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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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所蔵作品展 パッション20 今みておきたい工芸の想い

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東京国立近代美術館のちょっと先にある東京国立近代美術館工芸館。




1977年に東京国立近代美術館の分館として、現在の場所に開館しましたが、
来年2020年に金沢へと移転し、夏に国立工芸館 (仮称) としてリニューアルオープンします。
つまり、この赤煉瓦の建物での展覧会は見納め。
このレトロな雰囲気も見納めです。




そんな東京国立近代美術館工芸館のフィナーレを飾るのは・・・・・




“所蔵作品展 パッション20 今みておきたい工芸の想い” という展覧会。
「モダンvs古典」 や 「オブジェも器も関係ない」 といった20のキーワードで、
明治時代の超絶技巧から現代工芸家の作品まで、工芸の100年をイッキ観する展覧会です。




出展作品は、約150点。
それらの中には、民藝の名品の数々や、




人間国宝による名品の数々、




さらには、今年の春に重要文化財に指定されたばかりの鈴木長吉の 《十二の鷹》 や、
これまでに何度も展示されてきた、もはや工芸館の顔ともいうべき巨大な赤い手袋も。




まさに、工芸館オールスターズ大集結!
「最後だから、全部見せちゃおうぜ!」 というような、
東京国立近代美術館工芸館のパッションが伝わってくる展覧会でした。
星星
『笑っていいとも!』 のグランドフィナーレに匹敵するフィナーレっぷりです (←?)。


さてさて、人間国宝・平田郷陽によるイケメンすぎる人形 《桜梅の少将》 や、




メインであるはずの陶芸作品よりも目立ってしまっている川口淳さんの箱、




どことなく世紀末感 (北斗の拳?) が漂う関谷四郎の 《赤銅銀十字線花器》 など、




個人的に強く印象に残った作品は数多くありましたが、
もっとも印象に残ったのは、加藤土師萌の 《緑地釉裏金彩飾壺》 でした。




色合いといい、フォルムといい、なんと美しい飾壺なのでしょう!
古代の文明によって作られた作品のようでもあり、
近未来からタイムスリップしてきた作品のようでもあり。
その不思議な佇まいに、吸い寄せられるように見惚れてしまいました。

あぁ、これらの作品は、来年には金沢へ引っ越してしまうのですね。。。

そう考えると、改めて、寂しさが込み上げてきました。
後悔しないためにも、何度も訪れるほうが良いかもしれません。

ちなみに。
東京での最終日は、2020年の3月8日です。
レミオロメンの1日前、と覚えましょう (←?)。









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