Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展

$
0
0
初詣の参拝者数日本第1位でお馴染みの明治神宮に行ってきました!
(と言っても、混雑を避けるべく、取材は昨年末に行っております)




訪問の目的は、参拝でも、清正井でもなく、
昨年10月26日に明治神宮内苑にオープンしたばかりのこちらのミュージアムです。




その名も、明治神宮ミュージアム。
鎮座百年祭記念事業の一環として開館したもので、
明治天皇と昭憲皇太后にゆかりのある品々を展示するミュージアムです。

設計を手がけたのは、新国立競技場の設計でもお馴染みの隈研吾さん。
隈さん曰く、「100年以上の歳月をかけ、
整備してきた緑の景観を損ねることなく、そこに溶け込むような建築を模索した」 とのこと。
確かに、明治神宮の森に溶け込んでいました。
というか、あまりに溶け込んでいるので、
参拝に向かう大半の人に気づかれていなかったほど。
ステルスタイプのミュージアムです。


ちなみに。
ミュージアムの内部は、こんな感じになっていました。




かなり開放感のある空間!
むしろ開放感がありすぎて、
“あんな細い木材で支えられるのかな?” と不安になりましたが。
どうやら木材に見えて、鉄骨の柱とのこと。
四方に板材が貼られているのだそうです。
ホッとしたような。それはそれで、ガッカリしたような。

なお、すべてが鉄製というわけではありません。




1階2階それぞれのロビーに設置されたベンチは、
明治神宮で役割を終えた木を再利用したものなのだそう。
座ると、ほのかに歴史が感じられました。




さてさて、現在、そんな明治神宮ミュージアムでは、
“天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展” が開催されています。




展覧会は、前後期制。
1月25日から始まる後期展では、
明治神宮の内陣に安置されていた屏風が中心に展示されるそうですが。
1月19日までの前期展では、装束や箪笥、衝立など、
明治天皇と昭憲皇太后が使われた品々が10数点ほど展示されています。
中でも特に印象に残った展示品は、《御玩具》




キャプションには、「毛植の犬」 とあったので、
犬の毛もしくは人毛が植えられているのかと、一瞬ゾッとしましたが。
なんでも、この毛の正体は、絹糸とのこと。
張子状の本体に絹糸を1本1本丁寧に貼り付けて制作されているそうです。
なお、あまりの超絶技巧ゆえ、現在はこの毛植職人の技は途絶えてしまったのだそう。
絶滅危惧種。
最後の 「毛植の犬」 なのかもしれません。


また、明治神宮ミュージアムの目玉ともいうべき展示品が、
企画展示室に隣接した常設展示室の中央に展示された 《六頭曳儀装車》 です。




こちらは、明治22年の憲法発布式の日に、
明治天皇が実際にお乗りになったとされる馬車。
屋根の上には黄金の鳳凰、車体や車輪は漆塗りで仕上げられています。
まさに豪華絢爛。
この馬車と比べてしまうと、
先日のパレードのセンチュリーは、地味に思えて仕方ありません。
これくらい派手でも良かったような。

また、常設展示室には他にも、
キヨッソーネの描いた御尊影や、《黄櫨染御袍》 なども展示されていましたが。
個人的に一番気になった展示品は、《御鉛筆》 です。




ただの鉛筆なのに、展示ケース内でスポットライトを浴びていました。
あっ、“鉛筆” ではなく、“御鉛筆” でしたね。
1本短くなった鉛筆に対して、「明治天皇は質実剛健の方だったから…」 と説明がありましたが。
そのすぐ近くにゴージャス極まりない 《六頭曳儀装車》 があるので複雑な気持ちになりました (笑)


ちなみに。
入館料は1階スペースだけなら、300円。
2階の常設展示室や企画展示室も鑑賞するのであれば、1000円となっています。
展示品の数や展示スペースに対しては、やや割高な印象を受けました。

・・・・・・・・。

明治神宮に奉納したと思うことにしましょう。うん。
きっと御利益があるはずです。
星




1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles