へと巡回。
残念ながら、東京は会場に選ばれていません。。。(悲)
東京の代わりに札幌だなんて。
まるで、来年の東京オリンピックのマラソンの悲劇を暗示しているようです (←?)。
とはいえ、よくよく考えてみれば、
東京の美術館が巡回会場に選ばれて当然というのは、思い上がりも甚だしい考え方。
ちゃんと心を入れ直して、2番目の巡回先である名古屋市美術館に足を運んできました。
38歳という若さでこの世を去ったため、
現存作品はわずか60点ほどしかないカラヴァッジョ。
2016年に国立西洋美術館で開催された “カラヴァッジョ展” では、
そのうちの実に11点 (!) が来日したことで、大きな話題となりました。
今回の “カラヴァッジョ展” では、日本初公開となる 《リュート弾き》 や、
カラヴァッジョが死ぬ間際に携えていた3点の絵画のうちの1点 《法悦のマグダラのマリア》、
矢が刺さっても死なない男を描いた 《聖セバスティアヌス》 をはじめ、
10点のカラヴァッジョ作品が来日しています。
11点に1点及ばなかったものの、ほぼ同等な “カラヴァッジョ展” といえましょう。
名古屋まで足を伸ばした甲斐がありました。
さらに、展覧会では、カラヴァッジョと同時代に活躍した画家の作品や、
アンニバーレ・カラッチ 《笑う若者の頭部》
カラヴァッジョに大きな影響を受けた画家の作品など、
バルトロメオ・マンフレーディ 《カインとアベル》
カラヴァッジョと関わりの深い周辺の画家の作品も紹介されています。
ちなみに、こちらの 《聖ペテロの改悛》 を描いた・・・・・
ジョヴァンニ・バリオーネも、カラヴァッジョとは深い関わりを持つ人物。
ある時、ローマで 「バリオーネの絵、酷すぎwww」 的な歌が流行したそうです。
ぶち切れるバリオーネ。
そこで、その歌を作ったと思われる4人組を名誉毀損の罪で訴えました。
その4人組の1人が、カラヴァッジョ。
カラヴァッジョは、裁判所で無関係であることを主張しています。
なお、真相は闇の中ですが、
結果、カラヴァッジョはこの一件で2週間ほど牢獄に入っていたそうです。
さてさて、ここからは、カラヴァッジョ作品の中で印象的だったものをご紹介していきましょう。
まずは、《歯を抜く人》。
麻酔がなかった当時、歯を抜くのは、
ちょっとしたエンタテインメントだったようです。
歯が抜けるシーンを見逃してはならないと、皆一様にガン見しています。
特に右のおばあちゃん。
その視線には鬼気迫るものがあります。
どうでもいいのですが、それだったら、
タイトルは、《歯を抜く人》 ではなく、《歯を抜かれる人》 のがいいのでは?
続いては、《聖アガピトゥスの殉教》。
キリスト教の棄教を断固拒否し、
15歳という若さで処刑された聖アガピトゥスを描いた一枚です。
切られた首からピューッと血が噴き出しています。
写実的なカラヴァッジョにしては珍しく、なんとも漫画的な表現でした。
本当にカラヴァッジョが描いたのか怪しい気がします。
ちなみに、吹き出した血の先に目線をやると、そこには2つのグラスがありました。
まるでトマトジュースのように、グラスに血が溜まっていってます。
なんだそれw
個人的に対面がもっとも楽しみだったのは、《洗礼者聖ヨハネ》 。
絵の前に立った瞬間、このボディを目指して、
ダイエットに挑んだ35日間が、走馬灯のように駆け巡りました。
(参考:ヨハネへの道)
やはり実物は美ボディですね。
改めて、この体型をキープしなくては、と心に誓いました。
ちなみに、今展の目玉作品は何といっても、
名古屋会場でしか出展されない 《ゴリアテの首を持つダヴィデ》 です。
日本初公開。
描かれているゴリアテのモデルは、カラヴァッジョ本人なのだそうです。
本人もそうだったのでしょうか、乱杭歯の表現が妙にリアルでした。
また、そんなゴリアテを汚物を持つかのように掲げているダヴィデ。
そのモデルも、なんとカラヴァッジョ本人、若き日の姿なのだそうです。
この絵が描かれたのは、1609年頃。
カラヴァッジョが殺人を起こし、死刑宣告されてから3年後、逃亡中に描いたものです。
なぜ、俺は逃亡犯となってしまったのか?
そんな今の俺を、きっと昔の俺は許さないだろう。
そういう葛藤を表現した絵にも見えてきました。
さてさて、実は、札幌で始まったこの展覧会、
来日予定だった8点の作品 (うち2点はカラヴァッジョ作品) が、
会期が始まってもイタリアから届かないというハプニングに見舞われました。
そして、届かないまま、札幌での展覧会は終幕。
結局、出展自体が取りやめとなってしまいました。
さらに、最終の大阪会場の展示の目玉であった・・・
《ホロフェルネスの首を斬るユディト》 も出展不可が決定してしまったそうです。
破天荒な人生を送ったカラヴァッジョの呪いなのかもしれません。
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もっとも破天荒な人生を送った芸術家カラヴァッジョ。
その代表作の数々が来日した大々的な “カラヴァッジョ展” が、
先月まで、札幌にある北海道立近代美術館で開催されていました。
その後、展覧会は、名古屋市美術館、あべのハルカス美術館へと巡回。
残念ながら、東京は会場に選ばれていません。。。(悲)
東京の代わりに札幌だなんて。
まるで、来年の東京オリンピックのマラソンの悲劇を暗示しているようです (←?)。
とはいえ、よくよく考えてみれば、
東京の美術館が巡回会場に選ばれて当然というのは、思い上がりも甚だしい考え方。
ちゃんと心を入れ直して、2番目の巡回先である名古屋市美術館に足を運んできました。
38歳という若さでこの世を去ったため、
現存作品はわずか60点ほどしかないカラヴァッジョ。
2016年に国立西洋美術館で開催された “カラヴァッジョ展” では、
そのうちの実に11点 (!) が来日したことで、大きな話題となりました。
今回の “カラヴァッジョ展” では、日本初公開となる 《リュート弾き》 や、
カラヴァッジョが死ぬ間際に携えていた3点の絵画のうちの1点 《法悦のマグダラのマリア》、
矢が刺さっても死なない男を描いた 《聖セバスティアヌス》 をはじめ、
10点のカラヴァッジョ作品が来日しています。
11点に1点及ばなかったものの、ほぼ同等な “カラヴァッジョ展” といえましょう。
名古屋まで足を伸ばした甲斐がありました。
さらに、展覧会では、カラヴァッジョと同時代に活躍した画家の作品や、
アンニバーレ・カラッチ 《笑う若者の頭部》
カラヴァッジョに大きな影響を受けた画家の作品など、
バルトロメオ・マンフレーディ 《カインとアベル》
カラヴァッジョと関わりの深い周辺の画家の作品も紹介されています。
ちなみに、こちらの 《聖ペテロの改悛》 を描いた・・・・・
ジョヴァンニ・バリオーネも、カラヴァッジョとは深い関わりを持つ人物。
ある時、ローマで 「バリオーネの絵、酷すぎwww」 的な歌が流行したそうです。
ぶち切れるバリオーネ。
そこで、その歌を作ったと思われる4人組を名誉毀損の罪で訴えました。
その4人組の1人が、カラヴァッジョ。
カラヴァッジョは、裁判所で無関係であることを主張しています。
なお、真相は闇の中ですが、
結果、カラヴァッジョはこの一件で2週間ほど牢獄に入っていたそうです。
さてさて、ここからは、カラヴァッジョ作品の中で印象的だったものをご紹介していきましょう。
まずは、《歯を抜く人》。
麻酔がなかった当時、歯を抜くのは、
ちょっとしたエンタテインメントだったようです。
歯が抜けるシーンを見逃してはならないと、皆一様にガン見しています。
特に右のおばあちゃん。
その視線には鬼気迫るものがあります。
どうでもいいのですが、それだったら、
タイトルは、《歯を抜く人》 ではなく、《歯を抜かれる人》 のがいいのでは?
続いては、《聖アガピトゥスの殉教》。
キリスト教の棄教を断固拒否し、
15歳という若さで処刑された聖アガピトゥスを描いた一枚です。
切られた首からピューッと血が噴き出しています。
写実的なカラヴァッジョにしては珍しく、なんとも漫画的な表現でした。
本当にカラヴァッジョが描いたのか怪しい気がします。
ちなみに、吹き出した血の先に目線をやると、そこには2つのグラスがありました。
まるでトマトジュースのように、グラスに血が溜まっていってます。
なんだそれw
個人的に対面がもっとも楽しみだったのは、《洗礼者聖ヨハネ》 。
絵の前に立った瞬間、このボディを目指して、
ダイエットに挑んだ35日間が、走馬灯のように駆け巡りました。
(参考:ヨハネへの道)
やはり実物は美ボディですね。
改めて、この体型をキープしなくては、と心に誓いました。
ちなみに、今展の目玉作品は何といっても、
名古屋会場でしか出展されない 《ゴリアテの首を持つダヴィデ》 です。
日本初公開。
描かれているゴリアテのモデルは、カラヴァッジョ本人なのだそうです。
本人もそうだったのでしょうか、乱杭歯の表現が妙にリアルでした。
また、そんなゴリアテを汚物を持つかのように掲げているダヴィデ。
そのモデルも、なんとカラヴァッジョ本人、若き日の姿なのだそうです。
この絵が描かれたのは、1609年頃。
カラヴァッジョが殺人を起こし、死刑宣告されてから3年後、逃亡中に描いたものです。
なぜ、俺は逃亡犯となってしまったのか?
そんな今の俺を、きっと昔の俺は許さないだろう。
そういう葛藤を表現した絵にも見えてきました。
さてさて、実は、札幌で始まったこの展覧会、
来日予定だった8点の作品 (うち2点はカラヴァッジョ作品) が、
会期が始まってもイタリアから届かないというハプニングに見舞われました。
そして、届かないまま、札幌での展覧会は終幕。
結局、出展自体が取りやめとなってしまいました。
さらに、最終の大阪会場の展示の目玉であった・・・
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破天荒な人生を送ったカラヴァッジョの呪いなのかもしれません。
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