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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第41回 世田谷区弦巻でアンリ・ルソー

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ルノアールを筆頭に、モネ、ゴッホ、シャガール…と、
街を歩いていると、時に、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわします。
果たして、それらのお店と巨匠との間に関係はあるのか??

気になるようで気にならない。
でも、気にしてしまったら、気になって仕方がない。
そんな疑問を解消すべく、アートテラーは今日も店へと赴く!!



サザエさんの街、桜新町へとやってきました。




桜新町駅から歩くこと約10分。
図書館やプラネタリウムが併設された世田谷区立教育センターに到着しました。




この施設内に唯一ある喫茶店。
それが、ルソー弦巻です。





ただの “ルソー” ではなく、ルソー弦巻。
売れない芸人、もしくは、売れないマジシャンみたいな名前です。


さてさて、ルソーという名前を聞いて、パッと思い浮かぶのは、
やはり、《夢》 などの作品で知られる元祖ヘタウマ画家アンリ・ルソーでしょう。




が、しかし、美術界には他にも、
バルビゾン派の画家テオドール・ルソーが存在しています。
さらに、哲学界には、「自然に還れ」 でお馴染みのジャン=ジャック・ルソーがいます。
果たして、店名の由来は、どのルソーなのでしょう??
何かヒントはないかと、お店の周りをうろうろしていたところ、
おそらく以前使われていたであろうお店のロゴを発見いたしました。




この字体は、まさしくアンリ・ルソーのサインです!!




自分の中でスッキリ解決したところで、いよいよ店内に入ってみることに。
店内のその率直な第一印象は、なんというか・・・・・老人ホームのようでした。




“あれっ?間違えてデイケアの施設に入っちゃった (汗)??”

と、軽く焦ってしまったほどです。
図書館やプラネタリウムがすぐ近くにあるので、
家族連れのお客さんが多いのかと思いきや、先客は、おじいちゃんおばあちゃんだけ。
後から入ってくるお客さんも、おじいちゃんおばあちゃんだけでした。
それから、座面の色味!
喫茶店やレストランでは、まず見かけないカラーリングです。
老人ホームっぽさを増長させています。


さてさて、気を取り直して、何かオーダーを。
事前情報として、洋食が美味しいと聞いていたので、
洋食の定番、オムライスを頼もうとしたところ、まさかの土日限定でした。




周りを見渡せば、店内にいたお客さん全員が、日替わりランチを注文しています。
郷に入っては郷に従え。
僕も日替わりランチを注文することにしました。


さて、メニューが運ばれてくるまで、恒例の店内チェック。
ただ、残念ながら、アンリ・ルソーの絵は飾ってありませんでした。
強いてアンリ・ルソーっぽい部分をを挙げるとするならば・・・・・




座面も含めて、店内に緑が多いことでしょうか。
なんとなく、アンリ・ルソーが描くジャングルっぽいような。


と、そうこうしているうちに、日替わりランチが運ばれてきました。
本日は、天丼です。




見た目はややベチャっとしていますが、
実際のところは、一体どうなのでしょうか。
おそるおそる口に運んでみました。




・・・・・・・うん。ややベチャですね。

油っぽさ、食感こそアレでしたが、
タレの味はちゃんと美味しかったです。
この完璧じゃない感じが、アンリ・ルソーに通ずるところがありました。
(↑無理やりまとめてみました)


ちなみに、アンリ・ルソーといえば、
モデルの人物の体のパーツ (鼻や口、目など) の寸法を測った上で描いたり、
遠近法を完全に無視して好きなものを大きく、そうでないものは小さく描いたり、
と、独自のスタイルを貫き通した画家です。
そのイズムを受け継いだのでしょう (?)。
紙ナプキン入れの使い方が、だいぶ独自スタイルでした。




紙ナプキンだけでなく、
スティックシュガーもつま楊枝も入れちゃう。
それが、ルソー弦巻です。


<お店情報>
ルソー弦巻
住所:東京都世田谷区弦巻3-16-8 世田谷区立教育センター内
定休日:最終木曜日、年末年始
営業時間:10:00~17:00
 



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