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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展

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現在、代官山ヒルサイドフォーラムでは、
東京造形大学が主催する入場無料 (!) の展覧会、
“ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展” が開催されています。




こちらは、万能の天才ことレオナルド・ダ・ヴィンチ (1452〜1519) の作品を、
最新の研究や技術を駆使して現代に復元し、展示する世界初の試みとなる展覧会です。
監修を務めたのは、ダ・ヴィンチ研究の第一人者である東京造形大学教授の池上英洋氏。
池上氏を中心に、同教員や大学生、大学院生ら計約100名が、
ダ・ヴィンチがかつて抱いた夢を実現させるという前代未聞のプロジェクトに挑んだそうです。

展覧会のメインとなるのは、現存するすべてのダ・ヴィンチの絵画の完全復元。
実は、全16点あるダ・ヴィンチの現存作品のうち、
もともとの色が残っているのは、たった2点だけなのだとか。




残り14点は、表面が劣化していたり、
そもそも、当初から色が塗られていなかったり。
そんな絵画の数々が、最新の研究や技術により、当初の姿を取り戻していました。
例えば、お馴染みの 《ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)》 は、ご覧の通り。




僕らがイメージする 《ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)》 は曇り空の下でポーズを決めている印象がありますが。
あれは、決して天気が悪いのではなく、
表面のニスが退色してしまっているだけとのこと。
本来は、背景にこんな青空が広がっていたのだそうです。

さらに、《ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)》 といえば、
その表面が薬物乱用防止ポスターの人みたいにボロッボロになっている印象がありますが。




復元された作品では、すべすべの肌を取り戻していました。
本当の彼女は、こんなにももち肌だったのですね!
亀裂、ダメ。ゼッタイ。


また例えば、《聖ヒエロニムス》
こちらは、ダ・ヴィンチが下絵を完成させながらも、着色することなく放置したという作品です。




そんな 《聖ヒエロニムス》 を、ダ・ヴィンチの他の絵画や、
同時代の画家たちによる聖ヒエロニムスの絵画などを参考にし、
“たぶんこうだったんじゃないか” と再現したのが、こちらの一枚。




確かに、ダ・ヴィンチっぽいです。
もともとこういう色だったと言われても、全然信じてしまうレベルの復元っぷり。
むしろ、着色がない方が不自然に見えてきました。




さてさて、どの絵画の復元も興味深かったですが、
個人的に一番興味深かったのは、《最後の晩餐》 の復元です。




まず何より、キリストと十二使徒の服装のカラフルさにビックリしました!
笑点のメンバーくらいにカラフルです。
また、それ以上に、ビックリしたのが、テーブルの上の状態。




まさかパンがクロスの上に直置きだったとは。
しかも、ワイングラスでなく、タンブラーだったとは。
大変勉強になりました。


なお、展覧会では、ダ・ヴィンチの絵画以外にも、
ダ・ヴィンチが構想していたという巨大建築物の模型や、




何度かチャレンジするも、実現できなかった2本足で立つ騎馬像の模型も再現展示されています。




さらには、ダ・ヴィンチによる発明品の再現模型も展示されています。




今でこそ芸術家としてお馴染みのダ・ヴィンチですが、
当時、ミラノ宮廷へ就職する際には、軍事技師として自分を売り込んだのだそうです。
ところが、それは完全なるハッタリ。
それまで軍事技師としての経歴は一切ありませんでした。
しかし、軍事技師となった以上、何か作らねばなりません。
そうして慌てて開発に取り組んのだ兵器のうちの1つが、こちらの二頭立て馬車。




馬車が進むと、取り付けられた刀が回転するそうです。


・・・・・・・・・・・・で??
単純に近寄らなければいいだけでは?
兵器としては、ほとんど役に立ちそうもありません。
万能の天才にも、たまには “万能” ではなかったのですね。


ちなみに、続く第2会場では、




《最後の晩餐》 の世界をVRで体験できるコーナーや、




ダ・ヴィンチの発明品をモチーフにしたファミコン風のゲームなどで遊びことが出来ます。




もちろん、これらもすべて無料!
ダ・ヴィンチも万能ですが、東京造形大学も万能です。
星





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