現在、根津美術館で開催されているのは、“〈対〉で見る絵画” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
2幅がペアとなる二幅対の掛け軸や、
右隻と左隻で1セットの屏風絵、
《吉野龍田図屏風》 紙本金地着色 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
さらには、ニコイチの工芸品など、
〈対〉 で成り立っている日本や中国の美術品に焦点を当てた展覧会です。
普段あまり意識したことはありませんでしたが、
こうして並べられてみると、西洋と比べて、確かに、日本には対の作品が多いですね。
そういえば、海外のコメディアンは基本的にピンであるのに対し、日本の芸人はコンビが主流。
もしかしたら、日本人には “対” に惹かれるDNAがあるのかもしれません。
さてさて、今回紹介されていた対の作品の中で、
特に印象に残ったのは、雪村周継の 《龍虎図屏風》 です。
雪村周継 《龍虎図屏風》 紙本墨画 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵
迫力はあるっちゃありますが、
よく見ると、足は短いし、胴は長いし、尻尾は長いし。
いろいろとツッコミどころの多い虎でした。
果たして、龍に勝てるのか?
そもそも勝つ気があるのか?
そうそう、龍虎図と言えば、
江戸時代後期の金工家、船田一琴の作品も印象的でした。
キャプションには、《龍虎図縁頭》 とありますが・・・・・
船田一琴 《龍虎図縁頭》 彫金・朧銀地 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
どこをどう見ても、龍や虎の姿が確認できません。
モチーフとなっているのは、何らかの植物。
“もしかして、キャプションのミス?” と思いきや。
実は、モチーフとなっているのはリンドウとユキノシタとのこと。
そして、それらを漢字にすると、
「龍胆」 と 「虎耳草」 となるのだそうです。
東大王レベルの博学の人だけがニヤリとできるギャグ。
IQ高すぎなギャグです。
さてさて、展覧会では、コンビだけでなく、
トリオ (=3幅対) の作品も紹介されていました。
楊月 《太公望・花鳥図》 紙本墨画 日本・室町時代 15世紀 小林中氏寄贈 根津美術館蔵
コント赤信号の渡辺正行しかり、
ダチョウ倶楽部の肥後克広しかり。
たいていのトリオにはリーダーが存在しています。
3幅対にもリーダー的な存在はあるようで、
基本的に中央に掛けられているのが、格上なのだとか。
森狙仙 《龍・鹿図》 絹本墨画淡彩 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
注意深く見てみると・・・・・
普通は絵の上下に付けられる一文字が、
格上の掛け軸の場合は、左右にも細く付けられています。
これを、「小筋回し(一文字回し)」 と呼ぶのだそう。
格上なのか格下なのか悩んだら (←?)、
これからは、小筋回しをチェックしたいと思います。
なお、展示室5では、可愛いネズミの絵画の数々とともに、
河鍋暁斎 《鼠獅子舞図》 紙本墨画淡彩 日本・江戸時代 19世紀 個人蔵
金島桂華 《夜の梅に鼠》 絹本着色 日本・昭和時代 20世紀 虎屋蔵
根津美術館新春恒例の 《百椿図》 (※) が公開チュウ
(※江戸時代初頭の空前の椿ブームの際に制作された、2巻合わせて約24mなる超大作。100種類以上もの椿が描かれている)
伝 狩野山楽 《百椿図》 紙本着色 日本・江戸時代 17世紀 茂木克己氏寄贈 根津美術館蔵
“〈対〉で見る絵画” を鑑賞した後、
そのついでに、お楽しみくださいませ。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
2幅がペアとなる二幅対の掛け軸や、
右隻と左隻で1セットの屏風絵、
《吉野龍田図屏風》 紙本金地着色 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
さらには、ニコイチの工芸品など、
〈対〉 で成り立っている日本や中国の美術品に焦点を当てた展覧会です。
普段あまり意識したことはありませんでしたが、
こうして並べられてみると、西洋と比べて、確かに、日本には対の作品が多いですね。
そういえば、海外のコメディアンは基本的にピンであるのに対し、日本の芸人はコンビが主流。
もしかしたら、日本人には “対” に惹かれるDNAがあるのかもしれません。
さてさて、今回紹介されていた対の作品の中で、
特に印象に残ったのは、雪村周継の 《龍虎図屏風》 です。
雪村周継 《龍虎図屏風》 紙本墨画 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵
迫力はあるっちゃありますが、
よく見ると、足は短いし、胴は長いし、尻尾は長いし。
いろいろとツッコミどころの多い虎でした。
果たして、龍に勝てるのか?
そもそも勝つ気があるのか?
そうそう、龍虎図と言えば、
江戸時代後期の金工家、船田一琴の作品も印象的でした。
キャプションには、《龍虎図縁頭》 とありますが・・・・・
船田一琴 《龍虎図縁頭》 彫金・朧銀地 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
どこをどう見ても、龍や虎の姿が確認できません。
モチーフとなっているのは、何らかの植物。
“もしかして、キャプションのミス?” と思いきや。
実は、モチーフとなっているのはリンドウとユキノシタとのこと。
そして、それらを漢字にすると、
「龍胆」 と 「虎耳草」 となるのだそうです。
東大王レベルの博学の人だけがニヤリとできるギャグ。
IQ高すぎなギャグです。
さてさて、展覧会では、コンビだけでなく、
トリオ (=3幅対) の作品も紹介されていました。
楊月 《太公望・花鳥図》 紙本墨画 日本・室町時代 15世紀 小林中氏寄贈 根津美術館蔵
コント赤信号の渡辺正行しかり、
ダチョウ倶楽部の肥後克広しかり。
たいていのトリオにはリーダーが存在しています。
3幅対にもリーダー的な存在はあるようで、
基本的に中央に掛けられているのが、格上なのだとか。
森狙仙 《龍・鹿図》 絹本墨画淡彩 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
注意深く見てみると・・・・・
普通は絵の上下に付けられる一文字が、
格上の掛け軸の場合は、左右にも細く付けられています。
これを、「小筋回し(一文字回し)」 と呼ぶのだそう。
格上なのか格下なのか悩んだら (←?)、
これからは、小筋回しをチェックしたいと思います。
なお、展示室5では、可愛いネズミの絵画の数々とともに、
河鍋暁斎 《鼠獅子舞図》 紙本墨画淡彩 日本・江戸時代 19世紀 個人蔵
金島桂華 《夜の梅に鼠》 絹本着色 日本・昭和時代 20世紀 虎屋蔵
根津美術館新春恒例の 《百椿図》 (※) が公開チュウ
(※江戸時代初頭の空前の椿ブームの際に制作された、2巻合わせて約24mなる超大作。100種類以上もの椿が描かれている)
伝 狩野山楽 《百椿図》 紙本着色 日本・江戸時代 17世紀 茂木克己氏寄贈 根津美術館蔵
“〈対〉で見る絵画” を鑑賞した後、
そのついでに、お楽しみくださいませ。
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