日に日に、臨時休館に踏み切る美術館が増えている今日この頃。
皆さまは、いかがお過ごしでしょうか?
そんな中でも、普段と変わらず開館し、
一人でも多くの方に、美術と向き合う時間を提供しているのが、美術愛住館。
女性の洋画家として初の日本芸術会員となった、
池口史子 (ちかこ) さんの作品を中心に、近現代の優れた洋画を企画展示する美術館です。
ちなみに、読み方は、「あいじゅうかん」 ではなく、「あいずみかん」。
この美術館が位置する場所が、新宿区愛住町 (あいずみちょう) であることに由来しています。
さて、そんな美術愛住館で、現在開催されているのが、
“蘇る日々 静かに時は流れ 小杉小二郎展” という展覧会。
こちらは、池口さんのほぼ同期であり、
洋画家の小杉放庵を祖父に持つ画家・小杉小二郎 (1944~) さんの個展です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
祖父である小杉放庵は、人物画を多く残していますが、
孫の小二郎氏は、どうやらそこまで人物画には興味がない様子。
静物画を中心に制作を続けているようです。
どの静物画も、不思議と初めて目にした気がせず。
しかも、初めて目にするはずなのに、どこか懐かしい。
それが、小杉小二郎ワールドです。
長谷川潔や岡鹿之助、有元利夫をどことなく彷彿とさせるものの、
長谷川潔や岡鹿之助、有元利夫とは、やはりどこか違う独自の個性を持っています。
トランプや鉛筆など、たびたび描かれるモチーフもありますが、
フランスの蚤の市で見つけたというおもちゃや日本の民芸品など、
他の画家が描いた静物画には登場しないレアアイテムが登場するのが、小二郎流。
なんとなく、あくまで、なんとなくですが。
作品に漂ううら寂しいイメージも相まって、
『みんなのうた』 の一場面のような印象を受けました。
じーっと眺めていたら、何かしらの歌詞が浮かび上がってくるかもしれません。
(※写真はイメージです)
また、彼の静物画を眺めているうちに、
それらの多くに、とある共通点があることに気が付きました。
それは、ほとんどの静物画において・・・・・・
テーブルの上から何かが落ちそうになっているのです!
落ちそうで落ちない。
この絶妙なバランス感が、
作品にいい意味での緊張感を与えている気がします。
穏やかな空気が漂っている一方で、どこか不穏さもある。
アンビバレントな味わいのある静物画です。
ちなみに、長きにわたってフランスに在住していたという小二郎氏。
そんな彼が描いた風景画も出展されていました。
モンマルトルあたりの景色を描いたものかと思いきや。
タイトルは、《通天閣》 とのこと。
小二郎氏の手にかかると、大阪の景色がこんなにも穏やかな雰囲気になるのですね。
画面からは、一切、関西弁は聞こえてきません。
ヒョウ柄のファッションに身を包んだ女性も、
阪神タイガースのキャップを被った歯の無い男性も、
きっとこの絵の住人ではないのでしょう。
また、代名詞というべき静物画も良かったですが、
個人的には、パウル・クレーを思わせるこちらの作品に惹かれました。
ニワトリがいたり、富士山があったり、
乳母車や水玉模様のマネキンがあったり。
さまざまなモチーフが、ごちゃ混ぜに描かれています。
ごちゃ混ぜではあるものの、決して乱雑な印象はなく、
まるでおもちゃ箱を覗いているような、ワクワクした気分になる一枚でした。
体の健康を保つためには、手洗いうがい。
心の健康を保つためには、美術鑑賞が大事です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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皆さまは、いかがお過ごしでしょうか?
そんな中でも、普段と変わらず開館し、
一人でも多くの方に、美術と向き合う時間を提供しているのが、美術愛住館。
女性の洋画家として初の日本芸術会員となった、
池口史子 (ちかこ) さんの作品を中心に、近現代の優れた洋画を企画展示する美術館です。
ちなみに、読み方は、「あいじゅうかん」 ではなく、「あいずみかん」。
この美術館が位置する場所が、新宿区愛住町 (あいずみちょう) であることに由来しています。
さて、そんな美術愛住館で、現在開催されているのが、
“蘇る日々 静かに時は流れ 小杉小二郎展” という展覧会。
こちらは、池口さんのほぼ同期であり、
洋画家の小杉放庵を祖父に持つ画家・小杉小二郎 (1944~) さんの個展です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
祖父である小杉放庵は、人物画を多く残していますが、
孫の小二郎氏は、どうやらそこまで人物画には興味がない様子。
静物画を中心に制作を続けているようです。
どの静物画も、不思議と初めて目にした気がせず。
しかも、初めて目にするはずなのに、どこか懐かしい。
それが、小杉小二郎ワールドです。
長谷川潔や岡鹿之助、有元利夫をどことなく彷彿とさせるものの、
長谷川潔や岡鹿之助、有元利夫とは、やはりどこか違う独自の個性を持っています。
トランプや鉛筆など、たびたび描かれるモチーフもありますが、
フランスの蚤の市で見つけたというおもちゃや日本の民芸品など、
他の画家が描いた静物画には登場しないレアアイテムが登場するのが、小二郎流。
なんとなく、あくまで、なんとなくですが。
作品に漂ううら寂しいイメージも相まって、
『みんなのうた』 の一場面のような印象を受けました。
じーっと眺めていたら、何かしらの歌詞が浮かび上がってくるかもしれません。
(※写真はイメージです)
また、彼の静物画を眺めているうちに、
それらの多くに、とある共通点があることに気が付きました。
それは、ほとんどの静物画において・・・・・・
テーブルの上から何かが落ちそうになっているのです!
落ちそうで落ちない。
この絶妙なバランス感が、
作品にいい意味での緊張感を与えている気がします。
穏やかな空気が漂っている一方で、どこか不穏さもある。
アンビバレントな味わいのある静物画です。
ちなみに、長きにわたってフランスに在住していたという小二郎氏。
そんな彼が描いた風景画も出展されていました。
モンマルトルあたりの景色を描いたものかと思いきや。
タイトルは、《通天閣》 とのこと。
小二郎氏の手にかかると、大阪の景色がこんなにも穏やかな雰囲気になるのですね。
画面からは、一切、関西弁は聞こえてきません。
ヒョウ柄のファッションに身を包んだ女性も、
阪神タイガースのキャップを被った歯の無い男性も、
きっとこの絵の住人ではないのでしょう。
また、代名詞というべき静物画も良かったですが、
個人的には、パウル・クレーを思わせるこちらの作品に惹かれました。
ニワトリがいたり、富士山があったり、
乳母車や水玉模様のマネキンがあったり。
さまざまなモチーフが、ごちゃ混ぜに描かれています。
ごちゃ混ぜではあるものの、決して乱雑な印象はなく、
まるでおもちゃ箱を覗いているような、ワクワクした気分になる一枚でした。
体の健康を保つためには、手洗いうがい。
心の健康を保つためには、美術鑑賞が大事です。
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